バンガードの日本支社の閉鎖で気になるのはETFの拡充とブラックロックの動向
安倍首相の辞任と並んでバンガードの日本支社の閉鎖のニュースは非常に驚きました。
当社の営業活動終了のお知らせ
ETFに関しては香港上場ETFは今後変更の可能性がある以外、主要なETFは問題なさそうですし、バンガード絡みのインデックスファンドなども問題はなさそうです。この度、日本拠点での営業活動を段階的に終了し、日本支社である当社を閉鎖することを決定致しましたので、ここにお知らせ致します。バンガードは、投資家の皆さまに低コストで良質な商品と最良の投資機会をご提供するべく、かねてより国際事業部門のビジネス戦略および拠点の見直しを行ってまいりました。その結果、今回、この困難な決定を下し、本日発表する運びとなりました。
また、バンガードETF®および日本のビジネスパートナーとの共同ブランドファンドの投資対象商品は、現在と変わりなく、引き続きバンガードの海外拠点にて運用を行ってまいりますので、ご安心頂ければと存じます。
今年の1月のSBIのセミナーにはバンガード方(担当者の人はブラックロックやウィズダムツリーでも勤務経験ある人)も来られてたのでこんなに早くという感じですね。
投資の普及という観点では、twitterやコラムは縮小するようですが、例えばSBI証券通してバンガードのコンテンツを配信するとかをやってもらえないかなと個人的には考えます。
バロンズ拾い読み的な感じでやって欲しいなと思いますね。
さて、わたしはこのニュースを聞いて今後の動向で気になる点が2つあるんですね。「ETFの拡充」と「ブラックロックの動向」です。
大手ネット証券3社でバンガードのETF取り扱いの拡充は遠のいたか?
個人的にこの話を聞いて大手ネット証券3社でバンガードのETF取り扱いの拡充が遠のいたのではないかと。
5年前に一気にバンガードのETFを購入できる本数が増えたのですが、その後は拡充されてない状況です。
サクソバンク証券など購入可能な証券会社もありますけど、米国内外のREIT ETF(VNQ,VNQI)や米国外配当系株式ETF(VIGI,VYMI)などは大手ネット証券では買えません。
いつかは拡充されてアメリカと同等に近い状態になるのでは?と5年前一気に増えた後思ってたのですが、その後ETFの設定はあっても拡大されず。
この撤退でバンガードのETF取り扱いの拡充は遠のいたんじゃないか?って気がしてます。
まぁ、資産規模が増えてない運用期間が短いETFを買えるようにしても、需要がないとかで見送られてる面もあるんでしょうけどね。
ウィズダムツリーに続いてバンガードも日本支社撤退となるとブラックロックはどうなるのか?
バンガードの撤退で驚いたもののあり得ると思ったのは、ETFの3強の1格からやや落ちるもののウィズダムツリーが2年前に撤退したからです。
この2社5年前くらいは結構セミナーに登場してましたが、その機会がここ数年減った印象があったんですよね。
ウィズダムツリーにバンガードが続くとなると、3強の残りステートストリートとブラックロックの動向は気になります。
規模的に3番手のステートストリートも続きそうな予感もしますが・・
一番気になるのは、ブラックロックの動向で、ブラックロックはiシェアーズは東証上場ETFがかなりあります。
各ETFの資産規模調べてみても総資産が100億超えてるのが10本以上ありますし、iシェアーズ・コア 日経225 ETF(1329)に至っては、6000億。
ブラックロックは東証上場ETFのクローズとかもやってるので、ブラックロックも日本法人閉鎖とかになると影響はバンガードの比ではないかもしれません。
一応東証ETFを多く上場してるので、その可能性は低いとは思いますけど、今後の動向は気になるところです。
バンガードはアジア部門の本拠を上海に移すようだが・・
バンガードはアジア部門の本拠地を上海に移して、香港、日本閉鎖、シンガポールも既に2年前撤退となりますと、この動向は個人的に?なんですよね。集約はわからなくもないのですが。
確か、中国A株を新興国株式ETFのVWOに組入れるのが他社より早かった印象はあり、受容的なものを考えると、中国市場を狙うのは当然でしょう。
ただし、現状の米中の情勢を考えるとこの動きは?ですね。
ラディカル・マーケットでは格差是正のために機関投資家の投資に規制をということで、バンガードとブラックロックは名指しで上げられてる状況。
さらにESG投資やSDGsの意識は求められる上に、米中が揉めてる状況。これで中国市場に突っ込むのは結構危険な気がしますがね。
とここまで書いてきましたが、バンガードのETFのおかげ(とくに運用開始初期から買ってるVTとBND)で資産を増やすことができたので、20年間営業したバンガードの日本法人には感謝しかありません。
インデックスファンドのシェアとか見ても乱立状況の日本は、大手3社寡占のETF市場とはちょっと旨味がないというのもあるかもしれないですね。


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