セバスチャン・ペイジ「分散投資を超えて」に書かれていた、ライフサイクル投資のアセットアロケーション
「分散投資を超えて」を先日紹介しましたが、著者のT・ロウ・プライスのセバスチャン・ペイジ氏はグローバルマルチアセット部門のチームを統括している人物。
リスクはリターンよりも予測しやすい?セバスチャン・ペイジ「分散投資を超えて」 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
有名な投資関連本は読みつくした感じですので、数か月に1回くらいに当たりの投資関連本引くなというレベルになってきました。ですので、以前ほどAmazonで買う機会も減ってきたのですけど、今年の1月くらいにオススメで表示された「分散投資を超えて」は面白そうなのでポチって、ようやく仕事が落ち着いたゴールデンウィーク中に読みました。...
で、そんなセバスチャン・ペイジ氏は巻末で、本お腹で解説してきたげんそくを 幅広く取り入れた戦略的アセットアロケーションを紹介しています。
ターゲットデート・ポートフォリオということで退職前・後の年数を軸に書かれてましたが、なかなか興味深い内容でした。
ターゲットデータ・ポートフォリオ
退職前後の5年、15年、20年を起点として年齢が上がる毎にリスクを縮小していくターゲットデータ・ポートフォリオは3pに渡ってました。
まず株式のコアの部分ですが、米国株は小型・中型・大型にバリュー・グロースとかなり細かく分けて投資しているのが特徴的。

海外先進国もバリュー、グロースに分けて投資する方式を採用しています。
債券に関しても275ページまで及びますが、新興国債券から物価連動国債まで投資。

ヘッジ外債やハイイールド債まで投資しているんですよね。
で、肝心のリターンはというと以下の通り。

退職前20年時点のリターンがだいたい過去10年で7.8%程度、ボラティリティ10.7ならば個人的にはいいポートフォリオと思いますし、退職後20年時点で10年リターン4.9%、ボラティリティ4.2%にシフトするのもよく考えられてるなと思いました。
ちなみにこのポートフォリオを組んだ効果として以下が上げられてました。
- ハイイールド債券や新興国債券などの資産クラスは長期的なリスク控除後の高いベータリターンと豊富なアルファ機会の両方を提供する可能性がある。
- 中小型株に多めに投資しているのも同じ理由。
- インフレは依然としてテールリスクであると考えていて、戦略的アロケーションをしている。
- リアルアセットはインフレ環境下で高いパフォーマンスを発揮するグロバル株式(金属鉱業、貴金属、REIT、エネルギー企業)
- 株式はポートフォリオにおける成長エンジンである。
- 株式の比率を上げるとボラティリティは上昇することになるが、長期的には株式への配分によって利益を得ることができる。
個人的には小型⇔大型はわかるけど、中型株をここまで必要かというのは気になりましたので、別の機会で調べてみようかなと思っています。
ハイイールド債券や新興国債券は個人的には投資してるけどとくに前者は大した口数持ってるわけでもないので、売却も考えてたりしているのですが、これを見るとしばらくホールドかなと考えてます。
インフレという過去10年の出来過ぎ相場とはちょっと空気が変わる可能性があると思いますので、幅広い投資という意味で参考にしようと思っています。


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