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投資哲学・投資理論

ナシーム・ニコラス・タレブ「ピケティの労働と比較した資本収益率の増大に関する理論は、明らかに間違っている」

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トマ・ピケティの「R(資本収益率)>G(経済成長率)」は、投資アフィリエイト狙いの人でも容易に使えるキャッチーなフレーズとして頻繁に見かけるものとなりました。

「一部の層が莫大な資産を独占し、格差が生じている。政府は高所得者への課税軽減をせず、むしろ低所得者への支援を行うべきである。でなければ格差社会はより拡大するだろう。」という指摘は、日本は他の国と比べてそこまでないとはいえ、世界的に通じるものではあるとは思います。

ところがそのピケティに対して、「まぐれ」「反脆弱性」「ブラック・スワン」などで有名なナシーム・ニコラス・タレブは最新作「身銭を切れ」で明らかに間違っていると断言しています。


相変わらずのタレブ節全快という感じで、本全体に関しては他にも色々とまとめたいので別記事にしますが、このピケティの部分の指摘はインパクトがありますね。

オーストラリア学派の考え方はこうも口が悪いのかと思えてきますが、異なる視点からの指摘だとこうなるのかと新たな気づきがあるものです。

では、どの点が間違っているとタレブは考えてるのでしょうか?

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ピケティの労働と比較した資本収益率の増大に関する理論は、明らかに間違っている


タレブは著書の中で、「数学を使わない社会科学の独創的な研究を、書籍という形式で出版するのは素晴らしいことだと思う」と皮肉もこみのコメントで褒めてはいます。

ただし、「1年目と2年目で格差が変化しているというときには、頂点に立つのが同じ人々であることを証明する必要がある」と明確に否定しています。

同時に21世紀の資本を読んだ後に、上位1%を取りその変動を調べるという格差の尺度について書いてるのですが、数学的な厳密性にも欠けるそうです。

これはタレブがかねてから研究・発言してきた「ファット・テール(正規分布では示すことができないような極端な変動を示す分布)」にも通じるかと思います。

上位1%の問題はクリントン政権の財務長官ローレン・サマーズも指摘していて、「1982年におけるアメリカの富裕者上位に名を連ねていた400人のうち、2012年にもその地位を維持していたのはわずか10人に1人だった」という点ですね。

この点を考慮するとピケティのデータは一定の方向性は捉えられてるものの、厳密でないデータということは考えておいた方がいいのかなと読んでいて思いました。

付け加えると、タレブはピケティの本もそうだが、人は確固たる根拠がないときほど、人は数値やグラフに頼る傾向があり、図表が満載なのはデータが必ずしも厳密でない傾向があると。

なので、ある主張を証明するのにグラフや票が山ほど使われている分厚い本を買う場合には、疑ってかかるべきと。

表がたくさんあると説得力はあるが、「複雑」を「正しい」と混同してしまうが、実際は結果がうまく要約されてない可能性を指摘しています。

ピケティの間違いよりも深刻なマンダリン階級の人々


ピケティへの批判は割と論立ったものですが、タレブはピケティの間違いよりもはるかに深刻な問題として、「マンダリン(官僚)階級」の人々の反応であるとして強く非難しています。

実際論文を書いてポール・クルーグマンに会ったときにピケティの誤りの指摘をすると話をはぐらかしたそうです。

そして以下のように強烈な文言が並んでいました。

    「グーグルマンやピケティのような人々は何のダウンサイドもない」
    「グーグルマンやピケティのような人々は格差が小さくなれば、国や大学のシステムが崩壊しない限り人生のはしごを上へとのぼれる」
    「何事も理論化するのが大好きで、自分たちの特権を強化しながら、弱者に共感したつもりになっている連中の行動を象徴しているからだ」
    「ピケティの主張に深く賛同したのは、大学教授や終身雇用という形で安定した収入を約束されている公務員や学者達。上を見上げて反事実的な思考にふける(自分と金持ちを比べる)人々ほど、金持ちから財産を積極的に没収したがっている」

そこまで言うかという言葉ですが、では格差に関してどう思うのかというと強者をくじく可能性のあるシステムを作るのが最良の解決策。そして、それがもっともうまく機能するのがアメリカだそうです。

ヒラリー・クリントンをモンサント・クリントンといって、トランプの自己破産の経歴からリスクを取っているというのにも通じるのでしょう。

徹底した自由主義で市場に任せておけばうまくいくというオーストリア学派の考え方だとは思いますけど、ピケティのr>gのフレーズがキャッチーになった現状では、タレブが言ってることは一理あると思いましたし、データも万能ではないことは頭の片隅においておきたいですね。

ちなみに21世紀の資本の翻訳者って山形浩生氏なんですが、反脆弱性のときに批判していました。

反脆弱性・歩く・マネーマーケット|新・山形月報!|山形浩生|cakes(ケイクス)

お久しぶりの「新・山形月報!」、今回はナシーム・ニコラス・タレブ『反脆弱性』『ブラック・スワン』(ともにダイヤモンド社、上下)を中心に、キャス・サンスティーン『最悪のシナリオ』(みすず書房)、レベッカ・ソルニット『ウォークス』(左右社)、ジョン・ケイ『金融に未来はあるか』(ダイヤモンド社)などを取り上げます。


この本でピケティ批判してるのを見て山形氏はどう感じるか個人的には意見を聞いてみたいです。
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