ニトリの働き方に見る超長期計画と先憂後楽の重要性
以前は千葉に住んでいたのですが、ニトリの店舗の近くに住んでいたためによくニトリに行ってましたね。
その影響で、家の家具や調理器具の大半はほとんどニトリですが。
ちなみにわたしに影響を与えた当時の同僚はさらにニトリにはまっていて、信者と言えるレベルまでいってました。
そんなニトリですが数年前引っ越して近くにない場所に住んでますし、あまりものをとっかえひっかえする人間ではないので最近は行けてません。
では、いま企業としてどういう状況なのかということで、創業者の似鳥昭雄氏の最新本「ニトリの働き方」を読みました。
似鳥昭雄氏の考え方と、その考えに基づいてニトリの社員がどう考えているかがまとめられてました。
部署も頻繁に変えてるようで、この会社で働きたいかというと社員が書いた部分読んでると微妙ではありますが。
個人的に読んでいて感じたのは「超長期計画」の重要性ですね。
ニトリの30カ年計画
似鳥会長は創業間もない1972年のアメリカに視察旅行に行き、人生観が変わったそうです。
その影響で1972年から「30カ年経営計画」を策定し、最初の10年で「店づくり」、次の10年で「人づくり」、最後の10年は「商品づくり・仕組みづくり」として、30年で売上は1.6億円から822億円にまで伸ばし、当初の目標であった「30年後に1,000億円」を1年遅れで達成しました。
その後、2003年に第2次「30カ年経営計画」を策定していて、2022年に1000店舗売上1兆円(2019年度600店舗、売上6400億)、2032年に3000店舗、売上3兆円を目指しています。
グローバルという感じではないですが、本の中に台湾の店舗の様子が詳細に書かれてますし、グローバル企業への思考は強いんだなと思いましたね。
ちなみに社員には30年や20年将来どうなっていたいかをまとめさせてるそうです。
で、ここまで超長期の計画立てる意味があるのか?という気がするのですが、「アマゾン化する未来」を読んでるとAmazonも同じように超長期計画で動いてる様子が書かれてました。
やっぱり先を見ることの重要性と同時に、超長期計画で「グランドデザイン」を見せておくことで、モチベーションや行き先が見えてるというのは会社で働く人間からしても大きいんだなと思いました。
5年計画しか見ない自分の会社が心配になるレベルですが。
先に苦労して、とにかくやる先憂後楽
チェンジ、チャレンジ、コンペディション、コミュニケーションの4Cを4本柱の政策としているのですが、とくに以下の4点の考え方は共感できました。
- やらないリスクは、機会損失がどの程度か。やるリスクは失敗した場合、どの程度損失がでるか。人は、リスクをとることで生まれる長期的な利益よりも目の前のリスクによる損失ばかりを避けようとしますが、リスクを避けているばかりでは圧倒的な一番にはなれません。
- リスクをとってチャレンジしたら、失敗もあるかもしれないが、「失敗を次に生かす企業ノウハウが、他社との差を生む」
- 先に苦労して後年から楽しもう
- 枝や葉を見る人は、「こんな木にしたい」と望み、木を見る人は、「こんな森にしたい」と望み、森を見る人は、「こんな山にしたい」と望み、全体像から逆算して一つ一つを設計していく。つまりグランドデザインをし、理想の山の姿を考え、どんな森にするか?どんな木に、どんな枝葉にするかを考えることが大切。
とくに先に苦労して後年から楽しむことと、とりあえず4割5割の出来でもとりあえずやるっていう精神は仕事以外でも大事屋と思いました。
わたしは夏休みの宿題を8月前半に終わらせる人間なので、とくに「先に苦労して後年から楽しもう」という思想に共感を覚えます。
ある意味セミリタイアの思想にも通じますし、今後も重視していきたいなと。
先憂後楽と似鳥氏は書いてましたが、こういう独特の思想は好きですし、だから日経平均の的中率も高いのでしょう(去年は外してますが)。
ともあれ働き方や生き方を考える上でも参考になる一冊だと思います。


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