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投資哲学・投資理論

21世紀のロンバード街で解説されていた、コロナショック時に中央銀行が金融危機を防ぐためにやったこととは?

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年末年始は外食に行く機会はあるものの、帰省やらで移動時間もあるので本を10冊くらいは読む機会となります。

今年の年末年始の帰省(出張兼ねていて今週もそれなりに移動時間がある)で読んだ一冊の中に、「21世紀のロンバード街」があります。

この本では、中央銀行の役割が「最後の貸し手」から「最後のディーラー」へ変容している様を解説しています。

個人的に以下のシャドーバンクに関する意見は興味深かったですね。

  • 市中銀行が預金を集めて長期融資したため、この債権を現金に変えるマネーマーケットが必要になり、間接金融から直接金融へと移行していくことで、シャドーバンクが完成した。
  • シャドーバンクは中央銀行、市中銀行に次ぐ証券ディーラーとして金融階層の最下層に位置するが、規制が多い市中銀行では満たせない資金需要の受け皿として重要な役割を担うに至っている。

この本は2011年の本で序論を改訂したものですが、巻末にピケティの本の訳でも有名な山形浩生氏がコロナショックに関して解説している「コロナショック時に中央銀行が金融危機を防ぐためにやったこと」がとくに印象に残りました。

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コロナショック時に中央銀行が金融危機を防ぐためにやったこと


2021年はときどき値動きが激しくなる時はあったものの、ほぼ平穏な相場の1年となりました。

これもコロナショック後、ほんとに一時的に急落したもののそのご急回復して最高値更新した相場によるところです。

で、コロナショックでは、リーマンショックのように上述した市中銀行が住宅ローンを小口証券化し、これを機関投資家からの借金(投資信託)で購入→シャドーバンクが金融資産を膨らませる一方、このマネーマーケットから流動性が枯渇すると金融危機になってないように見えていました。

ところが山形氏によると以下の経緯があり、中央銀行が適切に立ち回ってコロナショックを乗り切れたと。

  • コロナ前に世界の貿易は空前の高まりを見せて、ほぼすべてドル建てになっていた。アメリカがまったく介在しないところで巨大なオフショアドルが流通していた。
  • コロナのいちばん最初で中国全土に厳しい統制が敷かれたとき、対中国貿易が一時完全に止まったことで、反対方向に流れる支払いのお金が止まった。そのお金は基本的にドル。
  • このため世界中で決済用のドル現金確保の動きが一斉に起きた。
  • 米国債市場がまずおかしくなり、世界で最も安全な資産だった米国短期国債が叩き売られた。
  • マネーマーケットで流動性を提供していたのはかつての銀行子会社だったシャドーバンクではなく、ヘッジファンドが米国短期債とドル現金との間でキャリートレードを行い、流動性供給の源となっていたが、そこが破綻した。
  • そこでFRBはレポ市場へのてこ入れを行い、市場を支えた。
  • 米国内だけでなく外国のレポ市場も支える仕組みを作り、同じくドル流動性の資金源となっていたETFも買支え、ETFの裏付けとなっている高イールドな車載まで買い支えた。
  • 世界各国への流動性スワップも大幅に発動して、他の中央銀行を通じたドル資金供給が即座に行われた。
  • 世界金融危機のような場当たり的な対応ではなかった。

メーリングも序論でコロナ危機はFRBが最後のディーラーとしての役割を果たし、金融危機を救えるかどうかという、リアルなストレステストだったと書いてます。

そしてFRBが上手く立ち回ったおかげで世界金融危機は回避できたという意味で少なくともFRB議長はよくやったといえるでしょう。

各国中央銀行との連携もうまくいった事例になるという意味では、今後の同様の金融危機的なものがあっても乗り切れる可能性もあるかなとポジティブにとらえることができますし、長期投資をやる人にとっては一定期間耐えれば・・というのが理解できるんじゃないでしょうか。

とはいえFRBなどの中央銀行が毎回うまく立ち回れるというわけもないでしょうから、その点は全幅の信頼を置くというのも違うかと思いますが。

今年後半からインフレや金利に関するトピックスが増えている印象がありますけど、そちらの方もFRB筆頭にうまく立ち回ってもらいたいところです。

個人的に今後急落するときにFRBが市場を支えるメカニズムを知ることで、底で投資をするという意味で参考になる面のある一冊かなと思いました。

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