「縮退」が続くとすれば、成長や増益が続く企業の価値はますます高くなるのでは?
先日、長沼伸一郎氏の「現代経済学の直観的方法」を紹介しましたが、資本主義や経済学の思想の歴史や仕組みなども理解できてぜひオススメしたい一冊だなと思いました。
で、とくに個人的にこれから先の投資で重要になるなと思ったのは9章の「資本主義の将来はどこへ向かうのか」
現代経済学の直観的方法は資本主義や仮想通貨の本質がつかめる一冊 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
わたしは大学が理系で、1年とか2年の基礎過程もいろいろと物理や科学的な基礎科目の講義を受けてました。基礎科目のときに教授がブルーバックスとか読む意識でやってほしい。とくに長沼伸一郎がいいぞ的な話をしていたのを覚えてます。...
図に表すと以下のAの各企業が相互作用している状況が、Bのように相互作用の強い2者だけで完結する事象です。

要するに一人勝ちの状況が起きやすくなるのを指摘し、この状況を受け入れつつもなんとかしなきゃいけないことを長沼氏も指摘しています。
そして、この図を見て仮に縮退が続く場合、投資面でどうなるかを考えてみました。
成長や増益が続く企業の価値はますます高くなる
上記の図Bはある特定の1社と機関投資家の関係でも説明することができます。
すなわち大きくなった会社に機関投資家のお金が流れてその2者間で回っていくということです。
こうなると小さくなった他の企業は厳しく、多様性がなくなっていくことになります。
で、この状況になった場合投資をする上でどう考えるかというと、成長や増益が続く企業の価値はますます高まるのかなと考えました。
当然企業間の競争は続きますが、ある分野においては一人勝ちがおきやすい状況が続くわけですから、成長や増益続く企業にお金が流入しやすくなるでしょう。
縮退が起きる理由として、人々の願望にどんどん短期的に応えることによって、勝者が繁栄して以前よりも多くの富が引き出されてるとのこと。
要するに長期的願望が短期的願望に縮退していっていて、以前よりも多くの富が引き出されてると長沼氏が指摘している点は、投資をする上でも留意しておいて損はないでしょうし、これはバブルの火種となると考えます。
大きくなりすぎた企業がこけたときの反動も大きくなりそう
縮退が起きて長期的願望が短期的願望に縮退している状況があるわけですが、逆にいうと大きくなりすぎた企業がこけたときの反動も大きいのでは?と。
これに短期的願望重視となりますと、バブルと重なった場合に、その反動は大きなものとなる印象を持ちます。
リーマンショックのときに「大きすぎて潰せない」が問題になりましたけど、株価の上昇でさらにその傾向は高まっているかと。
もちろん日本は不良債権処理を早めに進めましたし、リーマンショックを景気としてアメリカとかでもそれは進んだと言えるでしょう。
でも、当時よりはるかに大きくなった企業に問題があったときにどうなるのか?
アダプティブ・マーケットにも書かれてましたが、資産同士の結びつきもより強くなってる時代でしょうから、リスク管理が重要になるのではないかと考えます。


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