日本発AI技術者集団プリファードネットワークス(PFN)、「順当にできることはGAFAがやる。穴を突かないといけない」
大学時代に単位を取った数学をもっと突き詰めればなぁというのは、それがいま投資なんかでも役立つのがわかったからというのもあります。
とはいえ遊びほうけてて時間の無駄の極みだったけれども、多少なりもプログラミングをやったり、卒論で携わった分野の知識は役立ってると思いますね。
Pythonもかじったおかげで投資の集計には一部使ってますし。
そんなプログラミングや計算科学の分野を学生時代から極めて、日本初AI技術者集団として有名な会社として「プリファードネットワークス(PFN)」があります。
創業者がわたしと年齢の近い人なのですが、最近創業者2名が書いた「Learn or Die」を読みました。
企業方針としてもディープラーニングの研究と開発を行うにはこうでないといけないなと思いましたし、交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケアの3つの重点事業領域を中心に、様々な分野でイノベーションを実現することを目標に掲げているので頑張って欲しいなと。
Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークスの挑戦
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西川 徹/岡野原 大輔 KADOKAWA 2020年03月18日
いまのところトヨタ、ファナック、みずほ、日立の国内企業だけでなく、インテルやマイクロソフトとも戦略的協業を行っていて資金調達もうまくいってるようです。
本としてはまさに「来たれ技術者」という側面もあると思うので、理系の学生にとくに読んで欲しい内容だと思います。
で、そんなプリファードネットワークス(PFN)の創業者が巻末の「巷で言われてることを疑い、可能性の抜け穴を探せ」の中で書かれてることが個人的に非常に印象に残りました。
「順当にできることはGAFAがやる。穴を突かないといけない」
本を読んでいて、起業は思い立った時に始めるのが一番いいと書いてあるので、意外と勢いで会社始めた面もある印象が残りました。
ただ、「技術にフォーカスする」というのは異色ではありますけど、技術+熱意があるからこそ可能性を感じさせれるし、大企業とは違った動きが取れるのは大きいんだろうなと思いましたね。
そりゃGoogle蹴ってPFNに入る人がいるのも納得です。
そんなPFNですが巻末に以下のように書いてます。
これを読んでて世界中のスタートアップに共通することだなと思ったのが1点。「できるかできないか」を問うのではなく、「どこかに実現できる穴があるんじゃないか」と考えるべきだ。そこにチャンスがあるからだ。
逆にいえば、我々のようなスタートアップが勝つ道はそれしかない。
順当にできることはGoogle、Facebook、Amazonのような大手がやる。だから「穴」を突かないといけない。「当たり前だ」と思っているようなところにわたしたちが勝てる解はない。
だから皆が今までの経験上「できるわけがない」と思っているところにこそ解を探している
そして、アメリカ以外の国の企業(とくに日本とか欧州の先進国)が今後も収益を伸ばすという意味でも同じことがいえるんじゃないかと思いました。
ある意味PFNがバイオや自動運転に関わってきたのも今後の世界の課題解決や伸びしろという意味で必然だったのでしょう。
そして今後伸びるという意味でロボットに注力していて、「ロボットができれば、アプリは後からついてくる」という考え方は面白いなと。
PFNが注力してる分野ってアメリカほどじゃないけどある程度は世界的に力を持ってる分野ですから、危機感持ってる日本企業がPFNと協業したり出資したりしてるんでしょうね。
逆説的に捉えるとGAFA系はそう簡単にひっくり返る物でもなく、GAFAに迫れるとすれば、UberのようにGoogle Mapなどを利用する形で協力しつつ穴を突く部分で大きくなる企業なのかなと考えました。
となると投資先としてNASDAQ100が選択肢として有望という気がします。
ともあれ日本にもこういう企業はあるわけですし、学生のスタートアップで可能性のある企業は他にもあるでしょう。
そういうスタートアップを支援できる仕組みを景気が厳しいときだからこそ整備して欲しいなと思います。
Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークスの挑戦
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西川 徹/岡野原 大輔 KADOKAWA 2020年03月18日


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