アダム・グラント「THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す」
ペンシルベニア大学ウォートン校教授のアダム・グラントの本は読もうと思って読まずに来ましたが、機会があって最新作の「THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す」を読みました。
内容としては既存の考え方を新たな観点から見つめ直すことがいかに大事であるかを説いた本になります。
個人的に今年はトレーナーをやってないのですけど、過去数名対応した人間としては出るのがもうちょい早ければと思う内容でした。
同時に投資に関しても結構通じるものがあるかなと。
インパクトのための行動再考スキルを磨くための30の秘訣
前作までの論点のいくつかをその後再考し見解を変えたことを素直に告白している点は非常に好感が持てますし、最新作から読んでよかったなと思いました。
その中で巻末に「インパクトのための行動再考スキルを磨くための30の秘訣」の中にこれはと思う項目が挙げられてました。
個人的に投資も含めて共通だと思う以下は取り入れたいと思いました。
- 科学者のように考える
- 信念では無く、価値観に基づいて自分を定義する。
- 自分の意見に反する情報を探す。
- マウント・ステューピッドの頂上で立ち往生しないように注意する。自分の能力を過信してはならない。
- 懐疑心のメリットを活かす。
- 自分の間違いを喜ぶ。
- なぜではなくどのようにを考える。
- 世論を二極化するトピックを複雑化する。
- 矛盾や不確実性に言及することを恐れない。
- ベスト・プラクティスを払拭する。プロセス・アカウンタビリティを導入してベタープラクティスを追求し続けた方がいい。
- 環境だけでは無く、自分の行動も再考する。
- 時間をつくり再考する。
とくに科学者のように考えるというのは、意見を述べるとき他社をせっきょうしたり(牧師)、自説以外を全てひなんしたり(検察官)、その場しのぎのいいわけ(政治家)をしたくなってもその衝動を抑えること。
そして自分のアイデアは単なる直感または仮説として捉え、それが正しいか実験してみる。あるいは既存のデータと照らし合わせてみるというのは仕事でも投資でも通用するんじゃなかろうかと。
投資に関しては最初は始めるきっかけになった意見やら本や動画があると思うので、それに従いつつも、やがて自分に合ったものに適合させていく。
そして、なんか違和感を感じたら調べて修正していくというのが大事なんじゃないかと運用して10年経って強く思います。
よくSNS上で間違えを認めたら死ぬ的な人を見かけますし、自分の意見が100%正しい的な人もみかけますが、「自分の間違いを喜ぶ」とか「懐疑心をのメリットを活かす」とかはまさに反面教師として肝に銘じたいと思いました。
同時に、主義主張に固執せずに、最適な見方をするという考え方は知的謙虚という言葉が当てはまるかなと思いますので、どん欲に知識を得ること、アップデートしていくことが今後重要にかなと。
他にも子供向けの教育や組織論も書かれてますし、「大きくなったら何になりたいか」と子供に尋ねない理由で、将来どんな職業あるかわからないというのはその通りだなと。
それに通じで「10年計画は立てない」というのも同様。
割とこれまではキャリア的なものの指針があったけど、今後は迷って蛇行しながらも目的地につけ的な生き方をするのが社会人になって10年以上経ってからと思うところがあります。
その意味で再考というのが重要で、最新の知識のアップデート→修正のサイクルを回しつつ謙虚たれというのは心がけたいと思わせる一冊でした。


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