ピーター・ディアマンディス著、2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
一部で話題になってたARK社のイノベーションETF(ARKK)ですが、2月中頃に157ドルくらいまでいった後、現在は117ドルと2割以上下がっています。
一時期よりも取り上げてる人がいなくなった印象ですけど、個人的に5年10年スパンで待つのも重要なETFだと思います。
テスラの比率が高すぎるのはちょっと引っかかりますが何かあったとき他で補えるのか?
とはいえイノベーション関連が指数関数的に伸びる方向に一部賭けるのは悪くない手と考えていて、それを補完するために「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」を読みました。
著者のピーター・ディアマンディスはXプライズ財団CEOでシンギュラリティ大学の創立者でもあります。
NEWS PICKSから出てるのでハイテク、イノベーション、シンギュラリティ最高、ウェーイウェーイ的な印象も持つ一冊ですね。
個人的に読み終わって感じたことは以下の2点ですね。
日本のメディアが取り上げない分野の地殻変動をつかむことが重要
巻末に山本康正氏が解説として5点上げていて、その内以下は重要だと思いました。
- 各分野のテクノロジーの「地殻変動」をつかめ
- 日本のメディアが取り上げない分野こそが重要だ
- 科学的根拠とビジネスモデルに基づく知恵を身につけろ
ロケット関連は話題に上がることが多いですけど、ハイパーループとかはなかなか目にする機会もないので、追いかけておく必要はあるかと思いました。
また、日本のメディアに関してはコロナ関連もそうですけど、全く知識のないことに対して好き勝手言って何も責任取らなかったり、科学的知識を持った人間が不在なのではないか?と思えるところがあるので、自分で知恵をみにつけておくことは必要かなと思いました。
ライフスパンを読んだ後、「医療の未来」と「寿命延長の未来」には関心が強いのですが、詳細に関してはライフスパン読んだ方がいいでしょう。
広告、エンターテイメント、買い物に関してはこの方向に行くだろうなと思いますので、とくに買い物に関しての商品のパーソナライズ化の傾向は追っていいかと考えます。
加えて各分野の組み合わせでより技術革新が進むということは意識しておきたいですね。
量子コンピュータ、ロケット、ハイパーループなど面白いと思うが・・
量子コンピュータ、ロケット、ハイパーループ、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)など面白い技術だと思いますし、2030年と考えなければいずれ出てくる技術だと思います。
ただ、この本はちょっとポジティブすぎる感はあります。
ロケットに関しても着陸成功後10分経って爆発したのを先週見ました。確かにロケット関連はたとえ爆発しようがいくらでも打ち上げて実験できるのは大きいと思います。
とはいえ有人飛行が数年前の状況でこれというのは安全性でどうなるのか?というのはあるでしょう。
ハイパーループも思想は悪くないのですが、速すぎて誘導電流とかで車体にトラブル起きそうな気がしますし、リニアを改良していった場合との差はどうなのか?という気はしました。
そして一番気になったのが量子コンピュータ。これは動向追ってるのである程度わかるのですけど、IBMとかのマシンでも大規模計算ができず量子コンピュータで解ける有用な問題の模索をしている状況。
既存のスーパーコンピュータでやってる計算(例:マスクの有無のウイルスの拡散)をそのままできるような状況ではないので、量子コンピュータとできる計算の棲み分けになっちゃうのでこれはちょっと評価しすぎの印象です。
もちろん量子コンピュータとできる計算のプログラムなどが固まってくると加速するとは思いますけど。
ある意味長期的に見て10年後くらいい芽が出始めるっていう可能性もあるので、ハイテク関連でも長期的視野で投資する価値はある内容が詰まった一冊だと考えます。


フォローする Follow @garboflash
更新情報を受け取る

- 関連記事
-
- 制度的にも社会経済的にも2020年代に問題が顕在化?「2020-2030 アメリカ大分断」
- アパホテル躍進の鍵はカレーにあった!?「アパ社長カレーの野望」
- ピーター・ディアマンディス著、2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
- 「資産を作るための株式投資 資産を遺すための株式投資」を読んで思う投資における兵站の重要性
- 中神康議著:「三位一体の経営」を読むと、投資家思考を持った経営者は最強であると思う