男性正社員の入社後の給与推移は1980年代入社組から大きく変わってない?
結構過激な政策が提案されているのですけど、一理あるというものもありました。
で、個人的に気になったグラフが3つありまして、「日本経済の貧困下の原因として非正規労働者の増加を指摘しているが、正社員の側だってたいして昇給もしていないし、昔よりも貧困かしているはずだ」という点に関して、民間給与実体統計調査の1978年からのデータを調べたものです。
一応、グラフに関しては、男性サラリーマン同士の比較になっていて、女性社員の場合給与統計に大幅にパートが合算されているので、時系列の実態の観点から省いています。
では、その実態を見ていくと意外な点も見えてきます。
バブル組(1990年入社)と昭和組(1980年入社)を比較すると、バブル組の方が得をしている
230p以降に載っていたまず昭和組(1980年入社)とバブル組(1990年入社)の入社後の給与を比較したのが以下の図。

バブル組は若手時代の10年間で900万円も給料が多く、一番得をしている世代となっています。
40代で給料が昭和組より450万少なくなってるのは、リストラが厳しくなったのとIT化が進んで効率化したというのがあるかと思います。
では、バブル組以下の世代はどうなのか?
バブル組と氷河期組(2000年入社)を比較すると、明らかに氷河期組は給料が抑えられています。

一応、40代でバブル期組に追いついてはいるのですが、ここから上に行くには10年前よりも労働環境は厳しい条件ですし、国が支援するのも納得でしょう。
では、氷河期組以降はどうかというと以下の通り。

ミレニアル世代(2010年入社)はバブル期ほどの給与はもらってないものの、30代前半時点で氷河期組を上回っている。
2020年入社世代もミレニアル世代と同じラインの出発となっていました。
で、このグラフを見ると日本の正社員の給与制度は、バブル入社組以降減ってはいるものの、終身雇用年功序列が変わった現在で給与カーブはそれほど変わっていない。
ただし、女性社員に関しては男女雇用機会均等法の改正が1999年ですし、管理職が増えてない現状では経営者が思ってるほどには大きく変わってないと鈴木氏は指摘していました。
現状の幹部社員というのは40年前と違って色々とみなきゃいけませんし、やってる内容は雑務が減った分より高度化しているので、それで正社員の給料が横倍はきついかなと思いますね。インフレもありますし。
その分残業規制やらで労働環境がマシになってるのとトレードオフな感じもしますが、サバイブするというのも含めて個人的にはしんどい時代と思います。
本の中でも人工知能が消滅させ、中流も消滅すると書いてましたが、職業によっての影響が異なるとはいえそれはありますから、不確実な状態だからこそ、貯蓄やら投資でブラックスワンに備えるというのは重要なのではないかと思いました。


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