ラーメン屋を10年続けてきたプロレスラーの川田利明氏が語る逆説ビジネス学
新型コロナの影響で都心に出たのはここ1ヶ月で羽田から帰ってくるときの乗換のみという感じですから、似たような行動を取ってる人も多いでしょう。
個人的に1ヶ月に1回はお気に入りの豚骨ラーメンの店に出かけてますので、結構豚骨ラーメン欠乏症的になってます。
一応福岡空港の一蘭で食べてはいるんですが、食べ慣れてるせいもあるか足らんなという感じがあります。
そんなラーメン屋なのですが、行列できてるラーメン屋はさぞ儲かってるんじゃなかろうかと思う一方、行列がこれだけできてるのに店舗を増やさない店も結構あります。
そんなラーメン屋を10年続けてきたプロレスラーが「してはいけない」ことをまとめた「開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学」を読みました。
川田利明 ワニブックス 2019年10月
著者の川田利明氏は全日本プロレスで活躍し、第12代三冠ヘビー級王者となった人ですが、選手としては引退試合をせずにリングから遠ざかっています。
なぜかというと全日本のゴタゴタや先輩の三沢氏が亡くなることを経験した後に、2010年からラーメンと鶏の唐揚げを看板料理として、『麺ジャラスK』を開店。
2年前からはプロレス界の発展に尽力できる余裕がでてきて、イベントも開催しているそうです。
そんな川田氏が語るラーメン屋のリアルを読むと、好みの店にはそれなりの頻度行かないかんなと思いましたね。
なぜラーメン屋は家族経営や1人で調理している店が多いのか
年間の出店数は3000店を超えるというデータがあり、脱サラをしてラーメン店を開こうとする人も結構いるようです。
ただ、それだけ競争が激しい世界で、新規オープンから3年以内潰れるお店は8割にも達します。
10年続くお店はたったの1割ですし、続いた川田氏の店も現役時代に購入したベンツ3台を売り払ってます。
調理やスープを簡略化したり、バイトを雇えば負担が減るのでは?という考えが、経営していないと思い浮かぶわけですが、できない理由も書かれていて理解できます。
券売機おいてる店が結構ある印象ですが、その理由もよくわかりました。
個人的に関東で行くラーメン店を分類しても、以下のようにバイトがおらず1人や家族経営だったり、券売機が置いてある店が多いのもよくわかります。
- チェーン店・・一風堂系、一蘭、だるま系、天下一品、無鉄砲
- 家族経営っぽい・・麺や木蓮、いっき、愚直
- 1人で回している?・・ひらさわ、ラーメンかなや、きら星
1人の店は夜行ったからの可能性はあります。
バイトがやってて、チェーン店っぽくないのは田中商店、博多一瑞亭あたりぐらいですかね。記憶が曖昧な大塚のぼたんというのもありますが。
ともあれ回転率を上げるための塩対応とインスタやネット上の評判など、店に客を呼ぶ上でラベリング効果も考慮しないといけないため、多く経営も大変なんだなと。
サラリーマン辞めて独立してやっていくことの現実
この本の最後に川田氏はそれでもラーメン屋になりたい人向けに辛口10箇条を書いています。
- 初期投資は回収できないものとして腹をくくれ
- 新規オープン時でも不格好な接客は厳禁
- 料理自慢の素人が他人の言葉でその気になってはならない。
- 「体力」「精神力」「資本力」を知らずに足を踏み込むな。
- 今までの常識に縛られてはいけない。
- 間借りラーメンはできない。
- 利益を追求するなら商品に手間をかけすぎない。
- 基礎を確立するための時間や努力を惜しんではいけない。
- 撤退を恥と思うな。意地だけは張るな。
- 脱サラしてもラーメン屋だけは絶対やるな。
ここまで書かれていることを反面教師としてやるならいいのでしょうけど、この失敗談は貴重ですね。
同時にこれは転職や脱サラしてフリーランスでやっていく人にとっても参考になる点多いだろうなと思いました。
スポーツ選手なのでちょっと状況が違うとはいえ、会社に所属していたのに相違はないですし。
というのも働き方改革でここ数年で会社の福利厚生とかかなり向上しています。別の会社に聞いても同様。
当然会社にいる以上、社畜的なものは求められるわけですが、一本足でなにかあったときの保証がない状況のリスクは考えておかないといけないなと。
もちろん藤原和博氏が提唱するようにキャリアの掛け算(100x100x100)で100万分の1の存在になれば生き残る確率も上がるでしょう。
ただ、それを全員ができるとは限りません。
東日本大震災後景気が悪くなった後にいつの間にか派遣になってたりした人などを見てきた人間としては、今後景気が悪くなった時にどういう行動をとるべきかで反面教師となるでしょう。
ともあれラーメン屋の大変さを知りますと、食べ終わったら皿をカウンターに置くなり、「ごちそうさま」といった方がいいなと思いました。
川田利明 ワニブックス 2019年10月


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