米国債(TMF)や米国株(SPXL)にレバレッジをかけたポートフォリオは、株価の下落でどうなっているのか?
去年あたりから債券と株式にレバレッジをかける投資信託やファンドの設定が目立っておりまして、SBI証券でバランス型ファンドのランキングを見てもレバレッジをかけたファンドが目立っています。
2017年後半頃からレバレッジをかけたファンドは提唱されていましたが、ふと気になったのはこの株価が急速に数10%下がる状況においてどうなってるかということ。
可変レバレッジド・ポートフォリオで気になったことを調べてみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
たまにブログ村の米国株カテゴリを見ることがありますが、上位50位まで見ると1か月おきの変動がどんどん激しくなっている印象です。そんなブログ村の上位で最近読むようになって面白いなと思うのは、hiroakitさんのROKOHOUSE シーゲル流ロジカル投資術です。...
ということで簡易的に米国債と米国株にレバレッジをかけたETFを使用したポートフォリオで状況を確認してみました。
2月までは米国長期債がクッションになっていたが、3月に入って様相一変。レバレッジをかけるとダメージ大
2月までしかデータが出てこないPortfolio Visualizerで以下の2つのポートフォリオを検証してみました。
- portfolio1:レバレッジ・ポートフォリオ(SPXL50%、TMF50%)
- portfolio2:可変式レバレッジ・ポートフォリオ(SPXL35%、TMF25%、BND40%)

2020年内の指定でどういうわけか2019年12月が出てきますが、1月2月ともにレバレッジを債券・株式両方かけた方がS&P500よりもパフォーマンスがよかったのです。
ところが3月まで含めるとパフォーマンスが変わってきます。
ポートフォリオ1に関しては、S&P500と変わらないくらい下がっています。

3月入ってからの下落も急ですね。
BNDを4割入れて、レイ・ダリオのオールウェザーポートフォリオに比較的近い形にしてもかなりの急落になります。

債券も株式も下がる状況があるのかニクソンショック以降で調べてみたことがありますが、基本的に数ヶ月単位はあるものの1980年以降はないような状況が続いてきました。
ですので、この後もこの状況が続かない可能性は高いと個人的には考えますけど、レバレッジをかけると分散していても短期でこういうことが起こることを示す事例かなと思いますね。
長期で地道に資産を増やす思考の人はレバレッジをかけない方がいい
ちなみにレバレッジをかけない米国長期債(TLT)とS&P500(SPY)半々のポートフォリオは以下の通り。

S&P500が20%以上下がってますので無傷ということはありませんが、マイナス10%いっておらず、個人的にはこういうのが求められるポートフォリオじゃないかと。
もちろん短期的に大きく下がってでもレバレッジをかける効果を意識するという考えは一理あると思いますけど、大幅下落でETFがクローズしてしまったということが2年前にありましたので、注意が必要だと思います。
VelocityShares Daily Inverse VIX Short Term ETN (XIV)
2018年、1日で96.3%下落してクローズ
iPath US Treasury Long Bond Bear ETN (DLBS)
iPath US Treasury 10-Year Bear ETN (DTYS)
Barclays Inverse U.S. Treasury Composite ETN (TAPR)
1月に大幅に下落し、クローズを避けるために3月16日に株式逆分割を予定していたが、最近の下落でクローズ条件を満たしてしまう…(PД`q。)
競馬を通してギャンブルをやってるので、リスクを取ることを否定しませんが、遊びと投資は年間でかける金の桁が1桁違います。
ある程度リスクを抑えて長期視点で目標まで増やすのが重要ではないかと考えさせられる3月に入ってからの相場だと考えます。
ちょうどこのタイミングで話題になってた「ライフサイクル投資術」を買ったので3連休から読み始めようとしていますが、この本が去年の9月に日経から出たというのは、靴磨きの少年ほどではありませんが何かを示唆しているような気がしてなりません。


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