ディズニー帝国の内情が書かれた「ディズニーCEOが実践する10の原則」
コロナの影響でディズニーランドなども制限をかけながら再開している状況ですが、もちろん経営的には痛いものの、ディズニーが崩れるということはないでしょう。
直近15年くらいでピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、20世紀FOXなども買収していて、文字通りディズニー帝国といっていいでしょう。
ところが15年くらい前は創業者一族とのゴタゴタなどもあったのですが、そこから立て直したのが前CEOのロバード・アイガーです。
「ディズニーCEOが実践する10の原則」はディズニー前CEOのロバート・アイガーが、自身の半生と成功哲学を書いたものですが、基本的にはABC時代からディズニーに至るまで時系列に書かれていて、9兆円にも及ぶ買収劇の内情が詳細に書かれています。
ピクサーでピクサー側からの視点を読んでいただけに、ディズニー側からの視点がわかったのもよかったですね。
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10の原則というタイトルだが、自伝要素が強く野心を正直に書いている
「ディズニーCEOが実践する10の原則」というタイトルですが、章は14章で構成されてますし、最初に10の原則出てきた後はほぼ自伝です。
ABC入社して出世した後、ディズニーに買収されてからがCEO就任前までが第1部、CEO就任後が第2部になります。
買収絡みの際の心情やCEO就任前にパニック障害を発症しかけたことも書かれていています。
CEOになる前に禅譲を望んでいたり、政治や大統領選挙への関心をつつみ隠さずに書かれていて正直だなと思いますね。
ただ、前任者マイケル・アイズナーマイケル・アイズナーなどこれまで使えてきた上司のいい面を取り入れつつも周囲に気配りができて前向きで誠実だからこそ、ここまで発展することができたのだろうなと。
2000年代にディズニーは業績が悪化し、さらに2004年3月に開かれた年次株主総会では、業績悪化などを理由とする不信任投票が43%にも上り混乱している状況でしたし。
ディズニーCEO就任前の面接で述べた3本柱
ディズニーCEO就任前の面接で述べた3本柱はとくに印象に残りました。
15年前の時点で以下のことがディズニーの未来にかかってると。
- 良質なコンテンツ
- テクノロジーへの投資
- グローバルな拡大
とくに良質なコンテンツというのはピクサー、マーベル、21世紀FOXの買収に表れてるかと。
CEO就任時はピクサーとディズニーの関係は破綻している状況からピクサー側のスティーブ・ジョブズとの関係を修復したのはこの人じゃないとできなかったんだろうなと思います。
また、テクノロジーへの投資は既存ビジネス破壊も辞さずという感じで進める決断力があるなと。
ディズニープラスもその施策の一つといえうるでしょう。
「過去より未来を見据える」「手間に見合わない小さな案件に手を出すな」という視点で企業を見ると面白かなと考えました。
自伝としてもディズニーという企業の内情を知る上でもオススメできる一冊だと思います。


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