モーニングスター主催の米国株式セミナー~米国株の魅力と2020年相場展望~に行ってきました
昨日、モーニングスター主催でマネックス証券協賛の米国株式セミナー 米国株の魅力と2020年相場展望に行ってきました。
米国株式セミナー〜米国株の魅力と2020年相場展望〜
だいたい六本木で開催が多い印象ですけど、半蔵門の会場は以前も来たことがあるようなという印象でした。
会場はほぼ満員ですが、後ろの方の席が全部埋まっているという感じではなかったですね。応募は先週初め時点で締め切ってましたので定員には達していたんじゃないでしょうか。
こういうセミナーは半年から1年に1回くらいがちょうどいいと考えていて、特定の個人ばっかりにいくとそれは宗教に近い物になってしまいますので、視野採取に陥ってしまう。
なので毎回登場する人が変わってるモーニングスターのセミナーは人によってこういうこと考えてるんだという発見があって面白いですし、新たに調べてみようという種が落ちています。
3部のマネックス証券の紹介は宣伝なので省略して、以下1部、2部、4部で印象に残った点についてのメモ書き備忘録になります。
グローバル経済から見る米国株の成長力と魅力 江守哲氏
1部のエモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役江守哲氏は、昨年4月のセミナーでも講演を聴いたことがあります。
モーニングスター主催 2018年 米国投資のはじめ方 米国株式・ETFセミナーに行ってきました - 関東在住福岡人のまったり投資日記
投資関連のセミナーは積極的にいくものではないと考えますし、だいたいの情報はブログやらネットで調べるなりすればある程度はアクセスできる状況です。とはいえ、セミナーで得る気づきというのもあるというのもまた事実。...
スタンス的にはアメリカ中心で、中国に対しては厳しめという印象でしたね。
- 今年は各資産のパフォーマンスはロシア関係がいい。ブラジルも過去最高値
- 時価総額で見るとアメリカは38% グローバルな投資をしようとすると米国株。まずはアメリカを見る。株を投資するなら日本の政治よりもアメリカの政治を見るべき
- 世界の経済成長率は3%を下回ると、ピークアウトした可能性がある。現在2.9%
- 中国が来年以降6%下回る見込みで、数字は作られるのでは?
- 中国の冷え込みはアメリカと欧州への影響は大きい。輸入が弱い。
- 世界の貿易の数量ベースで落ち込み始めている。欧州圏が落ちているが、底打ち気味かもしれない
- 中国は全体が前年からプラスだがこれは前年より減ってくは当たり前。これがマイナスにならなければいい
- 株に投資するならPMIを見なければならない
- PMIは一年半くらい先を動く。今年夏にボトムアウトしていて、来年まで景気がのびるかも
- OECDの景気先行指数の推移は中国が先行して動く
- アメリカは景況感指数が落ちてるのが気になる。住宅指数がよければなんとかなる。落ちたらダメ。
- 懸念は商業用不動産が五割もリーマンショック前より高いのは注意が必要
- 雇用は強いが、求人数が去年から下がってるのは気になる
- 指標3つが上にいくと注意
- 懸念を示しているとピークにならない。全員が楽観にならないとピークアウトしない。
- まだ債券も買われているが、これは珍しい。この状態は市場にお金があるということで悪くはない
- 実質QE4をやり始めて株が上がる。
- 景気悪化前に利下げ後の結果見ると株価はいい。あまり気にする必要はない
- トランプの本業は不動産で金利は敵
- 中小型株が上がってなかったが、上がり始めた。ハイイールド債はまだ懸念がある。
- 景況感が下がってるのに株が上がりっぱなしで怖い。バフェット指数は過去最高、バフェットの現金も過去最高
- PER20超えたのが1945年以降9回ある。一年後上がる確率は75%。8%上昇している。
- できたら調整して欲しいのが本音
- 世界の株価指数や新興国も行き過ぎ
- 中国の景気先行指数は世界株価と連動
- VIXは株価が暴落する12月以来の楽観度
- VIXは35超える時が一番パフォーマンスが高い
- 最高値更新一年後10%上がっている
- 長期的にあがるがどこで買うかが重要
- アメリカの投資家はアノマリー大好きで、データ持ってる。来年は落ちる。
- 12月はだいたい1%上がる
- リーマンショック後インドが一番いい
- 中国は生産年齢がピークアウト。アメリカ、インド、日本はその次でいいのでは?
