FIRE 最速で経済的自立を実現する方法はセミリタイアやアーリーリタイアを目指す人にとってのバイブルになるかもしれない
FIREとは、Financial Independence(経済的自立)とRetire Early(早期リタイア)の頭字語で、去年は経済紙のオンライン記事なんかでもちらほら取り上げられるようになってきました。
ただ、日本でFIREに関する書籍があるかというと、個人レベルで出版している人はいますけど、バイブル的な1冊というと個人的には見かけない印象です。
昨年にかけて金村さん、よよよさん、三菱リーマンさんなどわたしと年齢の近い30代でアーリーリタイアする人を見かけるようになってきました。
まさにFIRE的な生き方をする人が日本でも現れるようになったということで、現状のストレスが高い社会の中では増えていく可能性は高いと思います。
その中で、日本においてFIREの書籍の先駆けともなりそうな「FIRE 最速で経済的自立を実現する方法」が昨年末出版されましたので、発売日早々に購入して帰省中に読みました。
内容としては徹底した節約→投資、副業、不動産、福利厚生の徹底活用など、施策はこれしかないとは思います。
これを20代前半の新人のときに読んでいたらわたしの人生は変わっていたかもしれません。リーマンショック時に投資できたでしょうし。
投資に関しては割とシンプルだったのを紹介しましたが、それ以外にも活用できることは多いかと考えます。
個人的にデメリットもあると思う面も含めて整理してみました。
エンタープライズ・マインド
節約本などは支出をいかに減らすかにということが中心です。
この本がちょっと節約本と毛色が違うのは、徹底した節約と多くお金を稼ごうということを並立させてお金を増やしてFIREしようという点でしょう。
グラント氏は企業がお金を稼ぎ、貯め、増やすやり方と似ているので「エンタープライズ・マインド」と名付けました。
そのためにも1時間単位、1分単位の稼ぎを最大化することを説いていて、5年スパンでFIREとなるとマネタイズ重視が必要ということでしょう。
支出を切り詰める、手数料・価格を最適化する、税金抑制、複数の収入源などあらゆる方法で富を稼ぐことを徹底を説いてます。
資産運用に関してある程度行えてる人はそこまでやらないでいいかもしれませんが、とにかく仕事辞めて自由になるための最短経路を目指す人は「エンタープライズ・マインド」は必要かなと思いました。
不動産投資、投資のパフォーマンス、副業含めた働き方には注意が必要
ただ、内容面でこれはちょっと注意が必要という項目は3つありました。
- 不動産投資
- 投資のパフォーマンスのデータが過去10年しかない
- 副業含めた働き方
投資は不労所得の究極の形態であり、経済的自立への到達を早めてくれるものと定義していますが、株式よりも優れた投資と説いています。
ただし、不動産価格が10年でかなり上昇しているアメリカ市場だからこそという面は否めないので、日本でもある程度は再現はできるかもしれませんが、アメリカとは条件が異なる可能性は認識しておきたいです。
2点目は投資のパフォーマンスのデータが過去10年しか載ってません。
著者が5年でミリオネアになってるだけに、それだけの期間で十分と考えたのかもしれませんが、本の中でリタイアまでの期間はどれくらい必要という表もあるので、データに関しては物足りないと思います。
副業に関しては書いてある通りでハックするや最適化はその通りです。ただ、著者も働き過ぎて休みをちゃんと取っていれば、もっとうまくやれたかもとも書いてたので、その点は各個人で詰めないといけないでしょう。
日本の事例だと三菱リーマンさんがやや近いかという印象。ただし、きつきつに節約して働きまくってお金を貯めるという方式は向かない人もいると思うので、第三の道があってもいいかなと考えます。
貯蓄率を30~90日間隔で1%ずつ引き上げる
貯蓄率というと「バビロンの大富豪」の10%、本多静六の4分の1貯金法が有名かと思います。
わたしがやってるのは後者ですね。
ただ、最速でリタイアとなると25%でも足らない。
とはいえ実際に節約を5割ラインでいきなり始めるとなると挫折する可能性も高い。
そのため「貯蓄率を30~90日間隔で1%ずつ引き上げる」のはなかなかいい方法じゃないかと。
むしろこれまで節約していない人も取り掛かりやすいですし、もっと節約→投資に回したいという人に向けても有益だなと思いました。
投資に対するリスク許容度は人それぞれですから、一部を現金保有、残りを投資など応用も可能でしょうから、いろいろとアレンジしてみるのも悪くないかなと考えます。
日本でこういうFIRE的な本はほぼなく、訳者がミレニアル世代のFIREの動きの広がりや書籍が増えてる傾向から出版となったようです。
今後も同様のFIRE関連の書籍も増えるかもしれませんが、この本は気になる項目を読み直すという意味でも有益だと思います。
もしかするとセミリタイアやアーリーリタイアを目指す人にとってのバイブルになるかもしれません。


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