2020年上半期の米国市場のETFの動向を見ると、適格社債(LQD)や金(GLD)が目立つが流入トップはVOO
相場が冴えないといろいろと状況を整理したいということで、上半期はETFの流出入を見る機会も多かったのですが、ひとまず7月になったので一区切りで今年の前半をまとめてみようかなと。
ということで半期に1回の米国市場のETFの流出入の動向を整理しました。
2019年の米国市場のETFの動向見ると、債券ETFや低ボラティリティETF(USMV)に資金が流入していて強気相場には思えない - 関東在住福岡人のまったり投資日記
2019年の年間パフォーマンスは年末から言われておりますが、株式や債券だけでなくREITや金、コモディティまで上昇する珍しい状況だったと思います。その中で、さすがに2020年になってなにかしらの資産は下がるんじゃないかと。...
また、債券ETFはかなり割高なレベルまで最高値を更新していて、NASDAQ100指数のQQQは絶好調だったという印象です。
ところが2020年上半期の流入を見てみるとトップは意外にも、4月~5月上位に顔を出さなかったVOOでした。
2020年上半期米国籍ETF資金流入トップ10
まずは2020年上半期の米国籍ETF資金流入トップ10を見てみましょう。

トップはバンガードのS&P500ETFのVOO。4月や5月は流入のトップ10に顔を出してませんでした。
2019年はVTIの方が流入してたんですが、上半期はVOOの方が上になりました。
FRBの社債買入れの影響でLQD、VCIT、HYGが流入のトップ10に顔を出してます。
個人的にLQDはある程度所有しているんですが、流石にこの状況下ではあまり手を出したくないというのが正直なところで、社債ETFは落ち着くまで追加購入しない予定です。
相場が冴えなかった影響でGLDや短期債のBILも上位に来ています。
絶好調なNASDAQ100指数のQQQは5番目とそこまでないなという印象で、逆に原油価格が不安定だったにも関わらずUSOが上位に来てるのは興味深いですね。
2020年上半期米国籍ETF資金流出トップ10
一方、流出しているETFはどうなっているのか?

SPY、EFA、EEMとコスト面でバンガードのETFやiシェアーズのコアシリーズにコスト面で劣るETFの流出が目立っています。
株価が下がった機会に低コストの方に移ってるっていうのもあるんでしょうかね?
IEMG、EEM、VWOと新興国の主要なETFが3つともランクインしていますので、新興国からの流出が目立ってます。
ひっそりと日本株のEWJも9番目にランクインしてるわけですが、そこまでパフォーマンス悪くないんですけどね。
過去1年の流出入トップ10
参考までに2019年7月1日~2020年6月30日で見てみました。

流入はVOO、VTIがワンツーで、上半期と傾向が違う点としてはBND、BNDXとバンガードの債券ETFが上位に来ている点でしょうか。
流出はEFA、SPY、EEMと上位3本はコスト面で劣後するETFが目立ちます。
金融セクターETFのXLFはコロナショックで影響大だったのがあるでしょう。金融セクターよりも酷かったエネルギーセクターが上位に来ないのは、金融セクターほど買う人がいないからのような気がしています。
コロナ感染者が増加傾向である一方、重傷者数は増加してなかったりと、この点だけにフォーカスするとある程度は治療に対する方針などが見えてきているのかなと思うところもあります。
ただ、アメリカくらいの感染者数となるとほんとに都市封鎖2回目とかにはなりかねない。
不安定な時期が続くかと思いますが、ワクチンや製薬はそれなりに進んでるように見えますので、「セント・レジャー・デイ(9月第2土曜日)に再び株式を買え」の格言通りに9月中旬頃にはポジティブなことが増えてるという可能性も結構あるんじゃないか?というのが現時点でのスタンスです。


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