MSCIの指数がある東欧やバルカン半島、バルト三国の9か国の現状を調べてみた
アフリカ各国のMSCIの指数がないか調べたところ6か国しかありませんでしたが、個人的に評価の高いケニアの高いパフォーマンスなど興味深い結果でした。
「超加速経済アフリカ」でアフリカ各国の株式が気になったので、MSCIの指数がある6か国の現状を調べてみた - 関東在住福岡人のまったり投資日記
モルガン・スタンレーの新興市場部門・部門長ルチル・シャルマの本などを読むことがきっかけでアフリカの新興国、フロンティア区分の国にも個人的にはアンテナを張っています。その一環で「超加速経済アフリカ」を読みましたが、なかなか興味深い情報と新たな発見がありました。...
東南アジアもいいとは思いますが、個人的に各国の指数の構成とかみても善し悪しがあるという考えです。
で、東欧やバルカン半島の国ってMSCIの指数をみていたら旧ユーゴスラビアやバルト3国も指数があるんだなと。
ただし、単独でETFになってるのはポーランドだけで、ギリシャやトルコは南ヨーロッパという感じでしょう(ギリシャは一応先進国)。
ということで東欧、バルカン半島、バルト3国に含まれる新興国、フロンティア区分の国の指数の現状について調べてみました。
東欧、バルカン半島、バルト3国のパフォーマンス
調べた国は以下の9か国になります。チェコとハンガリー以外はフロンティア区分になります。
- チェコ
- ハンガリー
- ブルガリア
- クロアチア
- エストニア
- ルーマニア
- スロベニア
- リトアニア
- セルビア
フロンティア株ETFとかみてもルーマニア以外は組入れ上位ではないようです。
では、現状のパフォーマンスはどうなってるのか?MSCIの指数で調べてみました。
まずは新興国区分に該当するチェコから。

1930年代には世界第7位の工業国で、旧東欧諸国の中でも工業化が進んでいた地域のため、東欧の他国と比べても安定した成長率を維持しています。
主要の輸入輸出ともに隣国のドイツの影響が大きいのも特徴と言えるでしょう。
続いてハンガリー。

旧東欧の優等生とも言われていた時期もありますが、巨額の財政赤字も重要な課題です。
通貨もユーロの導入を目指しているようですが、実現できていません。
ここからフロンティア区分に移ってブルガリア。

GDPの規模は青森県程度ですが、教育水準が高く人件費が安いため、IT産業などで西欧諸国からのアウトソーシング受託が成長している模様。
パフォーマンスがいまひとつなのは、2014年EUから緊急融資を受けてるのが大きいでしょう。
続いてW杯準優勝もあるクロアチア。

一人当たりのGDPは旧ユーゴスラビア諸国の中ではスロベニアに次いで2番目に高く、隣国ハンガリーを若干上回るレベルで、結構経済力あるなという印象です。
続いてskypeを産み出しブロックチェーン、電子政府などでも有名なバルト三国のエストニア。

経済状況はバルト三国中で最も良好で、ヨーロッパのIT市場においてオフショア開発の拠点となっています。
ただ、その割に株式がプラスかというと予想よりもよくない印象です。
続いてフロンティア株の中で組入れ上位に顔を出しているルーマニア。

バルカン半島の旧社会主義国ではクロアチアに次いで高いのですが、第1次産業の人口が高い。
産油国でもあるのですが、その規模は限られているようです。
続いて旧ユーゴスラビアのスロベニア。

旧ユーゴの内戦から距離を置いていたため、交通輸送、エネルギーなどの社会的インフラを無傷で保持できて成長も早かった。このため通貨もユーロへも移行済み。
ユーゴスラビア連邦内では工業を担っていたのも大きい。
続いてバルト三国のリトアニア。

経済構造は知識集約型経済へと少しずつ着実に移行してきており、とりわけバイオテクノロジーやレーザー産業が特に盛んで、バルト三国におけるバイオテクノロジーの製造はリトアニアに集中しているそうです。
OECDにも加盟済み。
最後に旧ユーゴスラビアの中心セルビア。

エネルギー自給に関しては問題ないようです。中国からの投資が増進し、インフラ整備が進んでいるのは今後に向けて心配の種にもなるかもしれません。
以上、長々と9か国分調べましたが、チェコ、ハンガリー、スロベニア、ルーマニアあたりがコロナからの回復が顕著に表れている印象です。
個人的に経済的に伸びしろがある地域と考えますが、ネックは人口の構成なんかみても人口増が見込まれない地域であること。
その意味でアフリカほどの期待できないと思いますが、動向は追いかけてみたいなと思う国が結構ある印象です。


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