2月末の株価下落の際のパフォーマンスに関して、株式だけでなく債券、金、REITなども含めて整理してみた
株価が1週間連続して下落していて、NYダウは実に3000ドルを超える値下げとなっています。
一応%にしたら10数%といったところですが。ただ、1週間でこれだけというので破壊力高いですよね。
個人的にはこういうときに大きく下げるセクターや銘柄、株価と反対に動く資産の動きをデータを残せるというのがブログのいいとこおかなと考えます。
ちなみに2018年12月以来の大きな下落ですが、そのときはピークから20%まで下がった追加投資といってたら、NYダウは一か月で反転してしまいました。
ニューヨークダウがピークから20%以上下がったら追加投資を検討したい - 関東在住福岡人のまったり投資日記
株価が下がっていて年末に集計する総資産額に一抹の恐怖を抱いております。なお毎月の積立投資分を見てみましたが、12/22の土曜時点で今年の2月の株価急落前と同じ金額になっています。...
日経平均 -12.1%(年始来高値は1/17)
ニューヨークダウ -14.1%
NASDAQ -12.9%(年始来高値は2/19)
上海総合 -7.9%(年始来高値は1/14)
問題化するのが速かった日経平均や上海総合でもそこまで下がっておらず、NASDAQの方が下がってないという状況です。
これが2018年12月の時は、上海総合がマイナス30%、NASDAQも-20%超えのレベルでしたので、ちょっと景色が異なるという感じですね。
とはいえ日経平均は楽天の問題も発生しているので月曜も下げそうですね。
とりあえず年始来の最高値はバラバラですから、2/12起点に各資産のETFのパフォーマンスを整理してみました。
日本株、米国株、米国外先進国、新興国、欧州株
まずは大雑把に日米(EWJ,VOO)と米国外先進国(VEA)、新興国(VWO)、欧州株(VGK)で見てみましょう。

2/12NYダウが最高値でしたが、S&P500は2/19が最高値でした。
これを見ますと2/12を起点にすると、米国株がこの期間では一番下がっています。
通常これくらい米国株が下がると新興国株は20%超えるマイナスになりそうなものですが、マイナス10%も下がってません。
これは上海総合がそんなに下がってないためでしょうね。
むしろこれから先影響が大きそうなのは右端の欧州株ですかね。
米国株セクター別
米国株の下落幅が一番大きかったので、米国株をセクター別にみてみましょう。
左からS&P500、一般消費財、コミュニケーション、テクノロジー、資本財、素材、エネルギー、生活必需品、ヘルスケア、公益事業、金融、不動産。

一番下落が激しいのはエネルギーセクター。5年くらいパフォーマンスが酷いです。
テクノロジーセクターは意外とそこまで下がっていなくて、金融が大きく下がってるのが印象に残ります。
ディフェンシブセクターの生活必需品、公益事業は比較的マイナス幅が小さく、ヘルスケアもS&P500ほど下がってないのは、リーマンショック時と同じ傾向といえそうです。
コミュニケーションセクターはセクターの再編があった割には下がってないですね。
米国株増配・高配当・グロース・小型株・NASDAQなど
では、高配当やNASDAQなどはどうなのか?米国株ETFで調べてみました。
左からクオリティ(ティッカー:QUAL)、サイズ(ティッカー:SIZE)、モメンタム(ティッカー:MTUM)、低ボラティリティ(ティッカー:USMV)、増配(ティッカー:VIG)、高配当(ティッカー:VYM)、小型株(ティッカー:VB)、バリュー(ティッカー:VTV)、グロース(ティッカー:VUG)

下落幅が一番小さいのは意外にもモメンタム。ただし、これは2/19頃のピークまで一気に上昇していたのが要因だと思います。
それ以外だと低ボラティリティ(USMV)、増配(VIG)はS&P500より下落幅が小さい。
意外とNASDAQやグロース株も下がっていませんが、高配当株はエクソンモービルや金融セクターが組み入れ上位ですので、それなりに下がっています。
債券ETF(BND,LQD,BLV,TLT,JNK,IGOV,VWOB)まとめ
続いて株価下落時のクッションにならないかと期待したくなる債券についても調べてみました。
左からBND(米国債券総合)、LQD(適格社債)、BLV(米国長期債)、TLT(米国超長期債)、JNK(ハイイールド債)、IGOV(米国外先進国債券)、VWOB(新興国債券)

米国債は長期債になるほど反発しています。ただ、TLTなんかはここまで上昇すると逆に動くのが怖くなりますが。
ハイイールド債と新興国債券は下がっていますが、米国外の先進国債券は上がっています。
REIT、金、コモディティ
最後にREIT、金、コモディティです。
とりあえず指標になるかと思い、VNQ(米国REIT)、VNQI(米国外REIT)、REET(グローバルREIT)、GLD(金)、GSG(コモディティ)を比較してみました。

金がかろうじてプラスですが、今週はあまり上昇していませんでした。
REITは株式ほどではないものの結構下がっていて、コモディティも同様でした。
おまけ:GAFA+マイクロソフト+テスラ
ちなみにおまけでGAFA+マイクロソフト+テスラも調べてみました。

テスラはかなり上昇してたのでその反転分も大きいかと思いましたが、S&P500と同程度という感じ。
この中では一番中国や日本など東アジアと結びつきが強そうなアップルが目立って下がっています。
まとめ
この2週間くらいの下落は強烈なものがありますけど、株式にしても特定のセクターなどでは下落幅がS&P500よりも小さいことも散見されました。
ただ、どれも下がるのは間違いないですから、それなりに忍耐が必要でしょう。
債券は期待通りに逆相関に動いてますが、この1年でもかなり上昇している状況です。
株価下落時のクッションになりますがこれ以上TLTの価格が上昇するとなると、2018年頃のように債券ETFが下落するときにどうなるかという不安は残るかなと思いました。
思ったほど金も上昇しておらず、コモディティに至ってはマイナスですから、株式以外のチョイスもなかなか難しいですね。


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