- S&P500やナスダック指数の50日の乖離が3%を超えると危険。逆に乖離が下に行くと買い時。
- 投資配分イメージはコア安定企業(KO,JNJ,MSFT,MA,V)70%、コア成長企業(AMZN、GoogleやAppleはコア安定企業と中間)20%、成長期待新興企業(CNC,FICO,INTU,ILMN,LRCX,ZTS,GPN,VRSK)10%
- 金融ならJPモルガン。ゴールドマンサックスは1回つぶれそうになった。JPモルガンが安定しているのはFRBの創設者の1人として関わってるから。
- 防衛関連は1つは持った方がいい。イランが不安定になって中東は危ない。
アメリカ人はデータやアノマリー大好きで、それが株価の傾向にも現れるのかなという印象を持ちました。モメンタムに関してホットなのもその辺があるかもしれません。
割と好感できるデータもある一方、懸念点も上げていてバランスは取れていたと思います。
興味深い指標はあったので今後追っかけてみたいですね。
起業家が見据える米国テック企業の未来とは? 中島聡氏
元マイクロソフトのエンジニア・起業家・エンジェル投資家である中島 聡氏に、アナウンサーの内田まさみ氏が質問する形式で進められました。
技術者なので技術の話は面白かったですし、GAFA系の動向は参考になりました。
- アメリカは地域によって景気が違う。シアトルはいけいけ。リーマンショック後もそんなに落ちなかった。州税の違いがある。
- シアトルは上位に来るほど潤っている
- トランプ政権に対してはGAFAは大統領選挙時はバカにしてた。当選したのはショックだった。
- 今の動きはマイクロソフトの人が民主党に献金しているが、アップル(ティムクック)はトランプのいいなりになってる。
- Facebookはリベラルなのに、ウォーレンがばりばりの左翼で規制しようとしているので、だったらトランプになりかねない。
- ウォーレンは人気高く、大企業をやりこめると言ってるが、やりすぎている。極左の事は言わない方がいい。トランプに負けて欲しいが、バイデンなら勝てるかも。ウォーレンなら負けるかも。
- いまはトランプの方をみてる企業が増えてる。
- 中国との貿易戦争は影響が大きい
- 5Gの主導権がファーウェイに握られて、クアルコムは情けない。基地局のデータ握られるのが怖い。なかなか外そうとしても外せない。
- 中国企業はハングリー精神が強く、日本の高度経済成長期のよう。アメリカもハングリー精神がシリコンバレー以外はそうでもない。
- 米中貿易戦争はどうなるかわからず、大きくはらないがアリババとか買っている。ただしアリババなどは米国市場で上場廃止の可能性もある。
- アメリカ株はずっと高位恐怖症。ローラコースターに乗ったつもりで我慢する。
- 米国株は長期的にあがると考えているが、いま他に買うものがないので株という人が多い
- 給料天引きで金が株に流れている
- 森氏の投資方針はいくばくかキャッシュで下がったら買う
- 森氏のポートフォリオは90%成長株で60%GAFA
GAFAについて
- Googleは基本的に検索、広告の会社。
- 検索するコードは変わらないので、圧倒的に強い。
- 商品をAmazonで検索されるのを気にしている。対策がない。
- マイクロソフトがブラウザをクロニアムに切り替えた。業界水準から外されてた。Windowsでクローム使う人が増えた影響。
- Bingは長期的戦略でクロームからシェアを奪おうとしている。10%奪うとかなりの収入になる
- Googleの成長株はクラウド、3位で遠く離れている。サポートとマーケティングは下手だが、AWSよりいい ただし、信頼性が低い。データの扱いのイメージが悪い
- 自動運転は10年先になるかも。
- マイクロソフトはビジネスマンしかカンファレンスにいないが、Googleのカンファレンスは技術者しかいない
- AmazonはGAFAの中で一番硬い。20年後絶対あるのはAmazon。
- 流通など持ってるものが誰も追いつけないレベル。ウォールマートがかろうじてついていこうとしている
- 死角はベゾスが引退したらどうなるかわからない。
- ヘルスに力を入れてる。ベゾスが気に入ってる知り合いがヘルスに移った。銀行や保険まで出てくるかも
- 小売の流通の裏までやってる
- FacebookはGAFAのなかで一番悪い。若い人がやらない。最近けしからんという政治家が増えてる。次にどっか買おうとしたら潰される可能性がある。
- リブラはものすごく難しい。各国政府が警戒している。景気対策の通貨の流通量をコントロールに影響が大きい。
- 手堅いのはアップルペイ的になる。新興国なら役立つかもしれないが、ブロックチェーン使う必要はあまりない。
- ブロックチェーンは流行り言葉で、国家の外ならいいが、買い物とかで成り立ちにくい。普通の銀行でブロックチェーンは必要ない
- いくつものブロックチェーン関連企業ができたが、結果的に詐欺のようになった。今やる意味を感じない。
- Facebookは分割した方が高くなるかも。
- アップルは個人的に好き。一本足打法だったが、クックは疑ってた。アップルウォッチとイヤホンが驚きだった。
- ARがイヤホンくらい成功すると大きい。
- 安全にいくならAmazonだと思う。数年ならアップル。Googleはクラウドがはねるのにかけるならいいかも。
- ウォーレンはGoogleからYouTubeを切り離したがっている。
次のGAFAは?
