米・中・印の3G時代がやってくる?インドが変える世界地図 モディの衝撃を読んで
個人的にはインドという国は注目していていろいろと関連書籍を読んでいるのですけど、歴史的な流れを整理した本は読んでみたいと考えてます。
米国株のセミナーでも人口が減る中国よりはインドの方がいいという意見がでていましたし。
モーニングスター主催の米国株式セミナー~米国株の魅力と2020年相場展望~に行ってきました - 関東在住福岡人のまったり投資日記
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インドのポテンシャルを表現できていると同時に、課題もまとめられていてわかりやすかったです。
印象に残った点をまとめると次の3点ですね
ナレンドラ・モディ=インドの田中角栄?
インドは2020年代後半に人口で中国を上回り、経済規模でも世界第3位に躍進することがわかっています。
世界でも今後発言力が増していくと思われますが、そのトップがナレンドラ・モディです。
インド北西部グジャラート州の貧しい村で生まれ、チャイ(インド式ミルクティー)売りから首相まで成り上がっていて、さながらインドの田中角栄といったところでしょうか。
2014年に第18代の首相に就任し、今までにない施策で貧しい途上国だったインドを、世界を牽引する主要国になるよう作り替えています。
州首相のときに、経済特区で外資を受け入れる「グジャラート・モデル」と呼ばれる方法で地方の高成長を実現し、首相就任後も、1億個のトイレを作る、全土に流通していた高額紙幣を使えなくするというショック療法を行うなど、次々と斬新な政策を打ち出し、インド国内に大きな変化を作りだしています。
米中印の時代がやってくるのを見越してか、中国とはつかず離れずの関係で、割と日本の立ち位置よりもさらに中立的に振る舞おうとしている印象です。
今後、中国の人口を抜くのを考えると悪くない振る舞いだと思いますね。
問題点としては日本同様経済重視で支持率が高いものの後継者がどうなるか?という点は不安材料となるでしょう。
ネックとなりそうな宗教と農村
インドは歴史的に首相が暗殺される事例もありますが、政治の傾向として初代首相のネルー以降ずっと続いたガンディー家が支配する国民会議派と、モディが率いるインド人民党の対立が深いです。
世界最大の民主主義国家としてインドで選挙を勝つためには農村の支持を得ないことには当選できません。
また州ごとに自治が認められているため、地域政党が乱立している点も、民主主義になったのは速かったのに中国や韓国、台湾あたりに先を越された要因と言えそうです。
近代以降の世界のGDPシェアの変遷から見るインド復権の可能性 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
出口治明氏というとライフネット生命の社長であり、経済誌にも頻繁に登場すると同時に、著書も多数ある方です。最近経済紙関連で見なくなったなと思っていたら、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学の学長になってたんですね。...
ただし、今後農村改革をやろうとしたときに抵抗勢力でうまくいかない可能性はあります。
加えてインド人民党の支持基盤の一つにヒンドゥー原理主義者が一定数いるため、10数%はいるイスラム教徒との関係は今後ネックとなってくる可能性があります。
「いままでになかった場所に挑戦した。新しい夜明けと明日はすぐ近くにある」
今年の9月に引導中期間が月着陸のミッションに失敗した際に、科学者に対して「いままでになかった場所に挑戦した。新しい夜明けと明日はすぐ近くにある」とモディ首相は声をかけたそうです。
日本だとロケット失敗を責任云々とか叩く人がいますけど、こういう精神がないと技術を発展させにくくなるんじゃないでしょうか。
日本の場合、保守的な態度が強すぎる分野があるので、もっと強気に行くべきところは行くでもいいんじゃないかと。
孫正義の「髪の毛が後退しているのではない。 私が前進しているのである。」ぐらいの気持ちを持った方がいいと思うんですよね。
新興国だからこそできるという意見もあるでしょうけど、もっと変えるべき制度は変えてかないといけないと思いますけどね。
インドの歴史・宗教・経済とトピックを網羅しているので、インドを知りたいという人にはオススメの本です。


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