fc2ブログ

関東在住福岡人のまったり投資日記

関東在住の三十路福岡人が海外ETF、インデックスファンド等の投資について語ります
MENU
【スポンサーリンク】
Top Page > オススメ本 > 投資関連本 > フラッシュ・ボーイズを読むと超高速取引は不公平で割に合わない
投資関連本

フラッシュ・ボーイズを読むと超高速取引は不公平で割に合わない

flash-2568381_1920.jpg

読みたいと思っていた本はあるのですけど、流石にすべてを買うというわけにもいかず、図書館でもカバーしきれない本もあります。

ただ、最近は文庫本だけではなく漫画版も出るようになってそれでカバーというケースも今後は増えてくのかなと。まさかバビロンの大富豪の漫画版出てるとは思いませんでした。


で、最近以前から気になってた「フラッシュ・ボーイズ」の文庫本が出たので読んでみました。

内容としてはウォール街で暗躍する超高速取引(HFT)と、それに立ち向かう日系カナダ人ののブラッド・カツヤマを中心とした話です。

著者は「マネー・ボール」のマイケル・ルイスです。かくて行動経済学は生まれりも面白かったです。

行動経済学はいかにして生まれたのか?かくて行動経済学は生まれり - 関東在住福岡人のまったり投資日記

今年のノーベル経済学賞は行動経済学の第一人者で、行動経済学の逆襲等の著作がある、リチャード・セイラーが受賞しました。...

メジャーリーグのポストシーズン進出チームと球団の分析スタッフの人数の多さに相関があるのを見ると、マネー・ボールは革新的だったなと思いますね。

さて、マイケル・ルイスは元々ソロモン・ブラザーズで債券を取り扱ってた経験があるだけに、投資関連の著作も複数あってなかなか読みごたえがあります。

とはいえ、読んでいると10億分の1とか光速とかの話が出てきていて、架空の話のような印象も受けます。

これを読み終わった後、超高速取引には関わらない方がいいなと思いました。

スポンサードリンク

超高速取引(HFT)の概要とその問題点


超高速取引(HFT)は1秒に満たないミリ秒単位のような極めて短い時間の間に、コンピューターでの自動的な株のやり取り戦略を実施するシステムのことです。

最適化された通信システムを用いて取引にかかる遅延時間を小さくし、 高い演算能力のコンピューター上でコンピューターアルゴリズムを実行し、 市況を自動的に判断しながらミリとかマイクロ秒単位で自動的に自己のポジションを変更する取引戦略になります。

こうなってくると全部機械化できるんじゃないかと思われますが、超高速取引は人間の認知スピードを超えた速度での取引を可能にすることから様々な問題が指摘されています。

実際、2010年にはフラッシュ・クラッシュというものがあり、2015年に逮捕者が出ています。

米国では私設取引システムでの証券取引所を介さない取引が盛んなのですが、ディーラーが各私設取引システムに出した発注には通信や認知のために秒単位のわずかな時間のラグが発生します。

そこで超高速取引を行う業者は、最も早く到着したオーダーからコンピューターアルゴリズムにより自動的に市況を判断して、そのわずかな時間のラグの間に対抗取引を行うことで利鞘を得てるわけです。

実際、世界第9位の銀行、カナダロイヤル銀行(RBC)に勤務するブラッド・カツヤマは、電子取引の最中に取引画面には、ある企業の株式1万株が売り気配22ドルと確かに表示されていたのに、購入しようとボタンを押した瞬間、その1万株の取引が消えてしまう事象に遭遇しています。

超高速取引を行うためには高い演算能力を持ち遅延を極力抑えたコンピューターシステム環境の構築が不可欠で、そのようなシステム環境を構築できるのは一部の市場参加者に限られるため、不公平性が生じてしまうという問題があります。

ミリ秒、マイクロ秒単位の常軌を逸した競争


超高速取引ですので、通信速度がミリとかマイクロ単位になります。

それをめぐって高速取引をめぐる常軌を逸したネット内での競争が描かれてますがほんとかなと。

  • 取引所内での壮絶な場所取り合戦
  • サーバーやルーターの頻繁な交換
  • データセンターと証券取引所の間のケーブルを少しでも直線的に引くためにトンネルを掘り続ける

とくに場所取り合戦なんかはこの時代にほんとなのか?と思わせるものでした。

同時にゴールドラッシュのときに儲けたのは、金を掘っていた人ではなく、ショベルやテントを売っていた人だったというのを感じさせるものでした。何もしないでトンネルを掘るケーブル業者の様子も描かれていましたし。

Amazonが配送に力を入れている理由も同じようなものでしょう。

今後は苦難の時代か?


東証でも取引可能なようですが、規制が入って2018年4月1日以降は超高速取引を行う場合には金融庁に登録しないといけないそうです。登録しているのは全て外国企業だとか。

同時に2年前の記事ですが、苦難の時代にも突入しているようです。インフラに金がかかってて回収しきれなくなってくでしょうね。

高速取引に陰り フラッシュ・ボーイズに苦難の時代

ちなみにブラッド・カツヤマが仲間と立ち上げた新取引所(IEX)はそれなりに規模も大きくなっているようですが、数%程度のシェアで伸びてない状況のようです。

IEX-marketshare-20191016.png
参考元データ

個人的にはこの本を読むとデイトレードも競争が激しい状況では、労力とかかけても儲からなくなりそうだなと。

ヘッジファンドはブリッジウォーターなどハードやインフラ、AIに金をかけるようになってますので、個人で勝つのも難易度が上がるんじゃないかと。

短期だと判断でアルゴリズムに追いつけないでしょうし。

個人的には短期的な動きを無視して割と長めのスパンに賭けた方がマシなのでは?と思いました。

ともあれ投資関連のノンフィクションとしてはかなり面白い本だと思いますし、10億分の1秒かけて争ってる投資を知ることができて興味深い一冊です。

スポンサードリンク
↓よろしければ応援・シェアお願いします↓
にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へにほんブログ村 株ブログ 米国株へ
フォローする

更新情報を受け取る
follow us in feedly
関連記事

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:https://garboflash.blog.fc2.com/tb.php/2211-d9d892ec
該当の記事は見つかりませんでした。