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関東在住福岡人のまったり投資日記

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投資関連本

GAFA×BATHから見える米中メガテック競争戦略

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米中貿易摩擦が良くも悪くも今年の世界経済のキーワードになると思うのですが、その要因の一つは5Gや自動運転などの技術競争もあると考えます。

となると、中国企業の動向もどうなってるのかなと。

動向については詳細まではともかく大まかに知っておきたいなと思って読んだのが、「GAFA×BATH」です。


著者の田中道昭氏は大学教授、コンサル、取締役を兼任されていて、アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」など、アマゾン関連の本を書いています。

Amazonの次なる標的は?アマゾンが描く2022年の世界を読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記

Amazon GOの1号店がアメリカで開店になりまして、Amazonの次の一手が注目されている状況でしたが、ヘルスケア産業にJPモルガン、ウォーレン・バフェットと組んで殴りこみに来ました。...

2年前に書かれた本は、アマゾンに対してのグーグルとアリババの記載がありましたけど、その対象をフェイスブック、アップル、テンセント、ファーウェイ、バイドゥまで広げたのが本作です。

米中4社をそれぞれEコマース、メイカー、SNS、検索の観点でわけてから、米中の会社を1社ずつ比較を行っているという点からもわかりやすい本だと思います。

個人的に印象に残った点をまとめると以下の3点ですね。

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アリババの地域活性化事業の農村タオバオ


各社のいろいろな事業が書かれているわけですが、一番印象に残ったのはアリババの地域活性化事業である農村タオバオですね。

人口が多いもののネット普及率の低い地域に、売り手と買い手両方のサービスを行う店舗を設け、農村地域の経済活動を活発にするもので、地元のコンビニやEコマースの配送拠点も兼ねています。

これに関しては日本の地方のシャッター降りまくった商店街なんかは参考になる点が多いと思うんですよね。

中国の東西の格差は歴史的にも長く、日本以上のものがあるので話は別となるのかもしれませんが、九州で見る限りスーパー、ドラッグストア、ディスカウントストアなんかももっと商店街を巻き込む形ができないのかなと思うのです。

ただ、読んでいて気になった点は自治体を上げてという形になると、特産品やら価格競争やらのマーケティング格差が如実に表れるのは日本のふるさと納税でも明らかですから、その辺の対策とかはどうなってんのかなと思いました。

田中氏のGAFAとBATHの評価


次に田中氏が8社についての評価は興味深かったです。

  • アマゾン
    利益は出さずに投資にキャッシュフローを投入するという経営戦略ともいえる財務戦略がROAマップの立ち位置に明快に反映されている。
    会計利益を上げ、配当をするようになったら、成長性に陰りが出たと判断すべき。
  • フェイスブック
    つながる事業ドメインに特化することでもっとも高い収益率を生んできた。
    相対的にもっとも積極的に新規投資を行っていて、AIに加えてVR/ARに戦略的に投資をしているのが特徴で、VR/ARのプラットフォーマーになる可能性あり。
  • アップル
    新規投資より足元の業績や株価を意識した経営が行われてきた。
    限られた製品にフォーカスしてきたことがアップルの高収益の大きな要因となっている。ヘルスケアでの破壊的イノベーションが待たれるところ。
  • グーグル
    本業からさまざまな事業に投資している。
    今後は持ち株会社であるアルファベットのミッションからもキャッシュを生み出すことが求められる。
  • バイドゥ
    音声AIアシスタントと自動運転の2分野でのAI投資に起死回生をかけている。
    進めるべきは、さらなるデジタル化では無く企業全体の変容。
  • アリババ
    中国の社会的インフラを構築している。
    これからは中国リスクの顕在化という課題に取り組む必要がある。グレーターチャイナ以外にもアリババ経済圏を拡大できるのかが問われている。
  • テンセント
    コミュニケーションアプリで顧客接点を抑えるところから生活サービス全般に事業領域を拡大、極めて親密な顧客接点が強力な後発者利益を生み出している。
    現在のビジネスモデルだけに依存していたら、事業の根底から覆る可能性も否定できない。
  • ファーウェイ
    いかに自他地域内でAI用半導体などの最先端テクノロジーも含めたサプライチェーンを構築できるか。

読んでいて書いてる内容は8社均等というわけではなく、企業によっては書いてあるページ数が少ないということもありますけど、基本的にGAFAはポジティブな評価面が多く、BATHはまとめのところで問題点が強調気味の印象を持ちました。

アップルがアップルクリニック的なものを出すというのは結構面白いんじゃないかと。

区分分けされていましたが、グーグル、アリババが社会問題解決志向、アップル、フェイスブック、テンセントが新たな価値提供志向、バイドゥとファーウェイは技術志向という形なのですけど、アマゾンの顧客志向というのはこの中でも特殊位置なのかなと思いました。

8社の共通点としては、プラットフォーム志向であること、ビッグデータ(AI志向)、各分野でデジタルトランスフォーメーションを先導していること、ミッションが競争優位まで高められているの4点が上げられますので、日本企業に投資をする場合もこれらの観点は見た方がいいと考えます。

向かい風と求められるプライバシーや権利への配慮


ただ、これらの企業に関しては以下のような逆風も指摘されてました。

  • データ規制包囲網
  • デジタル課税
  • 地域経済に及ぼす影響
  • 巨大になりすぎて自らがコントロール不能
  • BATHを襲う国内での調整

また、田中氏が国際会議の動向を最後に書いていましたが、広告だろうが消費者のプライバシーや権利は重視されていく方向に向かうと感じたそうです。

同時にプライバシーの重視が上昇することはサイバーセキュリティが表裏一体となると指摘していましたが、それを考えるとサイバーセキュリティに強い技術を持ってるイスラエルって面白いんじゃないかと思いましたね。

詳細を追うには各社細かく見ていく必要があるでしょうけど、各社の成り立ちから経営方針を理解する入門書としてはいいホンダと考えます。

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