ジョン・C・ボーグルの「人生のダイヤモンドは足元に埋まっている」から感じる「足るを知る」の重要性
バンガードの創業者であるジョン・C・ボーグルが2年前に亡くなったのですが、1月になりまして急に2冊ほど本が発売となりました。
洋書のタイムラグ的に2年くらい間隔が開くことはあるので、亡くなった後アメリカで販売されたのが日本でも発売になったということでしょうか。
これを書いてるの日曜に「航路を守れ」の方も届きまして、今週はこれを中心に読書を進めようかなと考えています。
「航路を守れ」の方は目次だけしか読んでませんが、「人生のダイヤモンドは足元に埋まってる」の方は、2008年頃の話が中心となっていてお金や仕事観、人生観といった内容。
「航路を守れ」は投資とバンガードの歴史がまとめられていてこちらの方がボリュームも倍という感じでした。
ただし、「人生のダイヤモンドは足元に埋まってる」を読み終えて思うのは、相場が高値更新するときだからこそ、「足るを知る」ってほんとに大事だなと気づかせてくれる内容でいいなと。
「足るを知る」の重要性
この本のテーマとしては終章に書かれているように「足る」ということになるかと思いますね。
本の全体的な内容としてマネー・ビジネス・人生の3章に関してボーグルの考えがまとめられています。
とくにマネーの「コスト」より「価値」、「投機」より「投資」、「複雑さ」より「シンプルさ」というのはインデックスファンドの発明者ならではといえるでしょう。
また、ビジネス面として2008年のリーマンショックの状況にものすごく嫌悪感を持ってるのが伝わってきまして、「計算」より「信頼」、「ビジネス」より「職業人の行動」、「販売精神」より「受託責任」というのはバンガード社の行動指針にも基づいてる印象を持ちました。
で、「足る」がテーマなのですが、基本的には「足るを知る」にいきつくかなと。足るを知るは前後に分があるのですけど、続きをまとめると以下の通り。
足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。その所を失わざる者は久し。
続きは努力を続ける人間はそれだけで既に目的を果たしている。自分本来のあり方を忘れないのが長続きをする上で重要なことであるという意味です。
継続性と足るを知るの組み合わせとして倹約→インデックス投資とも相性はいいんじゃなかろうかと。
加えて214ページに古代ローマの詩人ホラティウスが説いた道徳規範を引用しているのも印象に残りました。
黄金の中庸を養うものはだれであれ、廃屋の貧困からも、宮殿の嫉妬からも無縁でいられる
仮に定年まで勤めればわたしは億に行くかというレベルで資産増えてますけど、幸福考えるとそれはないなという結論なので、この規範につよく共感します。
つまるところ目指すところはほどほどの資産で幸福を目指すということなんじゃなかろうかと。
仕事が嫌な人はセミリタイアとかにもなるでしょうし、仕事で認められたいという人は専門性磨いて仕事頑張るということになるでしょう。
ボーグルも「成功ではなく幸福こそが成功の鍵」ということを説いています。ちなみに幸福を決めるのはお金ではなく「自主性」「人間関係の維持」「能力を活かすこと」の3点をあげていました。
アラフォーと言っていい年齢になってきたことで上記の3点の重要性は10年前の20代の頃よりも理解できてきましたし、共感度も高まってきました。この3点を追い求めていきたいなと考えています。
投資のパフォーマンスが好調な時だからこそ、「投資」や「幸福」、「人生」に関して見つめなおすきっかけになる一冊と思いますし、金融機関に長年勤めた人が行きついた境地を知ることは、金融機関とは無縁の人間も見習うところがあるなと思いました。


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