バランス型ファンドの人気が急落したFund of the Year 2021
Fund of the Year 2021の結果が土曜日発表されました。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」
8年連続で投票していますが、去年からの流れを見ているとeMAXIS Slimが強いのは変わりませんけど、SBI・Vシリーズが存在感を高めた感がありました。
eMAXIS Slim表彰台独占が崩れたFund of the Year 2020 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
Fund of the Year 2020の結果が土曜日発表されました。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020」かれこれ7年連続で投票していますが、去年からの流れを見ているとeMAXIS Slim1強が近づいている感がありました。...
順位と、ファンドのコスト、純資産総額をまとめますと以下の通り。
順位 | ファンド名 | コスト | 純資産額 |
1 | eMXIS Slim全世界株式(オールカントリー) | 0.093% | 4004億円 |
2 | ニッセイ外国株式 | 0.10% | 3567億円 |
3 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 0.08% | 2億ドル |
4 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.097% | 9308億円 |
5 | iFreeレバレッジ NASDAQ100 | 0.99% | 1686億円 |
6 | eMAXIS Slim 先進国株式 | 0.106% | 2869億円 |
7 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | 0.57% | 2919億円 | 8 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.162% | 4516億円 |
9 | たわらノーロード先進国株式 | 0.11% | 1644億円 |
10 | SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 0.09% | 501億円 |
個人的に結果の注目点をピックアップすると以下の2点ですね。
バランス型ファンドの人気が急落
上位を見て思うのはまず全世界株式か米国かという2択になっていて、バランス型ファンドがセゾンバンガードグローバルバランス以外いなくなりました。
そのセゾンバンガードに関しても順位は4位から7位と下げていて、資産の増加に関しても他と比べて小さいです。
上位3ファンドは固定で人気がついていますが、それ以外はその時々のパフォーマンスに影響を受けて米国株優勢の傾向はあるでしょう。
まぁ、去年は全世界株もパフォーマンスよかったのもあるのでしょうけど。
逆にパフォーマンス良くなかったひふみは急落してますし。
ただ、ここまでバランス型ファンドの人気が下がるとなると、確かに金利が上がるから債券あかんというのはわからなくもないのですけどなにかのフラグな予感がします。
個人的にはeMAXIS Slim 8資産均等型はもっと評価されていいと思いますがね。
iFreeレバレッジ NASDAQ100 5位でリーマンショック時のNASDAQ100のレバレッジをかけたデータを見てみると・・
こういう人気投票にレバレッジ型が5位まで上昇するとは思わなかったのですが、フラグっぽさを感じるんですよね。
別にレバレッジをかけるのは自己責任だと思いますけど、それだったらS&P500の方がとは思います。
確かにJASDAQと違って大手企業が残留しているNASDAQに投資するというのは、日本株とはちょっと違うのはあると思いますが、ITバブルという事例がある中で全力でレバレッジ投資するのは違うかなと。
ライフサイクル投資術が出たあとくらいから(なぜか原著が出た10年後に出版された)レバレッジ型が盛り上がってる感じがありますが、競馬場に連れて行ったら意見聞かずにオッズがつくからという理由で賭けちゃう人と同じ空気を感じます。
ちなみにレバレッジ型でコストが10倍近くかかってますが、以下のニッセイの研究所の記事によると、リーマンショック時のNASDAQ100のレバレッジかけた結果は以下の通り。
資産形成に向かない株式のレバレッジ型~2021年11月の投信動向~ |ニッセイ基礎研究所検索
2021年11月の日本籍追加型株式投信(ETFを除く。以降、ファンドと表記)の推計資金流出入をみると、11月は外国株式に7,900億円の資金流入があり、ファンド全体でも1兆400億円の資金流入となった。10月の6,...
8割減で戻るまで6年かかる間を耐えれる精神力があると認識してやるのならば問題ありませんが、リーマンショック後の5年のような再現性があるかというと100%ではないわけです。ナスダック100を例に2007年11月以降のリーマン・ショック時の下落とその後の回復局面をみた【図表5】。指数自体(黄線)は2011年初に、3年2カ月で元の水準を回復している。それに対して2倍の場合(赤線)は2012年4月であり、約4年半かかった。3倍の場合(紫線)に至っては、2013年11月であり6年かかった。このシミュレーションではコスト面を考慮していない。レバレッジを活用しているほど信託報酬が高く、さらに為替ヘッジのコスト等もあるため、実際には回復がさらに後ずれしただろう。
このように株式は元々、価格変動が大きく、レバレッジをかけるとさらに大きくなる。レバレッジを活用した株式ファンドは株価が上昇しているときは良いが、サブプライム、リーマン・ショックのようなことが起きると悲惨な状況になる。そのような商品をバイアンドホールドする場合、暴落等のショックが来ないことを祈りながら保有し続けることになる。それゆえにレバレッジを活用した株式ファンドは長期投資・長期のバイアンドホールドが基本となる堅実な資産形成には向かず、あくまでも短期の売買向けの投機的な商品といえるだろう。
これを少なくとも6年耐えるにはゼロがいいゼロになろもう1回くらいの精神が必要じゃないですかね?
ともあれこのランキングでバランス型ファンドとレバレッジ型の順位が来年どうなってのかいまから気になるところです。


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