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関東在住福岡人のまったり投資日記

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投資関連本

成長株投資の先駆者の投資哲学とは?T・ロウ・プライスを読んで

TRowePrice.png

わたしは割とデータを好んで使いますし、データをいかに有効活用するかを競う状況になってるメジャーリーグなんかは非常に興味を持ってます。

それは投資にも通じていて、投資のデータを色々と調べるのも好きなのですが、わたしが一番気になってるのは1970年代のデータ。

金本位制→変動為替相場制の転換点ですし、石油ショックでインフレが進んだ期間で、債券価格も下がっていました。

個人的にこの前から運用していて生き残ったファンドや人物について調べたいなと。

もちろんウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーは代表例になるでしょうけど、もっとほかの人はいないのかなと。

その意味で「T・ロウ・プライス ――人、会社、投資哲学」を読みました。


著者のコーネリウス・C・ボンドはティー・ロウ・プライスに入社し、プライス本人の近くで約10年間働いた経歴の持ち主です。

T・ロウ・プライス創始者で成長株投資の先駆者として知られるアメリカ人投資家、トーマス・ロウ・プライスJrと起業から現在に至るまでT.ロウ・プライスがどう進化してきたかを書いた作品です。

ボルチモアに設立されたこの企業は規模としてもバンガードの次くらいの金額を運用するくらい大きくなっていて、本の中でもグローバルに配置された経験豊富なアナリストによるリサーチと、徹底したリスク管理のもと、高い信頼性を誇る資産運用会社といっていい企業の成長の過程が描かれています。

主人公的なトーマス・ロウ・プライスJrは1983年に亡くなっていますが、亡くなる直前まで投資家向けレターを書いていました。

本は膨大な資料からプライスの意見をピックアップしているのですけど、その先見の明は的確なものでした。

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富を築いた人々の多くは成長企業の株に投資して、浮き沈みに左右されずに保有し続けた人々である


成長株投資の先駆者として有名なトーマス・ロウ・プライスJrですが、1937年に設立したT.ロウ・プライス・アソシエイツは、株を売って手数料を稼ぐ慣行を廃止し、運用資産ベースの報酬体系を導入しています。

いまでこそ業界の常識ですけど、当時としては画期的なアイデアでした。しかし、年金制度などが変わるなど外部要因が整って経営を軌道に乗せるのに時間はかかりました。

そんな「成長株投資の父」プライスの投資手法や言葉をまとめると以下のものでした。

  • 成長株は利益が長期的に伸びている会社の株と定義できる。
  • 10年間で利益が2倍になる会社を集めたポートフォリオを作れば、これらの会社は配当や市場価値も同じように伸びる。
  • 利益が大きく伸びてきているときの方が、成熟期や衰退期よりも利益が大きくリスクが少ない。しかし、衰退期が景気循環の上昇期に重なるとわかりにくくなる
  • 投下資本利益率(ROIC)は2つの目の重要な条件
  • 典型的な成長企業の特徴として、①優れたリサーチ力、②強い財務力、③高い利益率、④良好な労使関係
  • 収益と配当の伸びがインフレ率や経済成長率を上回る銘柄
  • 新しい技術や競争が激しすぎない業界(雑草が生えている土地よりも肥沃な土地)
  • 徹底的に現場主義(投資を始めてからも少なくとも年に1回は会社を訪問)
  • 最も重視するのは「経営者のオーナーシップ」
  • 長期的視野に立って決して簡単に手放したり買い戻したりしない。

第2次世界大戦前から投資をしていたという意味で、同年代で行くとフィリップ・A・フィッシャーに近い考えの箇所もある印象を持ちました。

ちなみにプライスは予測もかなり正確で、1950年以降の好景気、1965年から1970年にかけて「投資家にとっての新時代」という文章を書いて、貿易収支の悪化と債務の合計でインフレの加速を警告し、なくなる直前の1983年夏に「株は統計的に安い。久々に盛大なクリスマスになるだろう。市場は長期的なブル相場に入ろうとしてる」と予想していました。

もしプライスが生きていたとしたら次の10年どんな投資をするか?


仮に現代プライスが生きていたら今日の市場でどのような見通しを持つかということで、16章に著者とボブ・ホール(著者同様プライスの下で10年以上働いていた)が推測して書いています。

1970年代のようにインフレになることを懸念する材料が多く、第二次世界大戦の持たざる国(日本やドイツ、イタリア)がいまは中国とロシアになっていることも懸念していました。※持ってる国は米英仏から米、EU、日。

それでも金融における投資家の最大の防御策は、優れた経営陣と優れた財務内容を持ち、肥沃な分野で営業し、平均以上の成長率が期待でき、ROCが高い会社=成長株を所有することだという結論になっています。

これは現在プライスの死後さらに大きくなった会社とファンドでも同じ方針で運用されているようです。

とりあえずどんな銘柄を持ってるかmorningstarで調べたところ、以下のようなポートフォリオ。

PRGFX-holdings-20191206.png

ボーイングは意外ですけど、あとは納得できるラインナップかと。アリババとテンセント入れてるのも特徴的かと。

ただ、パフォーマンスを見る限り、同一カテゴリ内ではアウトパフォームしていることが多いものの、過去10年や15年見てもインデックスとはあまりかわらないという印象です。

PRGFX-return-20191206.png

1985年からのパフォーマンス見るとS&P500を上回ってました。
PRGFX-portfolio-growth-20191206.png

直近10年くらいS&P500よりも上にいってるのを見ますと、プライスの投資哲学が割と有効な期間だったのかなと。

グロース株以外のファンドもあるようですし、T・ロウ・プライスという企業に関しても調べてみようかなと考えています。

ある企業の成長過程でも、創業者の伝記的なものでも、投資家の哲学を知るという意味でも面白い本だと思います。

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