バークシャーがAmazon株を購入したのはバフェット後を見越してか?
10連休も終わりに近づいてきましたが、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイがついにAmazon株を購入したビッグニュースがありました。
2年前にはAmazonとジェフ・ベゾスを過小評価していたという発言をバフェット本人がしていたことから、いつかは投資するだろうなと思ってましたが、四半期毎の保有株開示の前に発表するとは思いませんでしたね。
バークシャー、アマゾン株購入-買わなかったのは愚かとバフェット氏 - Bloomberg
資産家で投資家のウォーレン・バフェット氏はこれまでに、米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)を過小評価していたと認めている。そのバフェット氏の片腕である部下が今や、アマゾン株に積極的に投資している。
アップル買った時の記事:バークシャー・ハサウェイ、アップル株買ったってよ
バークシャー・ハサウェイの年次株主総会が5/4だそうですので、その時に詳細を発表するんでしょう。
ブルームバーグの記事内ではこう書いてありますが、バフェットもマンガーも元気なのである程度バフェットの意向が反映されている気もしますが。バークシャーの会長兼CEOであるバフェット氏は、「当社で資金を運用する同僚の1人」が購入を行ったと説明。これは資産運用担当者のトッド・コームズ氏ないしテッド・ウェシュラー氏のことを指している。両氏のバークシャーでの影響力はここ数年、高まっている。
今回のニュースを見ていて、バフェット引退後の「バフェット後」を見越したものではないかと思うんですよね。
ちょうど読んでいた天才数学者でヘッジファンドの経験もある、エドワード・O・ソープがバークシャーに書いてある内容が的を得てると思うんですね(来週あたり書こうとしたらちょうどいいタイミングになりました)。
バークシャーでもインデックスに勝ちにくくなった
エドワード・O・ソープ自身もヘッジファンドの運用をしていて莫大な収益を上げつつ、ブラックマンデーやロングタームキャピタルマネージメントの破たんを乗り切ってきました。
ソープ氏は1970年頃にバフェットと食事をしていて、その後はバークシャーの株価を買うことを勧めたりしています。
ただし、ソープ氏自身運用の経験から、「プレイヤーが増えると分け前も減る」と言ってるように、バークシャーもS&P500に勝ちにくくなってると指摘しています。
実際、S&P500とバークシャー・ハサウェイのクラスAを比較したのが以下の図です(ソープ氏がバークシャーの株を持ってる期間に対応)。

株式の上昇が続いた影響で現金が増えた分、緩やかにしか上昇していないとのこと。
バフェット自身も認めていますが、だんだんとS&P500との小さくなっているのがわかります。
エドワード・O・ソープがバークシャーについて指摘している点
このことからソープ氏はバークシャーに関して以下の指摘をしていました。
- バークシャーは①投資、②子会社、③保険からなりカギは「保険」
- 保険料が高い時に保険を売り、競争で保険料が下がっているときには手を出さない戦略でバークシャーの価値はより大きくなる。
- 期間が改まるたびにS&P500に対するエッジは小さくなっている。
- 今後、インデックスに勝つのはさらに難しくなるだろう。
- バフェットが経営から手を引いたときに生じる不確実性で価格リスクもある。
- バフェットの後任は尋常でなく能力のある人になる。
- それでも株価は長期にわたって大きく下がるかもしれない。
個人的にもした3つの見解は特に一致していてそれでバークシャー・ハサウェイに投資してません。
後任は尋常じゃない能力のある人だとは思いますが、あまりにも不確実性が高いと思うんですよね。
実際、レイ・ダリオも経営を徐々に引き継ごうとしていて苦労した話を書いてたくらいなので、それよりもさらに大きな不確実性があるんじゃないでしょうか?
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バフェット後を見越してポートフォリオは変わってくるのではないか?
ソフトバンク(この会社も後継者の問題がありそうですが)のビジョンファンドみたいになるとは思いませんが、今回のAmazonのような企業に投資する割合は大きくなってくんじゃないかと思いますね。時代の変化の側面もあるとはいえ。
これまでの投資ではS&P500と変わらないなら、バフェット後を見越してポートフォリオも変わってくんじゃないでしょうか?
既存のウェルズ・ファーゴやコカコーラのような企業への投資は変わらないでしょうけど、ある程度はハイテク関連なんかも入ってくるようになるんじゃないかと。
それを見越してバフェットもバンガードのS&P500 ETFを買うように勧めるのかもしれません。
バフェットの後継者問題も絡みそうですし、ポートフォリオも結構変わりそうな印象を持ってます。
今回の投資が後継者主導であるならば、バフェット後を見越した動きと、今後数年Amazon組入れ効果でパフォーマンスがどうなるか後継者の力量が試される事例と言えそうです。


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