サイボーグ時代の世界でやりたいことを実現する人生戦略とは?
本を読む上で図書館なり本屋で新書を調べてから買うことがあるのですけど、タイトルで惹かれて読んでみるかという本はそれなりにあります。
「サイボーグ時代」という本があってどんな内容だろうかと取ってみたらこの表紙のインパクトw
なんやこの中二病患者はと思いまして読んでみました。
著者の吉藤オリィ氏は株式会社オリィ研究所 代表取締役所長で、不登校経験後の工業高校でオリジナルの車椅子を開発して国内の科学技術フェアJSECにて文部科学大臣賞、ならびに世界最大の科学大会ISEFにてGrand Award 3rdを受賞。
早稲田大学で分身ロボットOriHimeを開発し、オリィ研究所を設立。米Forbesが選ぶアジアを代表する青年30名「30 under 30 2016」などに選ばれています。
まぁ、人物像的には帯にコメント書いてる落合陽一よりも工学・テクノロジー寄りの人という印象ですが、引きこもりなどの経験から多様性や障害者支援に関する考え方は共感できるものがありました。
とくに印象に残った点をまとめますと以下の4点ですね。
多様性が重視されるサイボーグ時代
「サイボーグ時代」とは、吉藤氏の定義だと、テクノロジーを日常生活にうまく取り入れることで、いままでできなかったことやこれまでの当たり前だったことを更新し続ける時代だそうです。
どうしても人間って年を取ると新しい技術に否定的になりがちですが、テクノロジーをうまく取り入れていままでできなかったことができるようになると、それを続けていこうとなります。
逆に同じことの繰り返しになってしまうとどうしてもマンネリ感は否めませんからね。
新しい技術を取り入れ続けるというのは、多様な考え方や多様な生き方に対する許容度も高まるでしょうし、これからは仕事上人が減って効率化を求められる状況では、テクノロジーを取り入れて更新し続けざる得ない時代が来ると考えます。
その意味でサイボーグ時代という定義はいい考えじゃないかと思います。
吉藤氏の語る好きなこと、得意なことに専念し、無駄な我慢をする必要のない「適材適所社会」を実現するっていうのは、変なインフルエンサーの語る好きなこととは異なり、理にかなってるでしょう。
年下からも謙虚に学ぶことの重要性
次にいいなと思ったのは年下からも謙虚に学ぶことの重要性ですね。
「みんな常識知らずであることを認識し、謙虚に、あらゆる世代間で教えてもらい助け合うのがダイバーシティだ。先輩も後輩も、師であり弟子であると仰がれよ」というのは共感できます。
年下に自分の経験やらを押しつける人は会社にまだ結構残ってるわけですが、そういう苦労話が無駄だったという技術が入ってくるわけですから、下の話に謙虚になる時代になると思うんですよね。
わたしが新人のときよりもいまの新人って少なくとも新しいものに対する知識持ってる人間多いですし。
それを否定せずに活かしたり、素直に教えを請うって大事なんじゃないかと思うんですよね。おまえの考えてることわからん一辺倒じゃダメかと。
ただ、年下に対しては経験則というものがないわけですから、それを伝えることや間違ってることや依頼する作業の意味的なものは詳細に伝えて還元するっていうのが求められるんじゃないかと考えました。
「努力と根性と我慢」で問題を解決しない
3点目としてできないことがあるのは、マイナスではない。「努力と根性と我慢」で問題を解決しないというのも印象も残りました。
以下の考えはロボットを作製や、障害者との交流の経験から基づくのでしょうがいいなと思いますね。
- 大切なのは、ただ与えられたルールやマナーに従ったり、それが気に入らないからと無視したりするのではなく、そのルールができた背景を考え、アップグレードさせる方法がなにかないか考えてみることだ
- やりたくない事をやらなくてよくするためにテクノロジーを使い、やりたい事ができなくなった時の解決にもテクノロジーを使って、人間がより自分らしさを持って生きられる時代
仕事だけでなく甲子園とか見てもいまだに努力・根性・我慢でなんとかなる的なことをいう人がいますけど、流石にそこはテクノロジーとかもっと使うべきだし、ルールについても考える時代でしょう。
20年後から今の不便を見てみる
最後に投資をする上で面白いなと思ったのは20年後から今の不便を見てみるという考え方ですね。
確かに20年前携帯電話とかインターネット回線とかいまと比べて不便でした。
結局それを解決することができる技術を見つける上でいいんじゃないかと思いました。そういう観点から考えると仮想通貨なんかは投機で重要なのはブロックチェーン技術と見えてきますし。
吉藤氏はその観点から4点上げてました。
- 満員電車に揺られて毎朝出勤しなければならない。
- 欲しいと思ったものをわざわざ検索して、安いサイトなど比較して自分の欲しい商品を選ぶ必要がある。
- 異国の人と話すときに、わざわざ通訳を通す or Google 翻訳を開かないといけない。
- 自分の情報をどこまでオープンにするかいちいち気にしなければならない。
1番上はリモートワークという話になりますが、副業とかダブルワークのビジネスをつなぐ企業が面白いとなりますし、2番目はスマートスピーカーが当てはまりますし、翻訳に関しては早く自動翻訳できるものが欲しい。
最後もセキュリティ関係とみると今後伸びていく分野でしょうし。
落合陽一本とは違った思想視点で読めて面白かったですし、若手を指導しなきゃいけない立場になったからこそ見直したい点の気づきも得られて良い本だと思います。


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