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投資関連本

MMTを採用する国は現れるかもしれないが、日本は現実的な政策に落ち着くのでは?消費税10%後の日本経済を読んで

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消費税10%に上がってから3カ月経過ですが、個人的にキャッシュレス還元は店側とか会計システム作ってる側は大変だとは思いますけど、悪くはないんじゃないのと思うんですね。

経済指標的には落ち込むことになるでしょうけど、キャッシュレス化進める上では悪くないと思います。

もちろん現金だからこそ安いドラッグコスモスのような店もあっていいでしょう。

年末に消費税について考えてみようということで、「消費税10%後の日本経済」を読みました。


著者の安達誠司氏はエコノミストで、ドイツ証券を経て丸三証券経済調査部長の人です。

本の内容としては金融政策と財政政策の2つの次元で考えて、経済がどのような影響を受けるかについて言及した本となっています。

最近は消費税に関してMMT含めて極論に偏りすぎている意見を見かけますけど、公平な立場で経済状況の分析を行っている本としていいなと思いましたね。

落ち着いた形で書かれていますし、豊富なデータをグラフで示して、詳細な分析から結論を導き出すという手法は好感が持てました。

個人的に読み終わった後考えたことをまとめすと以下の2点になりますね。

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票がある高齢者からお金を取るには消費税という側面は見落としがち


書いてあることはまっとうで、これ以上「消費」と「雇用」に悪影響がでないようにするというのはまさにその通りで、デフレ化はよくないというのももっとも。

前回増税時のデータから、極端な影響はないものの2020年に影響が出てくると書いてありましたが、これはオリンピックで9月頃までいかに影響を抑えられるかがポイントになるでしょう。

著者は消費税増税に反対するのも「いまはデフレ脱却が最優先な時期だから」という理由です。

で、消費税がなんで必要かというのはいろいろな意見があるでしょうけど、個人的に「高齢者からお金を取る」という側面が見落としがちだと思うんですよね。

正直少子化対策として考える上では、高齢者の医療費引き上げして、消費税で少子化対策に回したほうがいいかと。

この高齢者層がお金持ってる上に、選挙の票も持ってる状況となるとある程度納得させて取るには「消費税」になっちゃう側面は結構あると考えますけどね。

ただし、本の中で30~50代の増税後の消費の落ち込みが指摘されていますけど、40代の氷河期世代への負担を考えるとどうにかしなきゃいけない課題かと思いますね。

仮にあと10年して切羽詰まった場合は、結局高齢者関連のところから削られてくことになるでしょうけど、それまでは増税は消費税という選択肢の優先順位が高くなるということでしょう。

とはいえ、早急に消費税を上げれる環境になるとは、今後のアメリカの景気の伸びしろ考えても機会はない可能性すらあるんじゃないでしょうか?

経済政策もMMTではなく現実的な政策に落ち着くのではないか?


MMT関しては標準的なモデルが一切提示されてないので、MMTの有効性を主張する人たちが本当にどのように経済システムを考えているかわからないので、「FTPL(物価の財政理論)」のモデルを元に再解釈して説明している点は興味深かったです。

ニューディール政策や2.26事件以降の日本、ナチスドイツの政策は近いと書いてありますが、結局インフレを制御できなくなってしまって、やがて第二次世界大戦になりました。

著者は歴史的教訓から学とすれば、中央銀行と財務当局間で明確に「インフレ目標」に込みとする形で財政出動を行うことと書いていますが、現状のMMTを盲目的に唱えてる人たちを見ると、財政出動が止まんなくなってバブルへGOになっちゃうんじゃないかと思いますね。

何事もバランス感覚が大事で、30年経ってもあのアメリカですら社会主義を信奉するような極左的な人(数は少ないが一部極右もいる)が唱えてるのを見ますと、スターリンの粛正や大躍進政策の後みたいになるんじゃないでしょうか。

じゃあどうするかというと明確に結論は出してませんが、個人的には著者が考察であげていた以下の政策に落ち着くのかなと。

  • 各種規制を緩和し、規模の小さい企業がより自由な創造的活動ができるような環境整備をする。
  • 国内部門での競争を阻害する既得権益の廃止
  • 増税を打ち消すような大規模な財政出動
  • 財政出動に加えて金融緩和を持続させたままデフレ脱却まで続ける。
  • 労働生産性を高めて、できればベースの給料を引き上げる「働き方改革」

仮に今後高齢化が進んで現状よりもきつい状況になった場合は、本の中で度々述べられている高所得者の課税を高くするということになるでしょう。

法人税はグローバル化が進みすぎて、各国協調でいかないとそう簡単に引き上げれないと思います。

金融緩和に関しては否定的な意見も一理あると「追われる国の経済学」を読んで思いました。

「追われる国」の経済学から見えてくる、先進国で金融緩和が効かない理由 - 関東在住福岡人のまったり投資日記

参議院選挙の投票用紙が届いて、各党の政策とかもポスターに載ってたりしますけど、参議院選挙だからなのか知りませんがかなり非現実的なもの多いような印象があるんですよね。...

ただ、今後の自動化でホワイトカラーの職が減っていく傾向を考えるとそれなりに行う必要はあるかと考えます。

「追われる国」の経済学でもある程度の財政出動が述べられてるように、自己ファイナンスが可能な財政刺激策を発動して、規制緩和、可能ならば減税という形がベターかなと。

ともあれ今後どう日本経済を回すかと考える上で、極論に振り回されずに冷静になってやれることを整理するのにいい本だと考えます。

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