FIRE 最速で経済的自立を実現する方法で紹介されてた投資戦略の7つのステップとアセットアロケーション
「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」を読み終えましたが、定年前にセミリタイアを目指す人にとっては自己啓発本にもなるなという感じで、個人的には色々と参考になる面は取り入れていけたらなと思いました。
全体の感想については年明けにまとめるつもりですが、個別でピックアップしたいのは投資に関してです。
著者のグラント・サバティエ氏は投資+不動産(投資とは別章)+節約+副業で2.26$→125万ドルを増やしたわけですが、投資は不労所得の究極の形態であり、経済的自立への到達を早めてくれるものだ。と説いています。
その中でも「投資戦略の7つのステップ」、投資対象、アセットアロケーションに関しては興味深かったですね。
投資戦略の7つのステップ
投資戦略に関しては基本的に以下の5つを反映しています。
- リスクを最小限に抑える。
- 手数料を最小限に抑える。
- 掛け金に対する税金を最小限に抑える。
- リターンを最大化する。
- お金を引き出す際の税金を最小限に抑える。
この5つの視点は日本で資産運用する場合でも通じるものがあるでしょう。
そして投資戦略の7つのステップは以下の通り。
①短期と長期の投資目標を区別しよう
②いくら投資しなければならないかを把握しよう
③アセットアロケーションの目安を決めよう
④いまの手数料を計算し、できるだけ安くする
⑤正しい資産を選択する
⑥税優遇口座を最大限活用する
⑦課税口座に投資する
⑥と⑦の関係は⑥を使い倒して余った場合に⑦でも投資という形なのでペアといっていいでしょう。
他を順番に見ていくと、①は短期と長期で5年以内か以降で投資手法を変えるべきと説いていて、大半の資金は長期で運用(株式か債券)で運用すべきと提言しています。
②は投資可能な金額を年間や1か月含めて算出するということです。
④に関しては言わずもがなですが、③に関してはリタイアが10年以上先であれば、当面は100%株式に投資することをおすすめしています。
かなり節約をしていて、副業含めて収入を投資に回しまくっているので、日本の事例としては三菱リーマン氏に近いものがあるでしょう。
⑤に関してはゴールドやREITは分散効果はあるものの、株式と債券だけに集中した方がよく、インデックスファンドを使ったシンプルな投資を推奨していました。
アセットアロケーションはリタイアまでの期間によって使い分け
一般的に投資のポートフォリオとして6割株式、4割債券もしくは自分の年齢=債券の比率といわれています。
グラント氏は目安とするアセットアロケーションに関しては投資資金に手を付け始めるまでどれくらいの期間があるかで計算すべきと説いています。
要するにリタイアまでの期間が長いほどリスクを取るべきで株式が90%や100%、リタイアに近いほどリスクを抑えて債券を30%~60%に増やすべきだと。
ただ、これに関してはグラント氏が2010年からの好調な相場+債券もいいパフォーマンスだった時期の恩恵が大きく、バンガードのVTI(株式)とBND(債券)を使ったものは過去10年まで結果しか載ってませんので、その点は留意が必要かと思います。
ちなみにグローバル株式は分散効果を得られるものの5%以下でいいというスタンスで、個別株に関しては全体に投資して安定なリターンを望めるのだから、5%以下でいいというスタンスです。
その割にアマゾン、フェイスブック、アップルを400~1000ぐらいの株数を持ってましたけど(2015年時点)
S&P500とVTIを推奨している中、目についたそれ以外の海外ETF
基本的にはS&P500 or VTIへの投資を推奨していますが、それ以外にも名前を挙げてるファンドは目につきました。
まとめると以下の3本。
- iシェアーズ・エッジMSCI米国ミニマム・ボラティリティ(ティッカー:USMV)
- バンガードFTSEソーシャル・インデックスファンド(ティッカー:VFTSX)
- iシェアーズMSCI KLD400ソーシャルETF(ティッカー:DXI)
低ボラティリティETFのUSMVに関しては特に言及がありませんでしたが、リスク管理という意味で上げてるのだと思います。
残りの2本に関しては社会的責任投資を考えて投資をしているそうです。
時代の流れ的には今後こういう投資が有効になる可能性はありますけど、そこは投資を行う人が投資対象の企業についてどう考えるかでしょう。
ここまで紹介してきた投資戦略の7つのステップで投資の自動化はできるかと思いますが、グラント氏曰く十分ではないそうです。
- 収入から自動的に投資口座に拠出する割合も限界まで引き上げ続ける。
- 副業からの収入やボーナスを全額、できるだけすぐに手動で投資に回す必要がある。
やはり5年で2ドルからミリオネアになるためには、徹底的に節約して投資に回す必要があるということでしょう。


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