Tracers S&P500配当貴族インデックス登場で、増配の連続年数によるパフォーマンス差はどれくらいあるのか気になって調べてみた
Tracers S&P500配当貴族インデックスが設定されて1週間たったわけですが、Funds-iであったインデックスファンドよりもはるかに低コストな0.1155%の経費率ですから、そりゃ話題になるでしょう。
直近1年の状況見てますと、SBIバンガードの高配当株式が想像以上に入金していますので、グロースから増配とか高配当系の方に資金が向かってる流れはあるかと思いますね。
で、この配当貴族指数の連続増配年数は25年なんですね。
わたしがコアで投資しているバンガード米国増配株式ETF(VIG)は連続増配10年以上、一方老舗的にもう一つ増配に着目しているのがSPDR S&P 米国高配当株式ETF(SDY)でこちらは連続増配20年。
SDYは「配当利回り」と「安定的配当成長」も増配でフィルターかけた後のファクターに入ってるのですが、どれくらい差があるのか?また、株価下落時に違いはあるのか?というのは気になりました。
というわけで調べてみました。
連続増配期間が長いほどパフォーマンスがいいわけではない。
米国株配当貴族指数(SPDAUDP)は2013年頃からデータがあるので、パフォーマンスを比較すると以下の通り。

過去1年でパフォーマンスを比較すると増配をファクターにしている指数やETFはS&P500を大きく上回っています。
ただし、連続増配期間が長いからいいかというと、20年のSDY、10年のVIG、25年の米国株配当貴族指数(SPDAUDP)という順番。
比較できる最大期間2013年からまで期間を延ばすと以下の通りで、米国株配当貴族指数(SPDAUDP)はVIGやSDYに劣る。

SDYとVIGではセクター構成が違ってたりしますが(VIGは情報技術セクターの比重が高め)、それでも負けてるのを見ますと連続増配の期間が長ければいいというものでもなさそうです。
ちなみにVIGとSDYとS&P500の比較だとデータは2006年からになります。

ほぼ似通ったパフォーマンスになってますが、期間によってまちまちで、コロナショック後冴えなかったSDYがここに来て巻き返しているという状態です。
ちなみに相関性を見るとVIGとSDYで0.9。VIGはS&P500の方が相関性高いです。

加えて連続増配期間が長いSDYの方が最大ドローダウンが49%で41%のVIGより大きかったりします。
VIGとSDYでは共通項としては、S&P500と年次のパフォーマンス見ると、増配ETFはS&P500のパフォーマンスがマイナスの年はいいという傾向はありそうです(といっても2007年からで今年入れて3年しかないのですがw)

個人的に過去15年でS&P500とパフォーマンス変わらないならば下落耐性のある増配株ETFは重宝したいところ。
ただし、直近のパフォーマンスがいいからグロース万歳だった人たちが配当貴族に鞍替えしているのであるならば、その人たちと同じ行動はあまりいいものではないんじゃなかろうかという印象もあります。


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