戦略的ライフプランニングの重要性を説く「35歳の教科書」
わたしが入社した頃は転職するなら35歳が限界という話もありましたが、今の時代は変わってきているかと思います。
とはいえ健康診断の数値もおかしくなり始めてる人間が多数の年齢の中で、今後10年とか20年どうするか?っていうのは不惑の40歳が見えてきておかれた環境が異なれども誰しもが思うものです。
ということで、藤原和博氏の「35歳の教科書」を読みました。
藤原氏はリクルート時代にメディアファクトリーを立ち上げ、退職後は元杉並区立和田中学校校長という教育関連のキャリアを歩んでいます。
個人的には「10年後、君に仕事はあるのか?」をよんで、会社の中でのポジションニングというのは常に意識をしています。
最近働いていてよく考える。10年後、君に仕事はあるのか?を読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記
仕事で全く関係ない部署でも売上や利益が下がったとか言う話を聞いておりますと、10年後今の仕事大丈夫なのかな?と思えてきます。無論、自分の考えでは10年後でも需要がある仕事をしているつもりではありますが、お客様との付き合い方等色々と変わることは多くなることが容易に予想されます。...
藤原氏の意見を胡散臭いインフルエンサーが引用したりしてたりするのは困ったものだと思うものの、2009年に書かれた本の加筆修正されたこの本読むとなるほどなと思うところがありましたし、10年以上前にいまの時代を見抜けてると思いました。
戦略的ライフプランニングをすすめ
この本には、35歳以降の戦略はかかれていません。10代20代は割と根性論っぽく学べという感じで、30代は迷えと説きます。
その上で割く時間を意図的に短くして本を読む時間に充てたり家族と過ごす時間にしたり地域とのナナメの関係を築く時間にして人生を豊かなものにしようという内容です。
1章で成長社会から成熟社会に向かう中で、「多様化」「複雑化」「変化」が激しくなり、「みんな一緒」から「それぞれ一人一人」の時代になるので、人生の戦略が重要になるとのこと。
個人的にイギリスやフランスの成熟社会を参考にすべきというのは一理あるかと思いました。コンテンツも日本は持っていますし。
藤原氏は30歳でメニエル病を発症、以後5年間後遺症に悩まされ40歳で会社を辞めた後、47歳から5年間、義務教育では東京都初の民間校長を勤めた経歴からも説得力があります。
とくに会社に依存するなというのは病気になってるからこそ重い言葉だと思うんですね。
もちろんリクルート出身だからこそなんとかなったと思える面はあるかと。
「起業の天才」でも書かれたようにリクルートの社員って話していても普通の会社や研究機関、官公庁と異なって独特な空気を持ってる人間が多いように思えるレベルの「個」をもってるからこそ、藤原氏など他の分野に移っても活躍できる人が多いのでしょう。
本の中で出てくる「それぞれ一人一人」の時代だからこそ自分だけのキャリアが身を助けるというのは、仕事向かない人がセミリタイア目指すとかも包含してるんじゃないかと思いましたね。
戦略的ライフプランニングをすすめていますが、それはリタイアまでどう持って行くかをプランとして考えていいと思いますし、趣味とか投資とか副業とかも含めて色々と試しながら、「納得解」を探すというのも一つのプランニングではないかと読んでいて考えました。
その上でまずやってみるということやクリティカル・シンキングを重視した教育をやられてるのは納得できますし、これから「正解主義」ではなく「修正主義」の人生戦略や戦略的ライフプランニングで、走りながら修正していくという感じにやってくしかないだろうなと思いました。
まぁ、それはコロナのワクチン接種体制とかでも同様ですね。感染対策ももう少しできたと思いますが、割と修正しながらやってるからこそ、感染急拡大を抑えつつある傾向にあると思いますし、3波でやらかした東京が学んで4波は3波のピークの半分で済んでるのもあるでしょう(あの都知事は酷いと思いますけど)。
「情報編集力」「つなげる力」「クリティカル・シンキング」
最後に35歳の学力マップというもので20世紀から21世紀で「情報処理力→情報編集力」「おぼえる力→つなげる力」「自動的で素直な吸収→クリティカルシンキング」の重要なこととして以下が上げられていました。
- 情報編集力:試行錯誤の中で状況にあった回を探す「納得解」を導く。
- つなげる力:違う見方もあるかもしれない複眼思考を持つ。
- クリティカル・シンキング:工夫しておもしろいことができないか。
1番目は個人的に10年以上前に新入社員の時とは異なり、仕事上これを導くことこそ仕事を回すこつであり生産性向上であると思います。
また、2番目はデータを見る上でほんと重要で、テレビのコメンテーターの意見がほんとに正しいこと言ってるかチェックしようと本に書いてあるのはもっともかと。
3番目の思考をわたしは仕事で全く持てないのでモチベーションが上がらないのですが・・
それはおいといてこの3点投資方針を決める上でも参考になる面はあるかなと。
投資を続ける上で納得解はいりますし、複眼思考は「株が上がる上がる上がる」「1ドル50円」とか極端な例に走らず冷静に見ること大事ですし、ただ闇雲に積立ではなくバッファを持つ方が投資としては続けやすいかと。わたしの場合はボーナス投資は別腹的にやってますし。
ともあれ30代だけでなく20代にもオススメできる本ですし、セミリタイア目指す人は人生の戦略プランという意味で読んでおいて損はない本かと思います。


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