意外と誤解している投資家は多い?誤解だらけのアセットアロケーション
東洋経済の新刊は1ヶ月に1回は見るようにしているのですが、中には真っ赤かな思想の本もあり、経済雑誌なのにこれはいったい?と思うこともあります。
そんな新刊の中に「誤解だらけのアセットアロケーション」という本を見つけたんですね。
個人的にディフェンシブなポートフォリオを構成している中で、今後どうするべきかと考えるところがあったので購入して読んでみました。
資産運用の実務におけるアセットアロケーションにスポットが当たっていて、著者のキンロー、クリッツマンはステート・ストリートの研究部門所属で、ポートフォリオやリスクに関するリサーチを担当しています。
この本は米国で出版されたものをニッセイや野村関連のメンバーが集まった「アセットアロケーション研究会」が3年かけて出版した物です。
アセットアロケーションの実務にあたって、これまでアセットアロケーションに関していわれている通説を誤解として証明するのを数式を使って証明している内容が中心です。
内容的には大学の教科書的な感じになっておりますけど、なかなか興味深い内容でした。
アセットアロケーションに対する誤解
資産クラスとアセットアロケーションに関する基礎を説明した後、第2部でアセットアロケーションに関する以下の誤解されてる事項を1章使って説明しています。
- パフォーマンスの90%超えはアセットアロケーションによって決まる。
- 時間はリスクを分散させる。
- 最適化によるポートフォリオは入力値の誤差に対して極めて高い感度を持つ。
- ファクターを活用すれば優れた分散とノイズ低減の効果が得られる。
- 等ウェイトのポートフォリオは最適化によるポートフォリオよりも優れている。
文章で否定される場合もありますが、数学などを使って証明しているので理論的に正しいのがよくわかります。
ただ、結構難易度は高く感じる箇所もそれなりにあるかなという感じですね。
第3部では実務課題のアプローチということで、リスクや為替、レバレッジ、リバランスについて書かれています。
第2部と比較しても数式が詳細に書かれていると同時に、興味深いデータもありました。
数式がここまで書かれているとリスクも計算できるのではと思う
1988年以降、年間平均66%という驚異的なパフォーマンスを続けているルネサンス・テクノロジーズは数学者が中心となってるわけですが、これだけアセットアロケーションからみの式を見ますとそれも納得できるかなと。
同時にリスク関連が数式に表されてるのを見ますと、プログラムを書いて最適化を説くのが一般人でも学習すればできる時代になりつつあるなと。
リスク関連の距離とかの計算を見てると余計にそう思います。
それがいつもうまく行くとは限りませんが、ルネサンスは「市場や個人投資に影響を与える要素や変数は数多くある」から組み合わせを試してある程度あたれば勝てるんだろうなと。
仕事が忙しいせいでプログラム書くとかできないのですけど、投資と数学の組み合わせで試してみたいなと思うところがあります。


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