ウォール街のランダム・ウォーカーで紹介されていたゴールドマン・サックス アクティブ・ベータETF(GSLC)
ウォール街のランダム・ウォーカーの原著第12版でとくに印象に残ったのは全面書き換えになった11章のスマートベータとリスク・パリティーの項目でした。
あくまでも通常のインデックスの補完という位置づけではありましたが、なかなか興味深いデータが載っていたと思います。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第12版〉はNYダウが最高値の時期だからこそ読み直すべき一冊 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
ウォール街のランダム・ウォーカーは、図書館で1度借りてと3年前に出た11版を購入して持っているの計2回ほど読みました。ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉を読んで分厚い本ですが、投資を始める際に読んでおいて損はない一冊だと考えます。そんなウォール街のランダム・ウォーカーの原著第12版が今月発売になりました。...
コスト的にもどうなのだろうと色々と調べていた中で一番気になったのが、「ゴールドマン・サックスのアクティブ・ベータETF(ティッカー:GSLC)」です。
ゴールドマン・サックスが販売しているETFだからコスト高そうな印象も持ちかねないのですが、経費率が0.09%でSPDRのS&P500ETF並。
サクソバンク証券でも取り扱いがあるようなので、調べてみたところなかなか面白そうだなと。
ゴールドマン・サックス・アクティブベータ米国大型株ETF(GSLC)概要
ゴールドマン・サックス・アクティブベータ米国大型株ETF(ティッカーGSLC)の概要は以下の通りです。
銘柄数 | 450 |
資産規模 | 63億ドル |
配当率 | 1.27% |
経費率 | 0.09% |
PER | 22.88 |
PBR | 3.63 |
資産規模に関しては63億ドルで、iシェアーズのマルチファクターETF(ティッカー:LRGF)の6倍資産規模が大きいです。
また、経費率もLRGFは0.20%程度ですし、後発のバンガードのマルチファクターETF(VFMF)も0.18%ということを考えると、かなりの低コスト。
ゴールドマン・サックスはETF事業に力を入れるという今年の記事が、検索で結構引っかかるのを見ますと競合他社も意識したものなのかなと思いますね。
ちなみにGSLCが重視して銘柄選択を行う際に評価要素となっている4つのファクターは以下の通り。
- バリュー
- モメンタム
- クオリティ
- 低ボラティリティ
マルチファクターETFといっても評価するファクターは異なるようで、iシェアーズのLRGFは低ボラティリティがサイズになってました(バンガードはGSLCと同様の4つ)。
ゴールドマン・サックス・アクティブベータ米国大型株ETF(GSLC) セクター、構成上位10社
では、どのような銘柄に投資しているのか?セクター別の比率から見てみましょう。

情報技術セクターが4分の1を占めていました。公益事業、素材、エネルギー、コミュニケーションサービス以外は組入れ比率が1割以上です。

構成上位10社を見てみますと、GAFA+マイクロソフト+ジョンソン&ジョンソンという形です。日本で米国株投資する人でもこういうポートフォリオになってる人はいるかもしれませんね。
ただ、モメンタム要素はありそうですけど、低ボラティリティの要素があるのか?と言われるとGAFAにはないような気がします。
スコアの評価で特定のファクターに重みがついてるかもしれません。
ゴールドマン・サックス・アクティブベータ米国大型株ETF(GSLC) パフォーマンス
最後にパフォーマンスを調べてみました。比較対象は青のiシェアーズのマルチファクターETF(LRGF)と緑のS&P500。

S&P500に負けてはいますが、赤のGSLCは低ボラティリティの要素がありながら、下落居面での下げ幅の小ささは表れているかと。
ちなみに青のLRGFはかなりパフォーマンスが劣後していますが、これはGSLCが大型株に絞っているのに対し、LRGFは中型株までが対象になっていることと、LRGFは低ボラティリティではなくサイズをファクターの1つに採用しているのが原因でしょう。
シャープレシオで過去4年を見てもS&P500と同等ではありますが、1を超えてきています。米国市場との相関性が0.99なのは引っ掛かりますけど。

運用実績積んでくるとファクターの評価方法も改善していく可能性もあるので、コスト面も含めてなかなか面白そうなETFだと思いました。
シャープレシオの改善は明らかに見られますし、ある程度リスクも抑えられた運用ができていますし。
これから組み合わせるとどうなるかは米国外も含めて色々と検討していきたいと思います。
1版しか変わってないので書籍を買うのを迷いはしましたが、こういう新しいファンドやETFの発見を考えると、本を買ってよかったと考えています。


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