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「スウェーデン 福祉大国の深層」に書かれていた北欧の雄スウェーデンの現実

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北欧に幻想を抱く政治家や識者はそれなりに見かけるのですが、一方で移民の問題もあるなど問題点があるのも事実。

では、実態としてはどうなのかということで「スウェーデン 福祉大国の深層」という本を読みました。


著者の近藤浩一氏は神奈川県警入職後、オーストラリア留学を経てIT 企業で数年間勤務後、世界屈指のスウェーデンの通信機器メーカー・エリクソン社へ転職した異色の経歴を持つ人で、2012年にデュッセルドルフからスウェーデンに移り5G開発に従事しているそうです。

そんな近藤氏からみたスウェーデンの様子は幻想を打ち砕くレベルで影の部分も多いと思いなと思うのが第一の感想です。

加えて興味深かったのは国内の市場で1つの財閥が支配しているような状況になっていることですね。

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ヴァレンベリ家はスウェーデン証券取引所の時価総額の約40%の株を保有している


北欧というと格差が少ない福祉国家という印象がある人も結構いると思いますが、その実態は階層社会だなと思うレベル。

上位1%の富裕一族が24%の富を保有していて、ストックホルム証券取引所の約70%の株が15家族で独占されています。

さらにヴァレンベリ家はスウェーデン証券取引所の時価総額の約40%の株を保有していて、イケア創業者のカンプラード一族を3倍以上引き離していること。

ヴァレンベリ家

エコノミストでは「北欧のピラミッド」とまで書かれていて、日本の4.3%よりはるかに高く、富の配分はインド並みの格差社会。

元駐スウェーデン日本国特命全権大使の人によると日露戦争直後から現在にいたるまで、スウェーデン経済界の中核をなすのはヴァレンベリ財団と述べていて、政界にも影響力を持ちつつ、スウェーデン経済に大きな影響を及ぼしてきているそうです。

移民の問題やこういう格差の問題は日本では報じられないだけに、読んでいて意外だな思いました。

イメージしていた北欧とは異なる


本の中で、なかにはわたしがスウェーデンに対し否定的な人物だと考える方もいるかもしれないが、学生時代からスウェーデンに興味があったと書かれてますし、実際にエリクソンに勤務しているので、ある意味実情をよく描写していると思います。

同時に「光」と「影」の両方を知った上で、理想的な国家か判断して欲しいとも書いていました。

で、上げられていた項目見ると生産性とかは確かに他の欧州の国もと思いますし、難民とかも日本じゃ話題にならないけどそんなもんだろうなと。

  • 建設工事など時間がかかり、生産性がいいように見えない。
  • 高い失業率、機能しない失業プログラムの中で、コスト優先で毎年のように大規模リストラが行われる。
  • 本音を言わず主張もしない国民性。
  • 高い医療費、低い医療・福祉サービス。
  • 教育格差も広がって、教育レベルとともに子供のモラルが下がっている。
  • 環境ビジネスの影響で偽装商品や大量の二酸化炭素排出で矛盾している部分がある。
  • 実は軍事産業が栄えていて、世界中の紛争国にスウェーデン製の武器を輸出している。
  • 難民移民で人口増が進み、銃犯罪や治安の悪化が進んでいる。

移民については知ってましたが、国民性と軍事産業に関しては意外でしたね。

北欧の他の3か国(ノルウェー、フィンランド、デンマーク)はまた違った点もあるかもしれませんが、フィンランドも出生率がガタ落ちしてたりするので、似たような状況の面もあるかもしれません。

ともあれ生産性向上が叫ばれる中で、ほんとに北欧を見習えが正しいのか?こういう本も読んで判断する必要があるかと考えます。

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