アメリカ同様日本もローカル回帰が起こる?「ネットフリックス vs. ディズニー ストリーミングで変わるメディア勢力図」
昨年ディズニーCEOのロバード・アイガーの本を読んで、アメリカのメディアの動向などが気になっていました。
ディズニー帝国の内情が書かれた「ディズニーCEOが実践する10の原則」 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
コロナの影響でディズニーランドなども制限をかけながら再開している状況ですが、もちろん経営的には痛いものの、ディズニーが崩れるということはないでしょう。直近15年くらいでピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、20世紀FOXなども買収していて、文字通りディズニー帝国といっていいでしょう。ところが15年くらい前は創業者一族とのゴタゴタなどもあったのですが、そこから立て直したのが前CEOのロバード・アイガーです。...
では、その減った視聴者はどこに流れてるのか?
その辺の情報を知りたくて、「ネットフリックス vs. ディズニー ストリーミングで変わるメディア勢力図」を読みました。
著者の大原通郎氏はNHK入社後にBS放送の発足に参画。その後、TBSに移籍してニューヨーク特派員など海外ニュース記者を務めた経歴の持ち主で、TBS退職後は海外のメディア動向の調査・執筆を続けているそうです。
一昨年まではメディア関連の会合にも出席していて、トランプからみは反トランプが強すぎな感もありましたが、わかりやすくアメリカメディアの勢力図などがわかりやすく書かれてたと思います。
個人的に印象に残った点をまとめますと以下の2点でしょうか?
6大メディアコングロマリット
ネットフリックスだけでなくGAFAもメディアに食い込み始めてるなかで、ストリーミング対応や合併買収の動向がよくまとめられていました。
その中で、6大コングロマリットというくくりで、アメリカメディアの関連性がまとめられていました。

とくにディズニーは「ディズニーCEOが実践する10の原則」の流れを簡潔にまとめられてるなと思いました。
創業者の娘が継承したり、20年以上引っ張ってきたマードック帝国にほころびが見えていて、AT&Tとタイムワーナーも復活が遠い状況。
その意味で、コンテンツとテーマパーク持ってるディズニーとゲームや音楽なども持ってるソニーがこの中では強いかなと。
ただ、ソニーはストリーミングで微妙なだけにディズニーのストリーミングがどうなるのかは動向を追いたいですね。
日本もローカル回帰が起こる?
日本の今後という意味で、アメリカではCNN・ABC・Fox Newsからローカルニュース回帰が起きてるとのこと。
大原氏曰くBLMの暴動もローカル放送局の方が強かったとのこと。
で、個人的にこれは一理あると思ってて、例えば関東だと東京MXとか千葉テレビとかありますけど、基本民放がローカルニュースの範囲が広すぎるんですよね(NHK除く)。
例えばコロナワクチンなんかでも23区の予約状況はどうだとか、23区の感染者数と23区外の感染者数とか、そういうことを拾っていって放送する方が今後は需要あると思うんですよね。
とはいえローカルニュースは福岡の基準だと5月仕事で帰省したときにみてたら東京のニュースほど情報足りてない、古すぎるということはないのですが、それでもこんなコメンテーター使うの?というケースがあります。
そういう点を修正していかないと、旧来のニュース番組では若い世代がみてくれないでしょう。
TVerを巻き返し策の1つとして上げていますが、個人的にテレビ広告収入が下がった分を補填できるかというと、youtubeや他動画サイトより広告費用が高いと成り立つはずもなく、結構厳しいものがあるのではないかと思いました。
メディア産業の急変化はアメリカから遅れて日本でも起きうることですので、FAANGなどに投資する人も読んでおいて損はない一冊だと思います。


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