教養としての「中国史」の読み方で書かれていたが、投資に関しても中国との関わり方は「水の如し」がいいと思う
基本的に読む本としては投資・経済・歴史の3本柱なのですが、歴史に関しては比較的新しい年代ならば鮮度はそこまで差がないということで図書館を活用しています。
ただし、図書館の予約枠ってマックスで使い切ってるのでお気に入り的に登録して予約枠空いたら読むというような感じで回してます。
最近、教養としての「中国史」の読み方を読みました。
著者の岡本隆司氏は以前「世界史とつなげて学ぶ中国全史」を読んでいて、東洋史やアジア史が専門なのでわかりやすく遊牧民含めて網羅されてました。
世界史とつなげて学ぶ中国全史は、西洋史学観に縛られずに別の視点から中国を見直す一冊 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
香港の情勢が一気に悪化してて、実際に現地で撮られた映像を見ておりますと日本で報道されてるよりも深刻になりつつある印象です。香港というのは中国と西洋をつなぐ土地でもありますので、中国も簡単に強制排除できないというのが大きいでしょうね。そんな中国に関して現代中国に至るまでどういう過程を経てきたのかをまとめた、「世界史とつなげて学ぶ 中国全史」を読みました。..
中国との交わり方は、投資も交流も経済も「水の如し」がよい
儒教の成り立ちや唐宋革命から近代に至るまで網羅していますが、中国の明代以来の特徴として以下の3点を上げています。
- 官民乖離
- コミュニティへの強い帰属意識
- 1つの中国
とくにコミュニティへの強い帰属意識というのは興味深い事例で、だからこそ紅巾の乱や太平天国の乱が起きたことにもつながっていて、法輪功などの宗教を弾圧することにもつながってるのだなと。
同時にコミュニティが強いからこそ、香港や台湾が独立となると他にも飛び火しかねないのが清代末期からも明らかで、神経をとがらせてるのでしょう。
中国人はコミュニティに帰属しているために、バラバラで1つになりえないと岡本氏は指摘し、1つでないといけないという観念がバラバラになる恐怖を生み出し、その恐怖が独裁につながるというのは、共産党員があれだけ人口いる中で1割というのを見るとなるほどなと思いました。
それを踏まえて、日本人は官民一体が当たり前なのに対して、中国は士と庶、官と民が乖離している二元社会なので日本人中国人互いに理解できないのは当たり前だと。
だからこそ深入りせず必要最小限しか交流しない「水の如し」が適切な関係と説きます。
個人的にこれは投資や経済にも当てはまると思うんですね。
市場はでかいけど、いろんなリスクがあるというのは以前から言われてましたが、ウイグルの問題なんかはますます問題になるでしょうから、深い関係築くと、いざ引き上げようとしたら脅されてできないもあるかと。
なので必要以上に踏み込まず水の如しでつかず離れずはベターじゃないかと。
これは投資にも当てはまっていて、アリババとかテンセントなんかでかくなりすぎて逆に政府から横やり入れられるのを見たら、投資で中国企業に踏み込むのはリスクあるかと。
AIとかハイテクに関する研究も官の方に吸収されそうな気がしますし。
それを踏まえると投資に関しては新興国株式ETFなどで分散して深入りしないというのがベターじゃないかと考えます。
読み終わったタイミングでアフガニスタンでタリバン支配が復活していますが、中国がタリバンと交渉したりしててパキスタンだけでなくアフガニスタンにも影響力を持とうとしているという指摘もありますが、アフガンに手を出した国はいずれも失敗してます。
歴史に学ぶとウイグル問題にイスラム過激派が交じって悪影響が出る可能性もあるかもしれません。


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