奥野一成著:ビジネスエリートになるための投資家の思考法
奥野一成氏の「ビジネスエリートになるための 教養としての投資」は投資は知の総合格闘技であると説いていて、投資手法も共感できるものがありました。
ですので、投資やってるならよんでおいて損はない一冊だと思います(ましてや個別株やってるならば)。
ビジネスエリートになるための教養としての投資は、社会人が金融リテラシーを学ぶのにもってこいの一冊 - 関東在住福岡人のまったり投資日記
投資をして来年で10年となるわけですが、投資をする前とした後で経済を見る目は間違いなく変りますし、お偉いさん達のいうことも多少は理解できるようになりました。とくに経済のニュースがわかるとお偉いさんとの会話のネタにもなるのです。その意味で金融リテラシー的なものって教養ともいえるんんじゃないかと考えます。...
個人的に印象に残った点と疑問点を整理してみました。
問題解決が複雑化しているからこそ
お金に困らなくなる方法として自己投資、長期投資の2つを上げていますが、それ以外は割と企業を見たり、ビジネスマンとしてどう動くかに焦点当ててる印象の内容でした(自己投資と長期投資を組み合わせた自分ポートフォリオについては別途記事に予定)。
企業を見る目という意味で、顧客の抱えた問題が「機能」という具体的かつ画一的なものから「意味」という抽象的かつ多様なものに移っているという指摘はなるほどなと思うところがありました。
意味的価値>機能的価値という環境の中では、問題発見により大きな比重が置かれていて、その解決が対価である報酬や利益が大きくなるということを考えますと、「付加価値」という視野は投資だろうが仕事だろうが意識しておきたいところです。
20代の人向けにいうならば加えて、付加価値を提供するための全体最適化の視野をもつようにすればおのずと回り始めると思いますね。
あとはインベスターの定義として上がっていた中で以下の5つはその通りと思います。
- インベスターは鵜匠である。
- インベスターは価格よりも価値にこだわる。
- インベスターは株価の下落を喜ぶ。
- インベスターは想像力を駆使する。
- インベスターは時間を味方につける
とくに株価は利益の影、利益はビジネスの影ということは意識したいですね。
あとは結局5つとも短期ではなく長期の視野を持ってることは投資をする上で意識すべきでしょう。
ちなみにインベスターシンキングとして上がっていた3つの視野も同意です。
- 俯瞰的に見る(川中の企業は儲からず、川上と川下を見る)
- 動態的に見る(タイムトリップして産業の変化を考える)
- 斜めから見る(垂直統合から水平分業へ)
投資面という意味ではためになるのは前半部分が多かったなという印象でした。
ただ、「配当は強制的な利益確定である」と書かれていて、過度に配当に依存しないというのはその通りなのですが、「素晴らしい経済性を持った事業の複利的価値増大」という命題に囚われすぎるのも良くないのあるかなと。
例として上がっていた日本電産の最近伝え聴こえてくる創業者が歳取って暴走状況を見ますと留意が必要かと思いました。
ともあれ投資だけでなくビジネスマンとしても必要な視野が書かれてますので、オススメできる本だと思います。


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