Think CIVILITY(シンク・シビリティ)から学ぶ、最強の生存戦略である「礼儀正しさ」
紛いなりにも10年以上勤めておりますといろんな人間を見てきましたし、時代が変わったなと思うことがあります。
割といろんな方向に変な人が集まる会社ですので、いろんな人間を見てきたというのは他の人とは違う経験をしている可能性もありますけど。
最近、複数の会社で打合せをするときの隣席が、入社したての人だったんすけど、打合せ始まってるのにLINEをいじっていることがありました。どう見ても私的なもの。
そりゃホリエモンならやっても「時間の有効活用でいいだろ」と通じるのかもしれませんが、流石にそれは礼儀的にまずいだろと思うのです。しかもその打合せに出てるメンバーの中にやたらうるさい人がいるのは参加者の共通理解なのです。
個人的にいろいろと礼節についてモヤモヤとしたものを感じたので、前から気になっていた「Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である」を読みました。
Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
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クリスティーン・ポラス/夏目 大 東洋経済新報社 2019年06月28日
著者のクリスティーン・ポラスはジョージタウン大学 マクドノー・スクール・オブ・ビジネス准教授で、講演やコンサルティング活動を行っているそうです。
無礼な上司への対応のしかたや、日常やメールを送信する際の気配りのしかた、なるべく不機嫌にならないための生活上の注意点などもかなり細かく書かれています。
個人的にも同意見ですが、礼節ある振る舞いをした方が経済的にもメリットが大きいということが表されていて、それを裏付ける統計データなどがしっかりと綴られている価値は高いと思いました。
とくにここ10年の変化を見ると、礼儀ってますます重要になってると考えます。
礼儀正しさを身につけるにはどうしたらいいのか?
本では無礼な人が与える影響として、「同僚の健康を害する」「会社に損害をもたらす」「まわりの思考能力を下げる」「まわりの認知能力を下げる」「まわりを攻撃的にする」があげられていました。
似たような物が集まるというよりは、みな攻撃的になって結果的に似たような人たちが集まりブラックになるという印象です。
では、礼儀正しい人とはどんな人なのか?礼節ある人が守る3つの原則として以下の3点が上げられていました。
- 笑顔を絶やさない
- 相手を尊重する
- 人の話に耳を傾ける
割と基本的なことではあるけどなかなか難しいことが書かれています。ちなみに人の話に関しては話す:聞く=1:2がオススメらしいです。
なかなか上記3点ができないのはストレス起因であることが多い。
態度改善への対策として「運動」「7~8時間睡眠」「食事回数を増やす」「瞑想とヨガ」があげられますので、いずれかを合わせて行うと3つの原則もうまくいく確率は上がるでしょう。
印象の38%は声や話し方で決まるそうですから、普段から意識しておきたいですし、新人の頃からこれができていればわたしの給料はもう少し増えていたかもしれません。
ちなみに一段階上の礼節を身につけるための5つの心得も印象に残りました。
- 与える人になる
- 成果を共有する
- 褒め上手な人になる
- フィードバック上手になる
- 意義を共有する
当然業務上重要なことではありますけど、とくに部下や関係会社に対応するときに必要な項目じゃないかと考えます。
時代は周囲をうまくサポートして、気分良く仕事をさせてくれる礼儀正しい人を求めている
わたしが入社した頃ってかなり強烈な「やれ」とか「なんとかしろ」を口に出す人間が結構いましたし、中間管理職にはいまよりも無言の圧力あったような時代でした。
酷い上司はグループ全体にドリンク剤を持ってくる、営業にご飯会に行かせて日曜なので店が開いてないとかいろいろとありました。
ただ、当時から偉かった人間が位が上がったとはいえ、明らかにここ数年でやわらかな言動になったのを見ますと時代は変わったなと思います。歳のせいとは思えない。
個人的にいまの時代は「パワハラで恐怖政治を敷く人」よりも、「周囲をうまくサポートして、気分良く仕事をさせてくれる人」が求められる時代になってるんじゃないかと。
じゃないと若い人が一定数辞めていきますが、人材が枯渇して困るのは上ですしね。
実際、望ましいとされるリーダー像は「気配り」「優しさ」「思いやり」という女性的な資質ということを指摘しているのは他の本でも見ました。
スティーブ・ジョブズとかジェフ・ベゾス、イーロン・マスクのようなカリスマ的人物もいますが、この人たちは創業者。
ティム・クックやラサナ・ナデラのようなCEOが世界の時価総額のワンツーなのも納得の時代じゃないかと。
本の中で、コストコの創業者ジェームズ・シネガルは小売りでは顧客と従業員は株主よりも重要だといってましたけど、ゆめタウンのイズミヤの創業者もこれに近いことを同じこと言ってますし。
そりゃ圧倒的に能力に優れた人ならば無礼でもやっていけるかもしれません。
しかし、技術革新、働き方改革、少子高齢化など複雑なことが絡まっていくと、今後求められるのは礼儀正しくて能力ある人になっていくんじゃないかと。
企業がESGで評価されるのと同じことじゃないでしょうか?
仮に能力に優れた人じゃない場合でも、礼儀正しく行動していれば道が開ける可能性は上がるかなと思いました。なので私もこの本読んでからは行動や言動により一層注意しています。
色んな人が読んでよりよい職場を作るのにいい本だと思いますし、経営者や人事担当者はとくに必読の本だと考えます。
Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
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クリスティーン・ポラス/夏目 大 東洋経済新報社 2019年06月28日


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