「なぜ日本からGAFAは生まれないのか」の終章に書かれてあった日本企業にないもの
グロース株が今年不調な状況ですが、こういうときになぜかGAFA関連の本を読んでいたりします。
逆張り投資をやる気は現時点でありませんが(まだ下がる可能性ありますし)、個人的に次の上昇相場になった時にけん引する企業が変わってるという可能性もあるので、GAFA関連の躍進の理由を知っておいて損はないかと。
で、そんななか日本向けに書かれたいかにもなタイトル「なぜ日本からGAFAは生まれないのか」を読みました。
1章から4章まででGAFAの成り立ちから現状までわかりやすく書かれてますが、これは他のGAFA関連の本の内容と被ります。
肝は終章の「GAFAにあって日本企業にないもの」で、書かれてあること読むといろいろと考えさせられるものがありました。
シリコンバレーの対極にいる日本
終章でGAFAにあって日本企業にないものとして、シリコンバレーのエコシステムの構成要素が並べられていました。
- 0から1を生み出すコンセプト・メイキングやデザインの力に優れた天才を吸引して育てる知的バトルの場としての大学を囲むエリア。
- サポートするテクノロジー人材と技術基盤。大学や大企業、政府系の研究所などに加えて、ハイテク・ベンチャーが集積している。
- 高い流動性の中で、プロの経営人材が大学や大企業、ベンチャーなどから供給される。
- VCやエンジェル投資家、大学や企業、政府系機関から資金提供がある。
- 規制緩和や、国が持つ技術の解放と民生移転などの支援があり、法制や税制のバックアップもある。
場、技術、人、金、制度が整っているけど、日本ではそうではないという話が列挙されてます。
では、どうするかというと起業家は少しずつ増えているそうですが、母集団のボリュームが小さい。
したがって、日本ではアントレプレナー量産が厳しいので、イントラプレナーに期待した方がよく、大企業がベンチャーを支援し育てるのがよいと指摘しています。
金・技術・人も有効活用できてない問題点も指摘していて、人が起点なのでイノベーターを発掘する意欲と覚悟、仕組みが要るということで、トヨタやソニーの事例が紹介されていました。
トヨタの事例があるのは、著者の一人が自動車関連の人だからというのもありそうですが。
ただ、お金の仕組みが整ってないのはその通りですが、結局大学の金、研究開発費用の金に関してもなんとかしないとシリコンバレーとは規模が違う。
大企業の支援だけでは足らないのでもっと多面的に見ていかないといけないと思いますし、アメリカを真似するだけでなく日本人に合ったと部分も探さないと真似だけではじり貧のままではないでしょうか。
最後の方で日本人は180度転換する能力があり、変化を積極的に受け入れる:様子見:そのほか=2:6:2で、2割超えてきたときに変わるといいますが、当社は最初の2割のところの数%が迷走しちゃった例とかみてるのでどうなることやらと。
ともあれ変化についていかないことには投資の弾となる資金も得られない時代になりつつあるわけで、ある程度ついていける覚悟は必要かなと読んでいて思いました。


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