株式が下落した直近1カ月間の米国市場のETFの動向を調べてみたが、VOOやVTIには資金が流入している
NYダウが最高値をつけたのが2/12でそこから1カ月が経過しました。
1カ月でマイナス20%を超えまして弱気相場入りと状況が一変しています。
荒れ模様な相場ですが、じゃあどんな資産に資金が流入しているのかは気になりました。
年明けに2019年の米国市場のETFの動向を調べましたが、同じように見てみると傾向が何か見えないかなと。
2019年の米国市場のETFの動向見ると、債券ETFや低ボラティリティETF(USMV)に資金が流入していて強気相場には思えない - 関東在住福岡人のまったり投資日記
2019年の年間パフォーマンスは年末から言われておりますが、株式や債券だけでなくREITや金、コモディティまで上昇する珍しい状況だったと思います。その中で、さすがに2020年になってなにかしらの資産は下がるんじゃないかと。..
2020/2/12~3/12 1カ月間の米国籍ETF資金流入トップ10
まずは直近1カ月間の米国籍ETF資金流入トップ10を見てみましょう。

これだけ株価が下がったにも関わらず、流入トップはバンガードのS&P500ETFのVOO。
2番目のVTIですからこの2本のETFは下げ相場だろうと資金が流入していると言えます。
一方、それより下を見ていくと、SHY、BIL、IEI、IEF、SPTSと短期債中心の債券ETFが5本ランクインしていますから、リスクを嫌って債券に逃げている流れはあるでしょう。
ディフェンシブセクターの公益事業ETFのXLUはわかるのですが、それ以外にエネルギーセクターのXLEとナスダック100指数の日次運用実績の3倍のプロシェアーズ・ウルトラプロQQQ(TQQQ)がランクインしているのは驚きです。
とくにエネルギーセクターは状況見てると、2015年夏以降の再現だと思うので厳しい時期だと思うんですけどね。
2020/2/12~3/12 1カ月間の米国籍ETF資金流出トップ10
じゃあ逆に流出の方はどうなってるのか?

流出トップのSPYはコスト面でVOOに負けてるというのが大きいでしょう。
それ以外を見てみると、ハイイールド債ETF(HYG,JNK)が2本、日本株ETFが2本、新興国株式ETFが2本がランクイン。
ハイイールド債は原油価格の下落の影響を受けたのは2015年夏以降の展開と非常に近いものがあります。
あとは金融セクターETFのXLFが2番目、適格社債ETFのLQDの流出も目立っています。
2020年3月の米国籍ETF資金流出入トップ10
では、3月に入ってから傾向は変わってるのか?

流入だけで見ると短期債とS&P500 ETF、エネルギーセクター、公益事業セクターが目立ちます。
一方流出を見ると、日本株や金融セクターETF、適格社債、新興国株がランクインしています。
一方で新興国債券や社債、米国REIT、米国債券総合と債券やREITも入ってきているので、ちょっと3月に入って傾向も変わっています。
債券やREITに関しては米国の金利も変動が激しくなっていますので、その影響もあるでしょうね。
とここまで3月に入ってからと直近1ヶ月を見てみましたが、「有事の金」と言われた金関連のETF(GLDやIAU)を一切見かけません。
個人的にこの20年の金価格の上昇は大きすぎると考えているので、これまでと同じような役割を果たすかというと疑問は持っておいた方がいいのではないかと考えています。


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