新インド入門を読むとPERが落ち着いたらインドにも投資したいなと思わせるものがある
個人的に新興国で投資をするとすれば?という問いで間違いなく上げるのはインドになります。
なのでインドシフトとか実際にインドに滞在された方の本は定期的に参考にしています。
インドシフトを読んで見えてくるインドの底知れないポテンシャル - 関東在住福岡人のまったり投資日記
BRICsというフレーズはあまり使われることはなくなりましたが、この中で投資をするとすれば?と聞かれると個人的にはインドと答えます。...
著者の田中洋二郎氏はインドに留学後、国際交流基金で5年間滞在された経験がある人です。
インドの大学に留学している経験もあるので、実情がわかりやすく課題もある国ではあると思います。
と同時に長期で成長するのは間違いなさそうだなという印象を持ちました。
カースト制度や南北格差など中国と共通の面がある
インドの場合、カースト制度の問題がよく言われていますけど、カースト制度以外の格差としても南北格差が存在していて、割と階層や民族が複雑に入り交じっています。
本以外でも調べてみましたが、イタリアのような南北格差もあるようです。
世界史とつなげて学ぶ中国全史を読んだばっかりでしたので、階層と民族が入り交じっていて、東西格差が存在する中国に似てるなと思いました。
世界史とつなげて学ぶ中国全史は、西洋史学観に縛られずに別の視点から中国を見直す一冊 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
香港の情勢が一気に悪化してて、実際に現地で撮られた映像を見ておりますと日本で報道されてるよりも深刻になりつつある印象です。...
ちなみに牛肉は禁止の州が多いのですけど、水牛を含めた牛肉輸出は1位、小麦と米も2位。食事が厳しそうな実態が本で書かれているもの、生産量も多いのは意外です。
もっと新興国の中で早くから発展してそうな印象と今後
疑問なのはインドが新興国のままですが、民主主義は流石にイギリスの影響を受けたおかげで、立法、司法、行政の三権分立も確立しています。中国並みに成長できたのでは?とも思いました。
韓国なんかも軍事独裁政権の期間があったわけですし。
これに関しては初代首相のネルーが経済的には社会主義型の開発を目指した影響が大きく(しかも反米親ソ)、計画経済→腐敗、土地の徴用が難しいのでインフラ整備が遅れた、解雇規制が厳格というのが大きいでしょう。
わりとその辺は日本と似た側面もあるけど、カースト制度の階級によって日本のように中間層が厚くならず(本の統計読む限り貧困層よりも少ない)、発展が遅れてるのかなという印象を持ってます。
とはいえ連立政権だったせいで進みにくかったとはいえ、前政権時から経済の自由化を推進が行われており、中国と同じ道の韻を踏んでいる印象はあるのでこれから数十年の伸びは期待できると思いました。
実際最新の数値も実質GDP成長率 7.05%(世界8位 2019年調査)と力強いものがありますし。
インド出身のモルガンスタンレーの新興市場部門・部門長ルチル・シャルマは数年前のインドについて高評価でしたが、以下の項目は消費者物価指数が5%切ったのを見ると続いてると見ていいでしょう。
モルガン・スタンレーの新興市場部門・部門長が予測するこれから成長する国とは?シャルマの未来予測を読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記
投資をする上で、これから成長する国がわかればいいなと思うことはあるものですが、個人的な予想を立ててもなかなかうまくいかないもの。...
モディ政権の改革は慎重
インフレ率が二桁から5%に低下
自治州の力が強く、成長率5-6%を維持
南アジアの成長率が高い恩恵を受けている
人口ピラミッドを見ても総人口に占める生産年齢人口比率の上昇が経済成長を高める「人口ボーナス」は期待できるでしょうし、本を読む限り教育はジャワハルラール・ネルー大学など教育に力をいれてるので、アメリカのハイテクに人材を送り込むレベルは維持できる印象。
新興国として格差の問題以外は評価を下げる必要はないかなと思いました。
懸念点は南アジアという発展しそうなフロンティアの中心だけど、隣国パキスタンとの関係でしょうね。
PERは割高なのでもう少し落ち着いてから投資したい
とここまで書いてきてインドに投資したいと思うのですけど、いまPERは世界的に見ても高い方なんですよね。
インド株式のETF(ティッカー:INDA)も以下のように21倍台ですし。

仮によくささやかれる景気後退が来年という話になると、新興国株式は先進国よりも下がる可能性がそれなりにあります。
そのときぐらいからじわじわ投資していこうかなと考えています。
ともあれインドの実態を知るという意味で、現地滞在者の本に関してはこれからも積極的に読んでいきたいです。


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