VNQIは新興国含めた米国外に投資するバンガードのREIT ETF
米中貿易摩擦やらで株価も為替も荒れ気味の1週間となりました。
こういう相場が荒れてきたときに、金や金鉱株関連の記事やニュースを見かけるようになります。
ただ、個人的に2000年頃から金価格が上昇しているのを見ますと、分散の意味はあるものの大きく投資する対象のようには思えないんですよね。
もちろんバートン・マルキールもウォール街のランダム・ウォーカーで金は5%くらい組入れるのありと書いてますし、わたしもそれくらいが適温じゃないかと考えます。
では、債券も割高気味に近づいていて、金も株も違うとなると投資対象として考える1つにREITがあるかと思います。
実際、マルキールが著書の中で推奨しているポートフォリオは不動産にどの年代も1割~2割投資していますし。
REITを使って投資をする上で、個人的に分散を考えるならば新興国も含むREITも含めた方がいいのかなと考えます。
とはいえeMAXISなどの国内のREITインデックスファンドは新興国単独で投資するものがあるものの投資対象の国が絞られている上に経費率が高め。
米国外のREIT ETFというとiシェアーズ 先進国(除く米国)不動産 ETF(ティッカー:IFGL)がありますけど、これは先進国限定な上に、いまだに経費率が値下げされず0.48%と高めです。
新興国REITに分散して投資する方法はあるか?海外ETFで探してみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
村上世彰氏の生涯投資家を読んでおりまして、シンガポールに拠点を移したこともあり、新興国の不動産への投資を行っていました。...
となるとサクソバンク証券で取り扱いがあるバンガード・グローバル(除く米国)不動産ETF(ティッカー:VNQI)は0.12%で有利な上に、新興国にも投資できてREIT ETFとしてベターじゃないかと。
ということでバンガード・グローバル(除く米国)不動産ETF(ティッカー:VNQI)について調べてみました。
バンガード・グローバル(除く米国)不動産ETF(VNQI)概要
バンガード・グローバル(除く米国)不動産ETF(ティッカー:VNQI)の概要は以下の通りです。
銘柄数 | 622 |
資産規模 | 118億ドル |
配当率 | 3.55% |
経費率 | 0.12% |
PER | 11.25 |
PBR | 1.06 |
ETF.comで調べましたが、PERもPBRもかなり割安水準に見えます。資産規模もコストが4倍高い老舗のIFGL並に大きくなっていました。
現状のポートフォリオ内の地域別の比率を見ると新興国は2割程度。

国別で見る限り中国が1割を占めてますので、新興国の半分を占めてますが、フィリピンや南アフリカなどにも投資していています。

ポートフォリオ全体で国別の比率を見ると日本と香港で3分の1を占めています。

投資先の上位を見ますと、三菱地所、三井不動産、住友不動産、ダイワハウスとREIT以外の不動産サービスが並んでいます。
これらの企業は景気動向の影響が受けやすい点と、都内の地価が上がる上級ではいいものの、15年後くらいにどうかという疑問点はあります。
加えて香港の比率が高いのですけど、それなりに中国の不動産に投資しているでしょうから、中国不動産でなにかあったときの影響は気になるところです。
バンガード・グローバル(除く米国)不動産ETF(VNQI) パフォーマンス
では、直近のパフォーマンスはどうなのか?米国REIT(VNQ:青)、S&P500(緑)、米国債券(BND:桃)と比較してみました。

過去1年で見てみますと、VNQIはS&P500や米国REITよりもパフォーマンスはよくない。また、S&P500との相関性は結構あるという印象を受けますね。

これを比較できる期間の最大9年まで延ばすと、2018年なんかは青の米国REITと逆相関になってる期間もあるように見えています。
米国株や金、米国サイトの月次の相関性をまとめると以下の通り。

米国株と米国REITとは0.6後半程度で、米国サイトは0.2、金とは0.3と相関性は低いですね。
ただし、年率リターンで見ると米国REITよりもボラティリティは高い点は注意が必要でしょう。

相関性は過去9年で米国REITと米国株と変わりませんが、期間によってREITも分散の効果はありそうに見えます。
個人的に経費率や投資対象からREITに投資するならば選択肢となると考えますが、REIT以外の不動産サービスの企業への投資比率や中国+香港の投資比率が高い点は株価調整時に下振れリスクもあるということは認識しておきたいですね。


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