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投資関連本

トーマス・オーリック「中国経済の謎ーなぜバブルは弾けないのか?」

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中国関連の本はポツポツと読んでいて、とくにバブルがはじけた場合にどうなるのか?という点で、色んな人の視野を読もうとしています。

経済に関しては「バブルの経済理論」、政治に関しては「ラストエンペラー習近平」がよかったですね。

「バブルの経済理論」に書かれてあった中国のバブルに関する考察 - 関東在住福岡人のまったり投資日記

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中国がはまった大国は小国に勝てない戦略のパラドックスとは?「ラストエンペラー習近平」 - 関東在住福岡人のまったり投資日記

わたしは中国史関連の本は定期的に読みますし、中国断固制裁とはいかないまでも中国に関してはつかず離れ過ぎずくらいのスタンスがいいのでは?と考えてます。ただ、米国外株の比率を上げてる状況ですけど、さすがにちょっとバブルってないかということで、「バブルの経済理論」とかバブル関連の本は読んでます。バブルの経済理論posted with ヨメレバ櫻川 昌哉 日経BP 日本経済新聞出版本部 2021年05月21日頃 楽天ブックスAmaz...

で、今回は直球ストレートな本を読みました。

ずばり「中国経済の謎ーなぜバブルは弾けないのか?」

著者のトーマス・オーリックはWSJ北京支局記者、ブルームバーグのチーフエコノミスト等を歴任した人物で、この本は中国翼賛でも否定でもない割と中立的に書かれた本だと思います。

個人的に印象に残った点をピックアップしていくと以下でしょうか?

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日本と韓国のバブルを反面教師にした政策はここまで上手くいった


中国に関して以下の区切りで経済政策と何があったかがわかりやすく書かれています。

    第1のサイクル(1978〜1989年)改革開放〜天安門事件
    第2のサイクル(1992〜1997年)南巡講話〜アジア通貨危機
    第3のサイクル(1998〜2008年)朱鎔基の改革〜リーマン・ショック
    第4のサイクル(2008〜2017年頃)4兆元の刺激策〜サプライサイド改革
    第5のサイクル(2017年頃〜)

この間バブルやシャドーバンキングなどの問題がありながらも、日本の貿易摩擦やバブル崩壊、韓国の通貨危機を他国の失敗を他山の石として、中国は自国の問題に対処できたと指摘しています。

なので為替は操作するし、外資の参入を止めてるわけです。

ただし、著者は危機が起きた場合も予測していて過去の事例(各サイクルで1回はあった)はヒントになるとのこと。それを踏まえて影響含めて以下の考えを示しています。

  • 輸出の落ち込み、不動産価格の急落、過度に野心的な改革、極めて厳しい金融引き締め、市場メルトダウン、資本逃避、惰性的なゾンビ企業の存在はどれも中国を危機に追い込む可能性がある。
  • 生産年齢人口の縮小、国有部門改革の停滞、そしておわりなき貿易戦争により成長の頭は抑えられている。問題を克服して成長を実現する余力は極めて乏しくなっている。
  • 借金頼みの刺激策の連続により、中国の債務レベルはめまいがするほどに上昇している。インフラ投資によって景気を刺激する余地は制限される。また、家計の借金が増えて住宅ローン融資の操作を通じた需要喚起も難しくなり、危機に対処する政策的な余地はなくなっている。
  • 習近平の任期が制限を超えていて、2012年には新鮮に見えた政策が陳腐になり、賢い助言者もあまりおらず、後継候補は権力闘争に忙しい。過去の難題を乗り越えるのを可能にしてきた独創的な政策と、目標のための結束は難しくなるかもしれない。
  • 過去に政策的な失敗を是正してきたかもしれないチェック&バランスは失われていて、建設的な批判はゼロに近くなっている。
  • 中国の金融不均衡は世界有数のレベルであるため、対応を間違うと、もっと大きなコストをもたらす可能性は非常に高い。
  • 中国がクラッシュすると最大のリスクに直面するのはアジア諸国で、不況に転落するだろう。
  • アジア諸国の次は原料材料輸出大国は影響を受ける。オーストラリア、ブラジル、サウジアラビアなど。
  • 主な先進国はそこまで影響をうけないだろうが、ドイツと日本は別。中国の成長が1%減速すれば日本のGDPは0.2%減る。
  • アメリカやイギリスをはじめとする欧州諸国はアジア諸国や原材料輸出国ほどの打撃は受けないだろうが、それでもダメージを受ける恐れはあり、金融部門でのつながりによって増幅する可能性が高い。

仮に不況突入になった場合の影響を考える上で参考になる点はあるかと思います。

また、中国のバブルが崩壊するのは時期尚早というスタンスの著者によると以下の事象を上げていて、これは当てはまるかなと思いました。

  • 中国は過小評価されている点があり、大きな成長の伸びしろ、金融システムへの安定した資金供給、間違いなく開発途上の国であること。
  • 政策オプションは二者択一とみなされがちで、中国の政策当局の独創性が過小評価されている。
  • 中国には一党独裁国家ならではのリソースがあり、それを駆使しして問題に対処することができる。
  • 中国を外から見ると透明性が低いことと、見るものが感情的であることが、性格で偏見のない評価を難しくしている。

ただし、全部イギリス人の皮肉が混じってるように思われますw

現実的には極端な方向に賭けずに新興国株式のインデックスファンドなりで投資する程度に止めておけばいいのでは?というのが個人的な意見です。

中国やロシアの政治的資本主義は社会的な施策で失敗したら取り返しがつかない確率が高い。


著者が書くように、過剰債務バブルを賄う経済規模と金融システムがあり、優秀な官僚と政策実行できる一党独裁があるから大丈夫だというのは一理あるのですけど、一方本を読んでいると、これだけ中国経済が巨大になると、問題も巨大になっており、これまでの政策で乗り切ることができるのか、という疑問が残るないようであると思いました。

で、第5サイクルにおいて以下が必要とも説いています。

  • サプライサイドでは資本集約的で労働集約性の低い製造業から、資本集約性が低く労働集約的なサービス業への移行
  • 産業内では非効率な国有企業からダイナミックで生産性の高い民間部門へのシフト
  • 需要サイドでは、消耗した輸出・外資頼みと過剰設備投資から個人消費・内需への移行
  • 銀行部門では、信用拡大と経済生産の関係を立て直し、成長をつぶさずにデレバレッジを進める

ただし、国有企業から民間部門へのシフトは潰している事象が散見されますし、賃金の上昇で製造業からサービス業への移行で失業者が増えた場合のリスクはあるんじゃなかろうかと思いました。

加えるとあとがきには訳者が著者との会話でコロナ対応などについて触れられてますが、本編は1年以上出遅れてロックダウンやらハイテク企業規制をしているのを見ますとできんのかという疑問が否めません。


ブランコ・ミラノヴィッチの資本主義だけ残ったでは「中国やロシアの政治的資本主義は社会的な施策で失敗したら取り返しがつかない確率が高い。」と書かれてました。

なんとか上手くいったのが今後上手くいかなかったときの反動はより大きなものとなるかもしれません。

ともあれ中国経済関連を考える上で非常にいい一冊だと考えます。

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