本当の年金未納率は2%?「知らないと損する年金の真実」
年金に関しては一部識者やマスコミが不安を煽りすぎてる一方、現実的にはいまの30代は年金以外の資金もという考えになるかと思います。
そんな中、2022年対応と書かれてたので、何か変わったこともあるのか?と思いまして、「知らないと損する年金の真実」を読みました。
著者は「となりの億り人」など書籍多数の大江英樹氏でしたので、年金の不安を煽る本とはちょっと違う切り口が読めるかと思ったんですね。
「となりの億り人」に書いてあった億り人の思考・習慣・行動 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
連休中に大江英樹氏の「となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」」を読みました。...
本当の年金未納率は2%?
個人的にそうなん?と思ったことも含めて、ピックアップすると内容は以下の通り。
- 世代間対立を煽って年金の不安を煽る三悪人(マスコミ、金融機関、野党)は、悪意をもっておらず、いずれも自分たちの利益を最大化することを目的に行動している。
- 年金は貯蓄ではなく保険であるので、損得を考えても意味はない。
- 年金は自助でも公助でもなく共助
- 赤字なのは国の一般会計で、年金財政は赤字ではない。
- 外国に比べても年金積立金の額は多く、イギリスやドイツは2ヶ月分、フランスに至ってはほぼない。
- 国民年金制度ができたのが1961年で、70歳以上の人たちは親を養いながら年金保険料も払う二重の負担をしていたので、高齢者が得をしているわけではない。
- 20代の若者でも払い込んだ保険料の倍以上が受け取れる。若者の腹依存は国や会社が負担する保険料も含めてる可能性がある。
- グリーンピアの3000億円損した問題が叩かれたが、2005年当時の年金積立金は150兆円もあり、150万貯金を持っている亭主がパチンコで3000円負けたようなもの。積立金の活用のガバナンスの問題。
- GPIFの運用は悪くなく、資産規模がでかい割に職員数が他国と比べて少なく効率的な組織。
- 本当に年金未納率は、サラリーマンは未納とならないため、1号被保険者から納付者と免除者・特例猶予者を除いた125万人で、公的年金の加入者で割ると1.85%。
- 65歳以上の1人に対して、65歳未満が何人いるかの図で年金危機が言われるが、働いてる人と働いてない人で見ると、1970年1.05人→1990年0.96人→2020年0.89人→2040年0.96人とそこまで変化していない。
- 年金の賦課方式は寿命が延びても若い世代がみんないなくならない限り、年金の支給は可能だが、積立方式の場合原資が枯渇する懸念が出てくる
- 加えて40年分くらいの金額をプールしておかないといけないが、規模が日本のGDPの3倍になり、巨額の資金を運用リスクにさらすことになる。さらに積立方式でも少子高齢化の影響は逃れられない。
- 年金は百年安心といったのは政府でも厚生労働省でもなく公明党の議員が選挙中にいったこと。積立金が100年を基準にして活用されていることを誇張した?
- 年金の財政検証は未来予測ではない。
- 公的年金は所得再分配機能という格差是正の役割がある。
- 公的年金では、①より多くの人が制度に参加すること、②公平であること、③経済が成長することの3つが重要。
割と厚労省に好意的に書かれてるのでイラッと来る人はいるかもしれません。
また、年金は貯蓄ではなく保険というのはその通りで、自助でも公助でもなく共助というのもその通り。
何故か前政権が自助という言葉で叩かれましたが、年金の不安を煽る三悪人と同じことでしょう。
個人的に印象に残ったのはグリーンピアの件と65歳以上の1人に対して、65歳未満が何人いるかの図or働いてる人と働いてない人図の比較ですね。
グリーンピアに関してはカスパースとかも不動産やらコモディティやらプライベートエクイティに投資しているわけで、不動産収入的なことを考えると、ありだったのかもなという気もします。
ただ、誘致とかで政治が絡んでガバナンスの問題になってるのがよろしくなった側面が強いかなと。
65歳以上の1人に対して、65歳未満が何人いるかの図or働いてる人と働いてない人図の比較は、こういう見方すれば減額はあっても年金破綻はないなというのがよくわかります。
テレビで資料やグラフ作ってる人間って根本的に統計とかの知識ないと思しき事例が見受けられることから、ただ煽ってるだけでしょう。
とはいえ注意点としては本で上げられてる数字は割と好意的解釈(厚生年金対象者など)を元に計算している面もあるような印象を持ちました。
年金で大切なことの3つめに経済の成長を上げてるように、ここが肝だとは思いますが、これがダメな可能性はあります(ただ、日本って国は他国よりも火事場の馬鹿力的なもの発揮する国でもあるので、一気に変革進む可能性あるんじゃなかろうかと思ってます)。
現実的には一定比率受給できるけど、老後を快適に過ごしたいならば年金・退職金以外を準備する三階建てで行くが正当でしょうし、セミリタイアやらFIREするならば保険や年金知識は必要だなと実感させてくれる本だと思います。


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