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投資哲学・投資理論

「期待リターン」に書かれていた株式モメンタムに関する膨大な文献から得られる見解

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先週アンティ・イルマネンの「期待リターン」に関して紹介しましたが、ファクター投資の研究結果を10年前にまとめていて、割と当時としても先進的な本だったと思います。

で、ファクター投資ですから個人的に重視しているファクターに関する記載も多く載っていました。

「期待リターン」はファクター投資を研究結果をまとめた一冊 - 関東在住福岡人のまったり投資日記

個人的に年に3~5回はお高めの投資本を買って読むようにしています。割と投資関係者向けの本も多いですが、投資に使える指標とか考えは参考になると考えています。...

もうちょい新しめのデータが増えてるとありがたいなと思う面もありましたが・・

とはいえ個人的に「モメンタム」ファクターに着目していて、実際にMTUMやIMTMというETFにも投資している人間として9章の「コモディティ・モメンタムとトレンド投資」はコモディティだけでなく、株式に関しても記載があって興味深かったです。

株式に関して内容をまとめると以下の通りですね。

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株式モメンタムに関する膨大な文献から得られる見解


9章の最後にまとめてあったので、それを抜粋すると以下の通りです。

  • 銘柄間における過去のパフォーマンスは、数ヶ月のモメンタムの他、短期及び長期のリバーサルに依存している。
  • シミュレーション上で最も強い結果は、過去1ヶ月のパフォーマンスが高かった銘柄群が、低かった銘柄群を次の1ヶ月間にアンダーパフォームする傾向である。この1ヶ月リバーサル効果はニュースに対する株価の過剰反応といった市場のマイクロストラクチャーによるものと考えられ、最も有力なのは大量取引によって引き起こされる価格変動である。
  • よく用いられているモメンタム指標では、短期のリバーサル効果に影響されないよう直近1ヶ月のリターンを除く。たとえばケネス・フレンチのデータライブラリのモメンタムファクターは12ヶ月前から1ヶ月前までの株価リターンに基づいて計算されている。
  • ラグをとって5~1年前のリターンに対する長期リバーサル効果もある。これは直近1年のモメンタム効果の裏返しと見なされる(過剰反応の後に生じる公正価格への回帰)
  • モメンタム戦略のコスト控除前のグロス利益は、他のどのクロスセクションのファクターよりも大きくまた持続性があった。しかし、シグナルの動きが遅いバリュー戦略に比べてモメンタム戦略の回転率や取引コストは非常に高くなりかねない。
  • より長めの参照期間を用いてモメンタム戦略のシグナルを構築することによってこの問題を緩和することは可能だが、これにより長期リバーサルの期間が始まった後にもポジションを保有し続ける危険性が高まる。
  • 過去の月次リターンを4半期や年単位などの時間単位で見ると、興味深い周期性のパターンが現れる。個々の月についてモメンタムのロングショートポートフォリオをつくって調べると、直近の月のリターンと最も強い制の関係を持つのは過去12ヶ月間のリターンであり、順に6ヶ月、9ヶ月、24ヶ月、36ヶ月、48ヶ月、60ヶ月のリターンが続く。この減少は決算発表月以外にも当てはまる。
  • 株価モメンタムと収益モメンタムは密接に関係しエチル。このパターンは明らかに投資家の過少反応を連想させる。株価モメンタムと収益モメンタムの効果はSECによる帰省が始まった2000年10月以降弱まっている。
  • 市場間の先行・遅行の関係を見ると、流動性が高い中核の市場から流動性が低い周辺の市場に波及する傾向がある。情報は大型株から注目度が低い小型株にゆっくり伝播し、後者は評価が難しい。株価に対する明確なバリュエーション基準がないとトレンドが形成されやすく、取引コストが高ければミスバリュエーションに対する裁定取引が困難になる。また、ボラティリティが高くクレジットリスクが高い企業や、収益予想にばらつきがある株式で、モメンタム戦略の利益はより高い。
  • モメンタムの利益は市場が上昇して投資家が楽観的なときに、より大きいように思われる。
  • 楽観的なセンチメントが投資家の過信を増大させ、上昇モメンタムを形成する。市場が下落して局面が変化し、ボラティリティ(市場ボラティリティや銘柄間のばらつき)が高まると、モメンタムの利益は小さくなる。
  • モメンタム戦略は2000年代に入って収益性が低下したものの、数十年物間継続的に明らかに高いパフォーマンスを上げてきた。しかし、1932年のトレンド変化を再現するかのような2009年の春、株式モメンタム戦略は大きなドローダウンに苦しめられた。金融市場が危機的状況から脱して市場の信頼が回復すると、前年の勝者株(ディフェンシブ、クオリティ、グロース)が敗者株(高リスク株、ジャンク株、バリュー株)を大幅にアンダーパフォームした。

備忘録として記録しましたが、やはりモメンタムを期間で見るといろいろと難しさがあるのがよくわかりました。

レラティブストレングスで割と期間を区切って調べても売買のフラグが数ヶ月連続で変わることがあるのでなかなか難しいところがあります。

本の中では空売りとかも絡めた戦略も紹介されてますが、それもまた難易度高いかなと思います。

ただ、データ的には2010年までという制約があるので、2010年代どうだったのかというのは気になりますね。

半期に1回ファクター別のETFのパフォーマンス確認していますが、モメンタム関連は割と浮き沈みがグロース株とかよりも大きい印象がありますし。

ちなみに他の資産に感しては以下の見解でした(流動性が高い58の資産で単純な戦略が利益をもたらすという結果もあるようですが)。

  • 債券に関する国のアロケーションはもっともモメンタム効果が低い。単一国内での相場の方向に依存するのが明白。
  • 通貨は以前は効果が明白だったが直近では戦略の有効性が見られない。
  • オルタナティブ資産でもパフォーマンスに持続性が見られる。
  • コモディティでも有効。

加えて株式は以下の見解が補足されてました。

  • 株価には過去のパフォーマンスに依存する傾向があり、数ヶ月の期間では強いモメンタム効果が見られるが、それよりも短い期間または長い期間ではリバーサル効果が見られる。
  • モメンタムは個別銘柄要因で説明できる部分と業種要因で説明できる部分に分かれる。個別銘柄要因によるモメンタムと違って、業種に起因するモメンタムは非常に短い期間について機能する。また、株価指数先物を使ったトレンドフォロー戦略はほとんどの国で利益を上げられる戦略で、モメンタムは国のアロケーションでも機能することになる。

という風に割と株式のモメンタムETFへの後押しとなる内容が多めかなと。

2010年代の結果がどうだったのかは気になりますが、個人的にはMTUMやらIMTMを使って株式のモメンタムETFに投資して恩恵にあずかる方針で投資を継続したいと考えるだけの内容でした。

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