- GAFAにマイクロソフトが入ってないのが間違いない。ものすごく強い。ナデラになってからガラッと変わった。
- 安定度はAmazon、マイクロソフト、アップル、Google。その次ならテンセント、アリババ。
- その次1トリリオンにいく企業はテスラなら10%あるなら可能性があるかも。べらぼうなポテンシャル。キャッシュ潤沢じゃないし、今の実力から株価は高すぎ。下がったら買い足すかも。テスラは持ってる。
- テスラはiPhone出た時に近い。でも保証しない。
- 電気自動車は家電メーカーなら作れる。ソニーやパナソニックが作らないのは不思議。
- ソニーは創業者が生きてたら作ってる。
- 既存の自動車メーカーはディーラー通してからしか売れない。電気自動車はディーラーがいらない。タイヤ以外はいらない。
- アドビ、エヌビディア、Intelは自動運転いくかも。ただしアップルが自社製のチップに変わるかも。
- 学生がクロームブックしか扱ってない人がいるのは気がかり。
- ウィーワークがユニコーンバブル。ある意味株価市場が健全だったということ。
- 長期的にアメリカ企業は期待できる
- ディズニーは買い損ねた。ディズニープラスはかなりいく。ディズニー関連はディズニープラスしか放映されなくなるかも。
- いまは高すぎるので10%20%下がってくれたらいい
- 愛着があるのでアップルは売らないが、クアルコムは売った。ボーイングもまずいので売った
技術的な話面白かったですし、電気自動車に関しては既存自動車企業のディーラーとのしがらみはリアルだったなと思いましたね。
割とGoogle、Amazon、マイクロソフトは重なる部分があるので、10%程度のシェアの移動が起こると株価の動向もまた変わるかもしれないという印象を持ちました。
時間が押していたので、事前募集の質問をほとんど消化できてませんでしたけど、GPU絡みと量子コンピュータ絡みは聞きたかったですね。
2020年相場展望と注目銘柄 森崇氏
マンハッタン・グローバル・フィナンシャル CEO森崇氏は話が面白かったのですが、資料が2つにわかれて内容も直前に変えたせいか、パワポの操作が行ったり来たりになって、まるでわたしがプレゼンで失敗するときのパターンのように見えましたw
- 資料中取り上げた銘柄は財務の数字に一定の条件をつけて合格した銘柄をあげている
- 大統領選挙後の4年のチャートの平均をとると、3年目が高く、4年目が次にいい。
- トランプは叩くとゾンビが出てくるかもしれないが、今のままでは大統領選に勝つ。
- みんな疑心暗鬼で株に乗り気でない。マネーマーケットファンドが過去最高に近い金額。
- 小売の数字はいい。ホームデポやウォルマート、コストコはAmazonに食い荒らされてない。
- 共和党は大統領選挙後も上院は握るだろう。左派が大統領になったとしても、上院握れない
- マックの店員が美人なら景気が悪い。いまは月並みな人が多い。クリスマスイルミネーションも去年より豪華。
- 全員ハッピーは天井。香港は荒れているし、北朝鮮は来年ミサイルを打ちまくる可能性があったりそんな状況じゃない。なんでそうなるかはトランプが大統領だから。
- 欧州の落ち込みはでかい。ずっと緩和基調。マイナス金利で米国債が買われる。
- トランプは来年一月に合意した後、再選したら叩き出す
- 香港民主化法案をなかなか署名しないのは中国に恩を打っている
- トランプは公約は守っていて、岩盤の保守層がいる。
- 格付け機関は自然災害など天変地異まで予測してからランキングにつけてる。年金機関のカルバースも使ってる。
- ブルームバーグはいい。予測も入ってて使える。
- ITバブルとリーマンショック前は比較的出遅れた資本財が上昇した。
- 無配企業は1回の決算でしくじると株価が戻りにくい。面白いのはOKTA、COUP、トレードデスク
- サーズ系の市場は10倍ある。
- 半導体はいい。
- 来年の銘柄ピックとして民主党から批判の矛先が向けられそうなヘルスケア、金融、石油、GAFA等は除外した方がいい。
- 防衛関連はオススメ
- オススメの1番はマイクロソフト、2番目はS&P、3番はAVGO、4番ADP
- 5月くらいまでは五輪特需で日本株がいいかもしれない。
江守氏よりも強気で、細かな銘柄分析は江守氏よりも詳しい印象でした。
増配重視なので個人的な投資手法としては気になる面がありました。
高成長株の選び方と有配で長期増配成長の狙える銘柄の選び方は参考になるかと思いました。まず高成長株については以下の5点。
- 時代の流れに乗った事業を行う企業で、尚且つ業界の勝ち組
- 調整炭のEPSが3,4年先のアナリスト予想が出ているものを選ぶ。そして、それぞれの年平均成長率を出し、できるだけ2桁以上の銘柄を選ぶ
- ROEができるだけ2桁以上
- アナリストがカバーしている銘柄群から選択する。
- 5年間チャートがおおむね右肩上がりであること。
有配で長期増配成長の狙える銘柄の選び方は以下の2点でした。
- 配当利回りを上回るフリーキャッシュフロー利回りを有すること
- 直近10年程度毎年増配している銘柄を選ぶ。
個別株で投資するなら参考になる項目かなと考えます。
自分が気にしていなかった業界や企業を知ることができていい機会だと思いました。
これからもだいたい半年から1年に1回くらいは参加して、新しい情報を吸収していければと考えています。


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