ニューヨークダウが過去最高値を更新しても、SPYから資金が流出している
ニューヨークダウが最高値を更新して、一つの大きな壁となっていて27000ドルを突破しました。
そろそろアメリカ市場の記事の写真に映り込んでいることの多い、ブライっぽい頭の3万ドルキャップを被ったおじさんが現れそうです。
株価が好調で債券ETFの価格も上昇している状況ですが、上半期どういう資産に資金が流入したのが気になりました。
昨年のアメリカ市場のETFの資金流出入の動向を見ていると、潮目が変わる兆候は見て取れる - 関東在住福岡人のまったり投資日記
相場が比較的落ち着いてきた年明けの1週間だったと思いますが、直近を見ても9月上昇、10月下落、11月やや回復、12月下落という推移できてますので警戒感は下げない方が良いかと。...
2018年米国籍ETF資金流入トップ10
まず上半期に資金が流入したETF上位10本を見てみましょう(ETF.com調べ)。

バンガードのETFが3本、iシェアーズのETFが7本という結果でした。
流入トップはバンガードのS&P500 ETFのVOO。7位のVTIもランクインしていますが、その倍近く資金が流入しています。
ただし、米国外先進国や新興国株式はIEFAやIEMGなどiシェアーズのETFの方が資金の流入が大きいです。
金利が上昇した影響で、米国長期債のTLTや米国外債券のBNDX、米国債のAGG、IEF、GOVTと比較的中期の債券も目立っていました。
米国株の低ボラティリティETFが上位に入ってるのを見ますと、比較的ディフェンシブな意識の人が多いような印象を持ちます。
2018年米国籍ETF資金流出トップ10 株価が上昇したのにSPYが断トツ
では、流出はどうなのか?

トップはSPDR S&P500ETFのSPY。EFAもそうですがコスト面で負けてるので資金が流出しているという側面が強いですね。
他ではTIPやSHY、BSVといった短期債の流出が目立ちます。
債券ETFの価格が上昇したので中期債や長期債の方に資金が移ってるかなと。
そして、上半期の国別のパフォーマンスで見た場合下位の方だった日本株のETF(EWJ)も5番目に入っています。
セクター別で見ると相変わらず冴えないエネルギーセクターはわかるのですが、ヘルスケアセクターよりもパフォーマンスが良かった金融セクターがランクインしてるのは意外ですね。
過去1年で見てみると・・
ちなみに過去1年で見てみますと、SPYの流出が変わらず、S&P500への流入が大きいという結果でした。

ただ、株価の調整がこの間に3ヶ月くらいはありましたので、SHV、IEF、BNDXといった債券ETFや低ボラティリティETFのUSMVにも資金が流入しています。
あと過去1年だとバリュー株ETF(VTV)も資金流入でした。
流出の方を見ると、エネルギーセクターと金融セクター以外に、バンガードの情報技術セクターETF(VGT)も10番目に入ってます。
上半期には出てきてませんし、セクター別のパフォーマンスでもトップでしたから、それだけ株価も上下に振れてボラティリティが高いということでしょうね。
直近1年、上半期で見ても流出が目立つ運用機関が25年超えの老舗のSPYですが、コスト面でIVV(0.04%)やVOO(0.03%)の倍以上(0.09%)。
世界シェア三番手ですので、米国株最低手数料の引き下げ時のマネックス証券のようにコスト下げても、上位2社のiシェアーズ(ブラックロック)やバンガードがすぐ対抗してくるだけに、なかなか難しい状況です。
いまは3社で寡占状態ですけど、このままいくとブラックロックとバンガードの2社の寡占になっていきそうな気配です。


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