増配株・バリュー株重視の人にはぜひともオススメしたい、バリュー投資家のための「米国株」データ分析
わたし個人の株式の投資に関しては、一部個別株が2銘柄あるとはいえインデックス部分が大半で、確定拠出年金含めて毎月積立てる部分と、ボーナス月にがっつり海外ETF投資する部分に分けることができます。
海外ETFの部分は米国増配株ETFのVIGと米国高配当ETFのHDVがコアになってますので、「増配」とか「高配当」に投資をしている比率は他の人よりも高いかと思います。
HDVに関してはバリュー株の要素も結構あるのですが、そんな「増配」と「バリュー」に投資をする人にぴったりな「バリュー投資家のための「米国株」データ分析」を読みました。
著者のひろめさん(@hiromethods)はブログ「複利のチカラで億り人」を運用していて、わたしも以前から読んでました。
ところがしばらく更新があまりない状況でしたが、この本を1年がかりで作成されたからだそうです。
本に関しては簡潔に内容がまとまっており、非常に読みやすいです。また、Excel表などのおまけもついていてお得感があります。
連続増配とバリュー株指標を組み合わせる
第1〜3章については、増配銘柄の長期間にわたるパフォーマンスの良さを中心に、バリュエーションの測り方まで解説されており、投資経験のない方も理解のしやすい内容となっています。
序盤は連続増配に関する考察がひたすら続いています。
日本でも米国株の配当貴族指数のインデックスファンドがありますけど、この数値を見たら投資をしたくなる人もいるでしょう。
- 配当貴族指数がS&P500指数を年率平均+2.41%もアウトパフォーム
- 過去25年間で配当公爵(平均)は約11.2倍、S&P500指数は約5.4倍
ただし、増配にこだわっていても、銘柄が減配になるリスクがあると考えたくなりますけど、「配当維持、減配銘柄、無配銘柄はリターンと標準偏差の両方でS&P500指数より劣っていた」というのが実際にデータを見ると、わたしは増配株のVIGでいいかなと思いましたね。
銘柄選びやっても競馬同様データ活用で当たるときは当たるけどハズレるときはハズレるという感じになると思いますし。
PER・PSR・PBR・利回り・配当性向と言った基本的な指数についての解説だけでなく、状況によって指標がどのように変化するかといった具体例があって非常に分かりやすいです。
付録的に米国株データ分析サンプルファイル、米国株配当集計Excelシートまでついてきてるのは、米国株に投資する人にとっては価値があると言っていいでしょう。
確定申告の季節にありがたい税制のお話
第4〜5章は税制に関して触れられており、実用的でかなり参考になる内容でした。
外国税額控除で2重課税を解消できることや、総合課税と申告分離課税の使い分けでベストな配当課税方式など、具体的な例も多く示されていて参考になります。
この辺の税制の複雑なところをフィンテックで証券会社がなんとかしてもらえないだろうかと思うのは私だけはないと思うんですけどね。
過去通用したデータが未来も通用するとは限りませんけど、有用だと思われるものを抽出する手法は再現性をあげる上で重要で、その意味で個人的には好みな投資手法です。
やはり増配をポートフォリオのコアの1つにしておいてよかったと思いました。
同時にひろめさんの投資手法に全面賛成といかない人でも、自分なりにいいところを取り入れて参考にするのにも悪くない一冊じゃないかと考えます。


フォローする Follow @garboflash
更新情報を受け取る

- 関連記事
-
- ラーメン屋を10年続けてきたプロレスラーの川田利明氏が語る逆説ビジネス学
- ナシーム・ニコラス・タレブの「身銭を切れ」を読むと、身銭を切ってリスクを取ることの大切さがわかる
- 増配株・バリュー株重視の人にはぜひともオススメしたい、バリュー投資家のための「米国株」データ分析
- スポ-ツはポストモダン産業の旗手となれる?スポーツの経済学新装改訂版
- 「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」は会社に縛られないお金を作るシンプルな方法を説いた本