バリュー投資の深さに気づかせてくれるゴータム・ベイドの「バリュー投資達人への道」
投資関連の本を読むことが多いのですが、共感することが多いのはバリュー投資家が多いかなという印象があります。
そんな中、これは分厚いけど深いなぁと思ったのが、ゴータム・ベイドの「バリュー投資達人への道」です。
ゴータム・ベイドはシティグループで世界各地の各拠点を歴任した後、資産運用会社のポートフォリオマネージャーを務める人物です。
バリュー投資に関する考察などをまとめた本で、「勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語」のガイ・スピアがまえがきを書いているのも納得の内容です。
バフェットとの65万ドルのランチをした男とは?勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語を読んで - 関東在住福岡人のまったり投資日記
パンローリング社の書籍の中で前から気になっておりましたが、タイトルがやや誇張されている感じがしたので買うかどうか迷っておりました。しかし、概要を見る限りは内容が面白そうなので買って読んでみました。内容を簡単に説明すると悪徳投資銀行に入社してしまったハーバード卒のエリートが、バリュー投資家として成長していく過程が書かれた本です。...
個人的に印象に残ったことをまとめますと以下でしょうか?
バリュー投資は哲学に通じる
この本に関しては投資の事例も出てくるものの、哲学や科学、宗教、心理学などを学んで、あらゆる角度から考えられるセンスを身に着けることが長期的に勝ち続ける秘訣と説きます。
釈迦、孔子、老子の言葉が引用され、東洋的・複合的な視野に立った投資を勧めていて、あわせて経済的な自立と自由の大切さを強調して「自由とは時間を自分で管理できることで、貯蓄の目的もそこにある」と主張しています。
投資に関しての記載は「ミスターマーケット(株価の変動)を敵ではなく友人とみなす」「投資で最も大事な言葉は安全域」「新しい情報や出来事は、将来の金利と会社の本質的価値への影響という観点からのみ評価する」「長期間の複利の威力を利用する」といったバリュー投資の基本を解説しているのが中心です。
バフェットやマンガーだけでなく、ピーター・リンチやハワード・マークス、フィッシャー、グレアムなど心構えや先人に学ぶ大切さや継続して学ぶことの大切さなど色々学べます。
難しい数式や図表などは少ないのですが、同時にその内容を突き詰めるのは相当に難しいことが多い印象でした。
個人的に以下の投資の図は全ての投資に通じるかなと思いました。

最初の方の記載で、努力し続けることの大切さを説いてる箇所でしたが、バリュー投資というのはまさにこれだよなと。
twitterなんか見てるとどう考えても戦争やらインフレ起因なのにアベガー、スガガーの人と同様に株価下がるとキシダガーといってる人や、急な円や進むと騒いだり記事タイトルで煽ったりする人を見かけるのですが、この図のようにもう少し長期的視野を持った方がいいと思う今日この頃です。
割と行動に関する記載も多く載ってますが、以下の図もその通りだよなと。

個人的には為替が株式の価格よりも値動きが読めないと考えているので、むしろそれ以外で現状の円安進行の投資でどう対処するかを考えた方がいいということを表してると思うのです。
ともあれバリュー投資や複利を考える上でオススメできる一冊だと考えます。


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