プロ野球「経営」全史を読むと、MLBとの差は新陳代謝にあるように思われる
残業規制となんとか繁忙期の峠は越えたので、読書のじかんを 確保できるようになりました。
ちょうど冬季五輪が開催中ですし、メジャーなスポーツは春に向けて開幕が近づいてきているので、タイミング的にいいスポーツの本を読んでいます。
とくに歴史的な本を2冊読んでおりますが、イタリアサッカーの移籍市場の内情が書かれた「カルチョメルカート劇場」はイタリア外でもいろいろなことが起きていて面白かったです。
さて、もう1つは日本のプロ野球の経営に関する本で、100年以上前のリーグ成立までの至る過程や、オーナー総計55社のならましと身売りに至るまでが描かれています。
阪急・阪神の100年にわたる因縁からの阪急球団身売り後統合しちゃってる過程なんかはなんの因果かと思うのですが、100年単位の変遷、戦後80年近くのリーグの歴史を見ていくと、MLBとの差は新陳代謝にあるんじゃないか?と思われるんですね。
映画・新聞・鉄道会社から時代に合わせた企業への身売りは起きているが・・
2リーグ成立後映画・新聞(毎日・産経は撤退)から食品関連(日本ハムやヤクルト、ロッテ)に1970年代に変わり、21世紀になってIT企業参入と新陳代謝は起きてはいます。
鉄道も当初は5社だったのが2社(阪神、西武)になってるわけですし。
ただ、いかにも日本的だと思うのは結局参入障壁があって新陳代謝が進んでいるかというとなんか違うかなと思われるんですよね。
もっともライブドア参入騒動に近いのですが、日ハムに至る過程や西武ライオンズの埼玉移転の厳しい状況があるので参入障壁があるのはある意味間違いでもないわけですけど。
MLBの名門ドジャースが2012年3月にオーナーがグッゲンハイム・グループに替わったことで、2013年~2020年地区連覇した上に、1988年以来の世界一に輝いたのを見ますと新陳代謝が重要なのでは?と思うんですよね。
レッドソックスとイングランドプレミアリーグのリバプールは同じオーナーですが、両方とも直近の成績がいいという事例もありますし。
で、話は日本のプロ野球にもどるわけですが、新陳代謝した方がいいのでは?っていうオーナー企業あるよなと。
もちろん鉄道が古くなった業種といっても阪神と阪急は統合して規模大きくなっていたり、新聞といっても読売グループでテレビとか含めシェアトップとかなら問題ないでしょう。
とはいえ12球団に目をやるとセリーグだとローカルな新聞(且つ規模が読売の半分もない)の中日とか、パリーグだと韓国関連やらオーナー関連で火種抱えてるロッテはこの先大丈夫?というのがあるんですよ。
そういう企業を緩やかに変えていって安定成長するっていう考えを持った方がいいと思うんですけどね。
MLBと日本プロ野球の年俸遷移を見ても明らかにMLBは加速を続けているわけで(ストも起きますが)、国際化の必要性は少ないといっても年俸を選手に寄り還元する、収益を上げるという視点が必要じゃなかろうかと読んでいて考えました。
これは日本企業全般にもいえるのかもしれませんが。とくに経団連とか。
ともあれプロ野球の経営の歴史と流れを見る上で面白い一冊だと思います。


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