バフェットとマンガーによる株主総会実況中継はバークシャー・ハサウェイ30年の変遷もよくわかる本
投資関連本は月1冊は読んでいますけど、中にはウォーレン・バフェットの考えがよく反映された本もあります。
ただ、ウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガーの本に関しては毎年出てる印象ですけど、個人的には最後に読んだのは以下のマンガーの本だったかなと。
バフェットの右腕マンガーの投資哲学、思考とは?マンガーの投資術を読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記
読書が趣味の一つとなっておりますが、どうやって本を探すかというと、①売れているか、②twitter上で話題に上がっている本を調べて、よさげならば買う or 図書館という感じです。中にはこの著者とタイトルどうなんだろ?と思ってgoogleで調べてみることもあります。ただ、調べてこいつぶっ飛んでる的なものはすでに①と②でフィルターかけてるのでなかなかないものですが。...
さて、オマハ名物となったバークシャーの株主総会ですけど、その30年分の株主総会のメモを時系列に並べた「バフェットとマンガーによる株主総会実況中継」を読みました。
著者のダニエル・ペコーとコーリー・レンはペコー&カンパニーのCEOと副社長で、レン氏はバークシャーに9年勤めた経歴の持ち主です。
著者の2人が32年間年次総会に出席して、質問への回答内容をまとめたものですね。
英語のタイトルが「University of berkshire hathaway」になってますけど、講義のメモ的な要素もある本かなと思いました。
同時にアメリカの直近30年以上の株式市場の空気や、バフェットやマンガーの考えの変遷もわかりやすくて読んでよかったなと思いましたね。
年々内容がボリュームアップしていく年次総会
1986年から2017年までの株主総会が載っているのですけど、1986年あたりの記事はページ数も少なく、なんでこんなにページ数があるんだ?と最初の数年を見てて思いました。
ところが、ページを進むにつれてどんどん年毎のボリュームは増えていく。
同時に毎年オマハまで集まる人数も増えていき、会場がどんどん大きくなり、投資家のウッドストックになるまでの過程もわかります。
話す内容も時代に合わせたものになってますが、当然人が増えて質問も的外れなものも増えてると思います。
ただ、その分投資に必要な質問も増えているので、こうやってまとめてくれるのはありがたいです。
メモをとってまとめてくれる人は多いでしょうけど、バークシャーに勤務していた人がまとめたというのは価値が高いですね。
知性と謙虚さの重要性
時系列で見ていって、ちゃんと見てるなということも多かったですね。
- ITバブル時のインターネットの評価
- リーマンショック前4,5年のデリバティブに対する警告
- ビル・ゲイツへの評価(ただし、バフェットと仲がいい)
それとインデックスファンドに関して最初に本で出てきたのは2001年。
仮にバフェットの話を聞いて、この時期から投資を続けていれば相当報われてるんだろうなと思いますね。
全体的に見てやはり話し方に知性が感じられるのと、失敗談をまじえながら語れる謙虚さというのがこれだけの人を惹きつけるのだろうなと読んでいて感じました。
だから、規模が万単位まで膨れ上がって、お祭りみたいになってるのでしょうけど。
とはいえ保険関連の話が多く出てきていて、保険事業を持ってるからこその余裕から来るのもあるでしょうね。
バークシャー・ハサウェイとして経営の2トップの世代交代が近いのは間違いないのでしょうけど、これまでの記録と歴史を振り返るという意味でこういう本は必要なんじゃないかと思いますし、後生に伝えていくべきでしょう。
コロナショックで一時的に暴落が発生しましたが、踏みとどまっているとある程度回復することができました。
どうしてもネガティブな報道がもう3ヶ月以上あふれかえっていますけど、狼狽売りをせずに投資を続けるためのエッセンスが詰まった一冊じゃないかと思います。


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