ファイザーのコロナウイルスワクチンの有効性の発表で、ヘルスケアセクターETFが大きく上昇しているかと思ったがそうでもない件
ファイザーとドイツのバイオ医薬ベンチャーのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンが、治験で高い有効性を示したことが9日に発表され、日米の株価も暴騰しました。
ヘルスケアセクター重視の投資をしている人間からしたら、これは結構ヘルスケア関連上がってるんじゃなかろうか?と思いまして、この1週間のセクター別の動きをパフォーマンスをまとめると以下の通り。
紫のヘルスケアセクター、緑のS&P500とほぼ変わらない。11/6起点にしてもヘルスケアセクターは目立って上がっておらず。
むしろ風が吹けば桶屋が儲かる方式で、生活必需品、資本財、エネルギー、不動産といったセクターが上がるという結果に。
短期間だとこんなものかと思うものの、もしかしてファイザーが上がったけど、他の企業下がったというオチもありそうだと思いまして、主なヘルスケアセクターの状況を確認してみました。
ファイザーの煽りを受けたのはアボット
11/6起点で主なヘルスケアセクター企業(ジョンソン&ジョンソン、ユナイテッド・ヘルス、ファイザー、メルク、アボット)の値動きを見ると以下の通り。

緑のファイザーは11/9の発表で暴騰。ただ、その後は利益確定の売りもあるのか下がってます。
ファイザーの発表の影響を大きく受けてると思わしきはアボットで、新型コロナウイルスの抗体検査薬を9月から発売開始しているのも関係してそうです。
ジョンソン&ジョンソンやユナイテッドヘルスもヘルスケアセクターやS&P500を上回ってました。
ちなみにファイザーCEOが保有株を売って利益を上げている模様・・これはワクチン開発してもちょっとなぁと思われかねないですし、インサイダーになりそうですが。
ファイザーCEOらも保有株売却、ワクチン期待で製薬株が急伸 - Bloomberg検索
米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は、保有する自社株の売却で約560万ドル(約5億9000万円)を手にした。新型コロナウイルスのワクチン期待で一部の製薬会社の株価が上昇しており、これら企業の幹部が保有株を売って利益を得る例が相次いでいる。
コロナを見て思うヘルスケアの需要と伸びしろ
もちろんファイザー以外の企業もワクチンの開発を進めてるでしょうし、これだけ感染者がいるわけですから、色んな会社のワクチンがあるのも今後に向けて必要だと思います。
で、今回思ったのはコロナのようなパンデミックが今後も起きうるなと。
それはSARS(2002~2004年)やMERS(2012年)がだいたい8~10年間隔でコロナが2020年。今後もこの周期で起きうることと考えた方がいいでしょう。
これを見てるとコロナで高齢者の死亡率の高い傾向は間違いなく、高齢化の進む先進国では一度問題が起きると大変なことになるのは明らか。需要や伸びしろは大いにあると考えます。
もちろんバイオ絡みで伸びしろもありますけど、それ以上にパンデミックが起きたときに相対的に強い面もあるので、個人的にはこれからも重視していきたいと思います。
ただ、ワクチンの開発となるとなかなか勝ち馬になるのを見つけるのは至難の業でもあるかなと。なので、手広くセクターETF、小型株も入ってるバンガードのヘルスケアセクターETF(VHT)で拾って行ければと考えています。


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